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自然なボケ感とMレンズ調の色合いは本格デジカメを超えた!?ライカのスマホ「Leitz Phone 3」の圧倒的な画力を徹底検証

2024.04.21

普通に撮ってもクオリティの高いカメラ機能、料理撮影時の工夫も

 では、肝心のカメラはどうか。センサーはAQUOS R8 proと同じで、解像感が非常に高く、暗所でも十分な明るさで撮れる。一方で、撮った写真の色味などの味付けは、やや独特。HDRがきっちりかかり、彩度が強めなスマホの写真とは異なり、あたかもライカのカメラで撮ったような自然な仕上がりになる。背景がキレイにボケるのは、1インチセンサーとF1.9のレンズの合わせ技だ。以下のように、室内の写真も十分な明るさで、料理も美味しそうに見える。

光量が少なめな飲食店内でも、十分な明るさの写真が撮れる。ボケが自然で、色のバランスもいい

やや空が明るすぎるような気もしたが、夜景もノイズが少なくキレイに撮れる

 ちなみに、レンズのF値が低すぎると、料理などの被写体を全面に写すように撮った時、不必要に奥がボケ過ぎてしまう問題があった。本来であれば、もう少し全体像を見せたい時に、一部にだけピントが合ってしまうことが多い。これは、AQUOS R8 proやLeitz Phone 3に限らず、大型センサーを搭載したスマホ全体の課題だ。これに対し、Leitz Phone 3には、設定内に「料理ぼかし調整」があり、HDRを切ることでぼかしを軽減することができる。実際にそれで撮ったのが、以上の写真だ。

料理撮影の際の写真のボカシ具合を調整することが可能になった。上記の写真は、これを適用している

オフにすると、ピントがごく一部に合ってボカシの範囲が広がってしまう。料理写真には、あまり合っていない撮り方と言えるだろう

 Leitz Phoneならではなのが、デジタルブライトフレームという仕組み。これは、「ライカQシリーズ」のユーザーインターフェイスをスマホ上に再現したもの。本来撮れる画像よりも広い画角が表示され、実際に撮影した際には、枠内のみが記録される。元々、Leitz Phone 3のレンズは19mm相当と広角に作られており、標準では中央部分を切り出して24mm相当にしている。デジタルブライトフレームは、その仕組みをうまく可視化したUIと言えるだろう。

19mmのセンサー全体で撮れる映像を表示するが、実際に保存されるのは枠の内側。両方の画角で同時に構図を確認しながら撮影できる

 一方で、慣れるまでは、画角の調整がややしづらい。ライカ好きにはおなじみの仕組みだが、そのほかのカメラやスマホでは一般的ではないため、思ったような写真が撮りづらいと思ったら、設定を変更してもいい。デジタルブライトフレームをオフにすると、スマホ的なUIになり、画面に表示されている映像がそのままの画角で写真として記録される。

よりライカらしい仕上がりになるLeitz Looks、絞り変更は利便性も高い

 標準モード以上にライカらしさを出せるのが、Leitz Looksというモード。Leitz Looksでは、ライカの代表的なMレンズ3本をシミュレートしており、色味やボケ味、照明効果などが再現されている。設定できるのは「Summilux 28mm」「Summilux 35mm」「Noctilux 50mm」の3つだ。このモード自体は前作のLeitz Phone 2にも搭載されていたが、Leitz Phone 3ではソフトウエア的に絞りを変更できるようになった。

ライカのMレンズをソフトウエア的にシミュレートするLeitz Looks

背景を自然にボカすことができ、あたかも一眼カメラで撮ったかのよう

やや暗くなってしまったが、奥の桜の花のボケ方が非常に自然。アンダー気味で優しい色味も、フィルムカメラのような質感だ

 前2つのレンズはF1.4からF8まで、Noctiluxのみ、F1.2からF8までの切り替えが可能。人物や物などを撮影する際に、背景のボケ味を手動で調整することができる。以下は、NoctiluxでF1.2とF8で撮った写真だが、前者は背景が完全にボケているのに対し、後者は背景のボケがかなり弱くなっている。背景も生かしつつ、被写体を際立たせたい時には、ボケ味を弱くするなど、調整するといいだろう。

NoctiluxでF1.2とF8それぞれで像を撮影してみた。背景のボケ方が大きく変わるのがわかる

 レンズ交換型カメラのような調整ができるようになったのは、Leitz Looksのメリット。あくまでソフトウエアでの処理だが、仕上がりは自然だ。同じくライカがカメラを監修しているシャオミの「Xiaomi 14 Ultra」(日本未発売)は、光学的に絞り機構を搭載しており、これと比べると見劣りするのは事実だが、絞りの調整が可能になったこと、より意図した写真を撮りやすくなった点は評価できる。

ライカのフィルターを利用できるのも、Leitz Looksの特徴。モノクロで撮ると、見慣れた風景も一気に印象的になる

 ただし、ソフトウエアでの処理がかなり重いためか、シャッターを切ってから保存までに、待たされる時間が少々長い。画面上にも「保存中」と表示されるが、実際には合成や加工などの処理をしているものと思われる。その間は操作ができず、残念ながら連写には向かない。Leitz Phone 3は、チップセットに「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しているため、処理能力的には十分だが、やはり限界はあるようだ。アップデートなどでの改善を期待したい部分と言える。

 このSnapdragon 8 Gen 2搭載というのが、少々評価を悩ませるところ。24年のハイエンドモデルとして、「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載している端末も徐々に出始めており、どうしても1世代前のハイエンドモデルという印象が強くなってしまう。例年であれば、AQUOS Rシリーズの最新機種もそろそろ登場するタイミングなだけに、23年モデルがベースになっていることは、購入を躊躇するポイントになりかねない。

 一方で、ライカのカメラらしい味付けで写真が撮れるのは、Leitz Phone 3ならではの魅力。ほかのスマホには代えがたい魅力がある。AQUOS Rシリーズのようにライカがカメラを監修したモデルはほかにもあるが、Leitz Phone 3では、それら以上に〝ライカ感が強い〟写真を撮ることが可能。ハイエンドモデルとして一通りの機能もそろっているため、スマホのカメラにこだわりがある人は、ぜひ手に取ってみたい1台と言えそうだ。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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