確定申告のシーズン。まだ済ませていないという方もいるのではないだろうか。株式会社マネーフォワードが以前、会計事務所で働く会計士・税理士・職員100名を対象に、初めての確定申告に関するアンケート調査を実施した。調査の結果、確定申告直前まで「税金を納めるお金がないんですが…」などと、申告期限ギリギリまで何もしていない人が多いことがわかった。
■初めての確定申告で「何をすればいいのか分からない」人が続出。「領収書やレシートの保管」を徹底した上で「プロに相談」するのが鉄則
初めて確定申告をする人がつまずきやすいポイントとして、初歩的な知識がないことにより「とにかく何をすればいいのか分からない」(78%)、「自分が申告すべきかどうか分からない」(48%)という人が多いことを指摘する専門家が多数いることがわかった。また「領収書やレシートの保管を怠る」(47%)という手間・面倒がつまずきやすいポイントになっていると約半数の専門家が指摘している。
初めて確定申告をする人への事前準備のアドバイスとして、約8割が「領収書やレシートを保管する」ことを挙げた。また、半数以上が「分からない事は、税務署や近隣の税理士に相談する」、4割以上が「早めに税理士に依頼する」ことを勧めている。「そもそも確定申告をする必要があるか把握する」という初歩的なチェックも重要だ。申告漏れや記入ミスがあると税務調査や追徴の対象になる可能性もある。不明点がある場合は早めに「税理士に相談する」ことが大切だということが分かった。
■初心者が判断しにくいのは「経費」の計上、今年度は「消費税の処理」に注意が必要
初心者が判断しにくい項目として「経費の仕訳」と回答した専門家が半数を超えた。購入した備品は経費計上か資産計上か、飲食費は接待交際費か交際費か、また、自宅を事務所にしている場合の家事按分の方法など、経費の計上には専門的な知識が必要になる。また、約半数の専門家が「資産譲渡があった場合の申告」が初心者には判断しにくいと回答。譲渡所得の区分、総合譲渡か分離譲渡か、取得原価不明の場合の申告などは知識がないと判断しにくい項目だ。
今年度の確定申告で注意すべき点として、8割以上の専門家が「消費税(5%と8%)の処理」と回答した。2014年度は、年度の途中で税率の切り替えがあったため、消費税の申告には注意が必要だ。