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2020年比で値上げ幅が最も大きな食料品は魚介類で+25.7%、値上げが続く火災保険と同水準

2024.04.24

2021年頃から始まった「値上げラッシュ」。これを受けて、具体的にどの分野・品目がどのくらい値上げされたのだろうか。

ソニー損害保険はこのほど、総務省が公表している消費者物価指数をもとに値上げラッシュを振り返るレポートを公開した。

本レポートによると、指数上昇率が大きかった食料分野のなかで、値上げ幅が1番高かったのは「魚介類」で、2020年比で+25.7%であることが判明。同様に値上げが続く火災保険の参考純率の引き上げ幅を計算したところ、2020年比で+25.3%と魚介類の値上げ幅と同水準であり、火災保険の参考純率が、食料品の多くの品目を超える引き上げ幅であることがわかった。詳細は以下の通り。

2020年と比較して、最も値上げ幅が大きかった食料品は!?TOP10を公開

総務省統計局が2024年1月19日に発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均」(※1)によると、2023年の消費者物価指数(2020年を100とした場合)の総合指数は、値上げラッシュ開始前と比較して、年間平均105.6と5.0%以上の値上げ幅となっていることがわかった。

前年比でも3.2%と大きな値上げ(指数上昇)幅となった要因は、原材料価格の高騰に加えて円安の影響が重なったことで食料品の値上げが相次いだことが考えられる。

10大費目(食料/住居/光熱・水道/家具・家事用品/被服及び履物/保健医療/交通・通信/教育/教養娯楽/諸雑費)のうち、前年比較で最も上昇したのは「食料」で8.1%の上昇となっている。ここでは、家計に最も密接である「食料」の費目から、実際にどのような分野・品目が値上げとなったのか、またその要因についてもインフォグラフィックとともに解説していく。

※1 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均」 

特に値上げ幅が大きかった分野の値上げの要因は?

「食料」の項目のうち、どの分野の値上げ幅が大きかったのか、2020年を100とした場合の2023年12月の指数をもとにランキング化した。上位5つをみると、1位「魚介類(125.7)」2位「乳卵類(122.3)」3位「菓子類(120.0)」4位「油脂・調味料(117.5)」5位「調理食品(116.6)」という結果となっており、それぞれの分野について値上げの背景や要因について解説する。

■1位 魚介類(+25.7%)

1位の「魚介類」の主な品目は、まぐろやあじ、いわしなどの魚類、牡蠣やほたて貝などの貝類に加えて、かつお節や缶詰などの加工食品も含む。

農林水産省は、近年不漁が続くサンマやスルメイカは価格が上昇傾向にあると発表(※2)している。サンマは、2010年頃を境に漁獲量が減少している。地球温暖化によって海洋環境が変化し、サンマが東の沖合に移動したことが原因であることが調査(※3)から判明しており、漁獲量減少が値上げにつながっている。

※2 農林水産省「令和4年度 水産白書 全文 第2章 我が国の水産業をめぐる動き」
※3 国立研究開発法人 水産研究・教育機構「サンマの不漁要因解明について(調査・研究の進捗)令和5年4月」

■2位 乳卵類(+22.3%)

2位の「乳卵類」の主な品目は、牛乳、ヨーグルト、バター、チーズなどだ。乳卵類に含まれる鶏卵の小売価格は、2023年10月時点で30ヵ月連続で前年同月を上回っている(※4)。以前は“物価の優等生”と呼ばれるほど、価格変動が起こりにくいとされていた食品だったが、養鶏飼料が近年大きく値上がりしたことにより、値上げが続いている(※5)。

養鶏飼料の多くは海外輸入に依存している。円安や海外情勢などの影響を受け、輸入価格が引き上げられ、養鶏飼料の値上げにつながり、それらが鶏卵価格に反映されている。また、鶏卵の選別やパック詰めに使う機械を動かすための電気代や燃料代などのエネルギー価格も上昇していることも、一因となっている。

