NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所から、シニアのスマホ所有きっかけに関する調査レポートが届いたので、その概要をお伝えする。
このレポートは2024年1月に訪問留置法(調査員が訪問して、調査を承諾した人に紙で質問票を配り後日回収)を用いて実査した結果より、シニアのスマホ所有について分析したものだ。
シニアがスマホを所有した最大のきっかけは「家族からの勧め」
図1. シニアのスマホ所有最大のきっかけ(外枠:詳細 内枠:カテゴリー)
シニアのスマホ所有率は年々増加しており、70代も8割を超えた(2024年3月18日レポート)。
それでは、シニアがスマホを所有した最大のきっかけは何か。最も多い理由は「家族からの勧め」で27%、続いて「使いたい機能・アプリがあった」が18%、「3Gが終了すると聞いたから」が14%、「仕事で必要となった」も14%、「周囲がスマホを持った」が12%で、この5つの理由で全体約9割を占めた。
カテゴリー別では「自主的」「人からの勧め」「周囲の影響」「従来型のケータイ要因」の4つに分けることができた。
■80代女性は「家族からの勧めが」4割
図2. シニアのスマホ所有最大のきっかけ(性年代別)
シニアがスマホ所有した最大のきっかけを、性年代別に見たのが図2になる。
全ての性年代で「家族からの勧め」が最も多いが、その割合は年代が上がり、かつ女性の方がより多くなり、中でも80代女性は4割を超えている。
また男性の60・70代は「仕事で必要となった」割合も2割超となっている。
■直近でスマホを所有した人のきっかけは「3Gが終了すると聞いた」「家族からの勧め」
図3. シニアのスマホ所有最大のきっかけ(所有時期別)
次にスマホを所有した時期に着目して、所有きっかけを調査した。7年以上前から所有している人は能動的きっかけ「使いたい機能・アプリがあった」が多い。
そこから「家族からの勧め」や「周囲がスマホ持ったから」が増え、直近でスマホを持った人は「従来型のケータイ要因」「3Gが終了すると聞いた」が増えている。
■中規模都市(20万人以上)は「家族からの勧め」の割合が高い
図4. シニアのスマホ所有最大のきっかけ(都市規模別)
居住する都市規模別にスマホを所有したきっかけを見ると、「家族からの勧め」が最も多い。特に多いのは20万人以上の都市で、3人に1人という割合になっている。
シニアも多くの人がスマホを所有する時代になり、その所有したきっかけは、いつ所有したかによって、その理由も変化することがわかった。
同社では今後の分析において、所有したきっかけによりスマホの利活用にどのような違いがあるか、分析して報告する予定だとアナウンスしている。
調査概要
「2024年シニア調査」
調査方法/訪問留置調査
調査対象/全国の60~84歳男女
有効回答数/1130
サンプリング/QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付
調査時期/2024年1月
関連情報
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/index.html
構成/清水眞希