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「すみません」を丁寧にした敬語表現は?目上の人に失礼のない使い方と例文集

2024.05.16

「すみません」は謝罪や感謝、呼びかけるときなど、複数のニュアンスを持ち、さまざまなシーンで使える表現です。

丁寧語で便利な言葉ではあるものの尊敬語や謙譲語ではないため、ビジネスシーンでは敬語表現を使う必要があります。

本記事では、ビジネスシーンごとに使える「すみません」の敬語表現を解説します。

「すみません」の意味とは?

「すみません」は、謝罪や感謝、呼びかけなど、さまざまな意味合いで使われる表現です。日常的によく使われますが、ビジネスでは使用がふさわしくないシーンもあります。

ここでは、「すみません」の意味や「すいません」との違いなど言葉を使ううえでの基本を解説します。

「すみません」は「済まない」の丁寧語

「すみません」は、相手への感謝や謝罪、何かを依頼するときなど、ひとつの言葉でさまざまな意味を表現できる便利な言葉です。

英語では、「Thank you(感謝)」「I’m sorry(謝罪)」「Excuse me(依頼)」と分かれますが、日本語では一言「すみません」でも通じます。誰かに声をかけるときも、自然に声にすることが多いでしょう。

漢字では「済みません」となり、「物事が解決する」という意味の「済む」に打消しの意味がある助動詞の「ぬ」をつけた「すまぬ」が原型とされています。

謝罪や感謝、呼びかけで使う言葉

「すみません」は、「気持ちが済まない・納得いかない」という意味で使われます。

謝罪表現の「すみません」は、「謝らなければ自分の気持ちが済まない」という意味で、感謝の意味で使う場合は、「このままでは私の気持ちが済まない」というニュアンスがあります。

何度も解説しているとおり、誰かに声をかける際の呼びかけとして「すみません」が使われることも少なくありません。この意味の「すみません」には、「急に声をかけてしまい申し訳ない」という謝罪の意味が込められています。

「すいません」との違い

「すみません」のほかに、「すいません」という表現を使う人もいるでしょう。どちらも同じ意味で使われるため、どちらが正しいのか迷うことがあるかもしれません。

正しい表現は、「すみません」のほうです。「すいません」は発言しやすくするために変化した言葉で、より砕けた表現です。「み」と「ま」の連続は発音しにくく、「み(mi)」の子音である「m」が抜けて変化しています。

ただ「すいません」も一般的に浸透しており、会話で使うのは問題ありませんが、文章に書くときには正しいほうを使うようにしましょう。

「すみません」の敬語表現は?

「すみません」は丁寧語ですが、尊敬語や謙譲語ではありません。会社の同僚など親しい間柄で使うのは問題ありませんが、目上の人や取引先、顧客などに使う言葉として適切ではないでしょう。

相手に失礼のない敬語表現を使うことをおすすめします。

謝罪で使う「すみません」の敬語例

「すみません」を謝罪の意味で使う場合、次の表現があげられます。

・失礼いたしました

・申し訳ございません

・お詫び申し上げます

「失礼いたしました」は、軽い謝罪の意味合いがある謙譲表現です。大きな迷惑をかけたわけではないものの、相手への礼を欠きそうなときや、配慮が必要な場面で使われます。

謝罪のニュアンスはあるものの、相手に許しを求める表現ではないため、本当に謝罪すべき場面では使えません。

目上の人や取引先などに謝罪する際には、「申し訳ございません」がふさわしい表現です。

「申し訳ありません」という表現もありますが、「申し訳ございません」のほうがより丁寧で誠意が伝わります。

「お詫び申し上げます」は「申し訳ございません」より、さらに丁寧で真摯な印象を与えるでしょう。謝罪の度合いが強いときに使う表現で、重大なミスやトラブルを起こした際、文書などで使われます。

感謝で使う「すみません」の敬語例

感謝の意味で使う「すみません」の表現は、次のとおりです。

・ありがとうございます

・感謝いたします

「ありがとうございます」は、幅広いシーンで使える表現です。目上の人や取引先などにも失礼なく使用できます。

より敬意を表したい場合、「誠に」をつけて「誠にありがとうございます」とすれば間違いありません。

「感謝いたします」も、目上の相手に感謝の気持ちを伝えるのに適した表現です。書き言葉に適した表現で、より丁寧にしたい場合は「心より」をつけて「心より感謝いたします」「心より感謝申し上げます」とするとよいでしょう。

呼びかけるときに使う「すみません」の敬語例

相手に呼びかけるときに使う「すみません」の敬語表現は、次のとおりです。

・お手数をおかけします

・恐れ入ります・恐縮です

「お手数をおかけします」は、手間をかけることを謝罪するニュアンスがあり、相手に呼びかけたり何かを依頼したりする際に使う敬語表現です。

「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします」といった使い方をします。

「恐れ入ります・恐縮です」は、依頼をする際にクッション言葉のように使えるフレーズです。「恐れ入ります、こちらにご記入いただけますか」「ご足労いただき、恐縮です」というように使います。

「すみません」を使うときの注意点

ビジネスシーンで「すみません」を使う際は、次の点に注意が必要です。

・目上の人には使わない

・ビジネスメールで使用しない

「すみません」はさまざまな意味合いがあり、便利な言葉であるため、つい習慣で使うことがあるかもしれません。

職場内で同僚に使っているのと同じ調子で目上の人や取引先に使ってしまうと、失礼にあたります。「すみません」を使う場面と、ほかの敬語表現を使うべき場面をしっかり使い分けるようにしましょう。

また、「すいません」は丁寧語ではあるものの口語的表現であり、ビジネスメールで使うと違和感があります。使用は控え、ほかの敬語表現を使うようにしてください。

「すみません」を丁寧に言い換えた敬語表現を覚えよう

「すみません」は、謝罪や感謝などさまざまな意味合いのある表現です。便利な言葉ですが、尊敬語や謙譲語ではないため、目上の人や取引先などには使わないように注意しましょう。

「すいません」も「すみません」と同じ意味ですが、「すみません」が変化した口語です。できるだけ「すみません」を使ったほうがよいでしょう。

謝罪や感謝、依頼する際など、意味ごとに適切な敬語を覚え、場面に応じて使い分けるようにしてください。

構成/須田 望 

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