電通において、若者と社会のより良い関係性の構築を目指すプランニング&クリエイティブユニット、電通若者研究部「ワカモン」(以下「ワカモン」)は、アジア7市場(日本・台湾・インドネシア・タイ・ベトナム・フィリピン・マレーシア)の10~20代の学生を対象に、Z世代(※2)の新たな価値観についての「ツギクル」調査を実施。
※2 1990年代半ばから2000年代の初めに生まれた若年層のこと。今後の消費の中心を担う重要な世代であり、世の中の価値観や潮流に影響を及ぼす層として注目されている。
その結果を、「Exploring Future Insight(第一弾テーマ「ツギクル友情の形」)」として(以下「本レポート」)発表した。
発表に際して同ユニットは、「本レポートは今後もテーマを変え継続発表予定であり、本活動を通じてワカモンの知見・企画力をグローバルに拡大していく方針です」とコメントしている。
Z世代が未来に向けて考える価値観や潮流の理解を目指す
本レポートでは、アジア7市場のZ世代のインサイトから導き出す「未来仮説(Foresight)」を起点に、各市場共通の変化ならびに、その差異に着目することで、Z世代が未来に向けて考える価値観や潮流を理解することを目指している。
ワカモンでは、2017年に多様なバックグラウンドを持つZ世代の学生と企業による新しい形の産学連携型プロジェクトとして、共創プラットフォーム「βutterfly」を発足し、毎月大学生と「ツギクル」ワークショップを開催している。
本レポートでは、調査対象をアジア7市場の大学生に拡大し、「ツギクル友情の形」に焦点を当てその結果を未来社会に向けた仮説(Foresight)としてまとめている。なお、定性的なトレンドトピックは、NEW STANDARD社(※3)の知見提供により制作されている。
※3 ミレニアルズおよびZ世代のスペシャリストとして、新しい価値(イミ)創造を”ユーザー起点”でアジャイルに実現する、ブランドDXカンパニー。
本レポートが提唱する主な未来仮説(Foresight)は以下のとおり。
アジア7市場のZ世代が考える「ツギクル友情の形」とは
■世代の友情観は従来の「ソリッド」なものから、目的・状況ファーストな「リキッド」なものへ変化
<「インターネット×コロナ禍」による、つながりの前提の融解>
コロナ禍を経て社会が変わる中、SNSやネットを通じて育ったZ世代は、従来の規範にとらわれない友情観が主流になりつつある。
<友情の形は「ソリッド」なものから、「リキッド」なものへ>
コロナ禍を経て、リアルなつながりだけでなく「趣味や目標が一緒」などの柔軟な基準で形成されるリキッドな友情が増加。集まることが難しくなる中で個人主義と自由主義が友情に影響を与え、国際的にも顕著な傾向が見られる。
<つながりに悩むインサイトに、支援の可能性はある>
新たな悩みとして「自由すぎてどうしたらいいかわからない」が浮上する一方、アイデンティティ形成やつながり支援を目指すマーケティングの重要性が強調され、コト消費やコミュニティマーケティング、共創マーケティングが注目されている。
同社は、本レポートで得られた広い知見を活用することで、従来からワカモンが提供する「ForesightPlanning(以下、フォーサイトプランニング)」(※)による日系企業の海外展開支援の精度を向上させ、同時に、ワカモンメンバーは、国内外市場における「若者と社会の翻訳者」として企業のコンセプト・クリエイティブ開発を支援していくという。
※Z世代のインサイトから導き出す未来仮説(Foresight)を起点に、あらゆる企業活動のコンセプト開発を支援するプランニングメソッド。
フォーサイトプランニングの支援内容
(1)海外市場を含むZ世代の生声と、彼らの目に映る「これからの未来の仮説」を定性的に収集可能
(2)共創プラットフォームβutterflyに所属するZ世代へのヒアリングが可能
(3)ワカモンメンバーが、「現地の若者と社会の翻訳者」としてコンセプト・クリエイティブ開発をサポート
関連情報
https://www.dentsu.co.jp/
構成/清水眞希