Bluetooth機能、aptX Adaptive対応のハイコスパ
カスタムIEMと言えば10~20万円ぐらいのイメージだが、「LIFEEAR Flow」は5万8000円と格安である。耳型は指定の店舗で別途採取する必要があるが、これは他メーカーのイヤモニでも同じだ。さらに通常、納期は1~3ヵ月程度かかるのだが、最短1日と猛烈に早い。ドライバーはシングルBAでなく、ダイナミック型ウーハーとBA型ツイーターのハイブリッドタイプだ。さらに驚くべきことにBluetooth機能搭載! Bluetooth Ver5.2を採用して、コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveと高音質に対応。連続再生時間は7時間、充電は2時間とスペック的にも不満はない。
持った感じは電池が内蔵されているとは思えないほど軽い。インナーイヤーカナルの形状はFitEarのミドルレッグシェルを思わせる。ユニバーサルタイプで試聴してみると、低音に量感がありカスタムなら、さらに迫力のある低音が再生されそうだ。ハイブリッドで気になる帯域による音色の違いもなく素直でクセのない音だった。残念ながら当方の時間の都合でBluetoothの高音質コーデックでの試聴はできなかった。
気になる点は物理ボタンがなくすべて操作をタッチパッドでおこなうため、正しく操作できるかが心配。音量ダウンは左を3回タップなので素早く音量を下げるのは難しい。外音取り込み機能もないので、屋外での使い勝手が悪いかもしれない。充電は専用ケーブルを使いUSB-C対応の充電器に接続する必要がある。また、カスタムIEMはピカピカでツルツルの透明なシェルで内部のドライバーが見えるのが一般的だが「LIFEEAR Flow」は、選択した色によりシェルの透明度が低く内部のドライバーがよく見えないためモノとしての満足度は低い。また、文字入れなどのカスタマイズにも非対応だ。しかし、何より5万8000円のハイコスパ&実用重視のカスタムIEM入門機として注目したい一台である。
有線接続の場合はMMCXのケーブルで接続、別売で画像の銀メッキの銅リケーブルも発売される
3Dプリンタで印刷されたインイヤーカナルは微妙な凹凸があり、荒削りな印象を受けた
写真・文/ゴン川野