ビジネスパーソンにとって平日のランチタイムは、ホッと一息つける安らぎの時間。午前を頑張った自分へのご褒美に、また、午後を乗り切る活力に昼食を取るわけだが、どのような食事をチョイスする人が多いのだろうか?
リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」はこのほど、首都圏・関西圏・東海圏の平日のランチの実態についてアンケートを実施。うち、有職者(職業が「公務員」「経営者・役員」「会社員」「自営業」「自由業」の方)のランチについて集計を行ったので、その結果を発表した。
平日のランチ、「自炊」が最多も構成比は2年連続で減少。「社食、学食」は2年連続で増加
有職者(職業が「公務員」「経営者・役員」「会社員」「自営業」「自由業」の方)の平日のランチについてアンケートの集計を行った。食べ方の最多は4年連続で「自炊、または家族等が作った食事」で31.1%。コロナ禍で2年連続で増加した後、2年連続で減少した。
次いで2位が「小売店や飲食店で購入した食事」で20.4%、3位が「自分、または家族等が作った弁当」で19.2%、4位が「社食、学食」で8.5%、5位が「外食店内での食事」で7.8%と、順位は前年と変わらない。
トップ5で構成比が前年から増加したのは、2年連続の増加となる「社食、学食」(前年8.2%)のみ。性年代別では、「自分、または家族等が作った弁当」では20代女性と40・50代女性が、「外食店内での食事」では60代男性が、他の性年代より高かった。
自炊と中食はすべての食べ方で「増えた」人が前年比で減少
次に、1年前と比べて、ランチの食べ方で増えているものを尋ねた。以下数値はすべて「増えた」と「やや増えた」の回答者の割合の合計値である。「自炊、または家族等が作った食事・弁当」(18.3%)が調査開始以来5年連続で最多であったが、内食(自炊)と中食のすべての食べ方で2年連続してマイナスとなっている。
また、外食の3つの食べ方では、「社食、学食」のみが増加し、「外食店内での食事」「小売店でその場でイートイン」は前年比でマイナスとなっている。コロナ禍からの回復がひと段落したうえで、物価高が影響している可能性も考えられそうだ。性年代別では、内食(自炊)と中食のすべての食べ方で20・30代男女が、外食のうち「小売店でその場でイートイン」「社食、学食」で20・30代男性が、他の性年代より高かった。
ランチ予算、「出前、デリバリー」1,368円、「外食」1,243円。全体平均は452円で過去最高額
平日のランチの形態別の予算を尋ねた。全体平均は452円で、2年連続して過去最高額を更新した。最も高かったのは「出前、デリバリーしたもの」で平均1,368円(前年1,332円)、次いで「外食店内での食事」が平均1,243円(前年1,190円)と、どちらも平均1,000円以上で、ともに4年連続で増額した。
他の食べ方に関しても、最も安い「自炊、または家族等が作った食事・弁当」の平均392円(前年393円)以外のすべての食べ方で前年より増額している。物価上昇や値上げが影響していそうだ。性年代別では、20男性で「出前、デリバリーしたもの」が平均1,601円、60代女性で「外食店内の食事」が平均1,495円と、他の性年代よりも高かった。
「テレワーク」関連項目は全項目で構成比が減少。世の中が平時に戻りつつある様相
働き方の変化に伴い、1年前と比べてランチの食べ方に変化があったかを尋ねた。中分類で「テレワークを行う機会が増えたため」の3項目と「テレワークが日常化したため」の4項目の各構成比は前年より減少した。逆に、中分類の「コロナ禍前までの働き方に戻りつつあるため」の3項目の構成比は前年より伸びており、テレワークや在宅勤務等、コロナ関連で一時増加したワークスタイルが徐々に平時に戻りつつあることが感じられる。
一方で、コロナとは直接は関連しない中分類の「仕事の時短や効率化を求められたため」「働き方の異なる人が職場や取引先に増えたため」「人手不足で仕事量が増えたため」等も、全体的には前年より構成比は減少傾向で、世の中全体がコロナ禍や働き方改革等に大きな影響を受けた激動の時期から、安定的に回復を続ける時期に入ってきたことをうかがわせる。
出典元:リクルートグループ
構成/こじへい