※4 独立行政法人 農畜産業振興機構「畜産の情報鶏卵卸売価格、3カ月連続で200円台で推移」
※5 農林水産省「フェアプライスプロジェクト 2023年8月18日生産者インタビュー動画(卵)を公開しました。」

■3位 菓子類(+20.0%)

3位の「菓子類」の主な品目は、ようかん、ケーキ、プリン、ポテトチップス、チョコレート、アイスクリーム、チューインガムなど。

値上げの原因として、菓子類の主な原材料となる砂糖の価格の高騰があげられる。砂糖の原料となる高糖度原料糖などは、主に豪州から輸入している。2023年5月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、9万2,101円となっており、前年同月比で29.1%も上昇している(※6)。

原材料価格の上昇に加えて、包装資材や物流費の上昇も値上げ要因のひとつとなっている。また、2024年の値上げ傾向として、内容量を減少させることによる価格維持ではなく、本体価格を引き上げる値上げが多くみられるとされている。

※6 独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖類の国内需給」

■4位 油脂・調味料(+17.5%)

4位の「油脂・調味料」の主な品目は、食用油、マーガリン、食塩、しょう油、みそ、砂糖、ケチャップ、マヨネーズ、カレールウ、乾燥スープ、ふりかけ、パスタソースなど。

帝国データバンクの調査によると(※7)、調味料は、2022年は5,953品目、2023年は8,052品目の商品の値上げが実施された。値上げの要因として、物流費の高騰・エネルギーコストの上昇、食用油価格の高騰が価格に大きな影響を及ぼしている。

※7 帝国データバンク「食品主要 195 社 価格改定動向調査」

■5位 調理食品(+16.6%)

5位の「調理食品」の主な品目は、弁当、おにぎり、調理パン、冷凍米飯などの調理された食品全般を指す。

前述した「魚介類」「乳卵類」などの原材料価格の高騰、包装資材や物流費、エネルギー価格の上昇など複合的な要因が重なり、値上げにつながったことが推察される。エネルギー価格に注目すると、2021年から上昇傾向にあったエネルギー価格だったが、 2022年に世界規模でエネルギー価格が高騰し、 世界各地の天然ガス市場は過去最高値を記録した(※8)。また日本は一次エネルギー自給率が低く海外に依存しているため、エネルギーの輸入コストも値上げ要因のひとつになっていることがうかがえる。

※8 経済産業省 エネルギー庁「第1節 世界的なエネルギーの需給ひっ迫と資源燃料価格の高騰」

■6位~10位の分野ランキングと主な品目

消費者物価指数をもとに紹介した食料や、さまざまな物価が値上げしているなか、火災保険も近年値上げが続いている。火災保険の値上げの主な要因となるのは、気候変動等にともなう自然災害の増加だ。豪雨や台風等の自然災害による被害の増加に伴い、保険金の支払いが近年急激に増加していることから火災保険の保険料の基準となる参考純率(※9)の引き上げが続いている。

2020年の参考純率を100とした場合、直近の引き上げ幅を計算すると、2021年には全国平均+10.9%となる参考純率の改定が行われ、さらに2023年6月には2014年以降最大となる全国平均+13.0%の参考純率の改定についての届出が、損害保険料算出機構から金融庁に行われた(※10)。

この2つの料率改定をあわせると、火災保険の参考純率の引き上げ幅は2020年と比較して+25.3%となる。食品の値上げ幅TOPの魚介類(+25.7%)に迫る水準であり、そのほかの食品の値上げ水準を超える幅になっていることがわかる。

※9 参考純率とは、火災保険料を決める際に損保各社が参考にする基準値であり、損害保険料算出機構が制定している。

※10 損害保険料算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」

この改定は、2024年度を目処に各社の火災保険料に順次反映される見込みであり、加えて今回の改定では洪水や土砂災害といった水災リスクに対応する水災料率が、市区町村の水災リスクに応じて細分化されている。これを機に火災保険の補償範囲や、居住エリアのハザードマップを確認して水災リスクを把握し補償内容について適切な選択や見直してみてはいかがだろうか。

出典元:ソニー損害保険株式会社

構成/こじへい

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