小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

健康寿命を伸ばすデータが続々と示される話題の代謝物質「短鎖脂肪酸」って何?

2024.04.22

カルビーとホクトの研究発表

(画像はイメージ)

そして「腸内デザイン共創プロジェクト」に賛同している各社が短鎖脂肪酸にまつわる、メタジェンとの共同研究結果を発表した。そのうち、カルビーとホクトの内容を取り上げたい。

●カルビー

カルビーは、同社のシリアル商品「フルーツグラノーラ」を用いて行った「シリアルの継続摂取による腸内環境および排便回数に及ぼす影響に関する最新研究」の結果を発表した。フルーツグラノーラには、腸内細菌の餌として主要な食物繊維が豊富に含まれる。

研究ではでフルーツグラノーラを食べる群と、コーンフレークを食べる群を設定し、4週間食べてもらった。その結果、フルーツグラノーラを食べることによって「排便回数の増加・排便量の増加・睡眠の質の向上・お腹の張りの減少」が確認されたという。このことから、不足している食物繊維の補給が短鎖脂肪酸を増やし、健康に影響を与えていることが示唆された。

そして同社は「食と健康」事業として、新しいビジネスモデルを考えていると発表。「知る・選ぶ・続ける」の実現を目指す。検査やアンケートなどから、自分に合った食を知り、幅広い選択肢から最適な食事を選ぶ。また管理栄養士の食事コーチングなどにより無理なく続ける。

●ホクト

ホクトは、「きのこの継続摂取による短鎖脂肪酸の増加および免疫機能の増強に関する研究報告」を発表した。

キノコには腸内細菌の餌である食物繊維がたっぷり入っているという。これまでに食生活の中で、キノコが腸内環境を整え、免疫機能増強するかを示す科学的なデータはなかったが、共同研究の臨床試験により実証。同研究結果は、2023年にすでに科学雑誌に発表済みという。

成人80名を対象に、4週間に渡ってホクトが生産するきのこ3種類(エリンギ・マイタケ・ブナシメジ)を等量、混ぜ合わせたきのこ粉末錠剤または、きのこ粉末の入っていないプラセボ錠剤を摂取してもらい、腸内フローラと腸内代謝物質の統合的な解析を実施した。さらに被験者の「便中IgA※」を測定し、腸内環境データと合わせて統合解析を行った。

※IgA:免疫グロブリンA。全身の粘膜で作用して細菌やウイルスの侵入を防ぐ抗体。抗原特異性が低くさまざまな病原体に結合することから、感染防御に役立つことが知られている。

その結果、きのこ粉末錠剤を摂取したグループは便中に存在する、短鎖脂肪酸の一種である酪酸とプロピオン酸が有意に増加した。また便中のIgA量の増加傾向が認められた。特にきのこ粉末錠剤の摂取前に酪酸やプロピオン酸が多い人において、便中IgAの増加量が大きかったという。

きのこの継続摂取により腸内細菌による短鎖脂肪酸の産生を促し、便中IgA量の増加傾向が認められた。IgAは免疫機能の増強に関わることが先行研究で報告されているため、きのこの継続摂取が様々な感染症予防につながることが期待されるという。

シリアルやキノコといった食品に多く含まれる食物繊維は、健康効果の多い“ミラクル”な短鎖脂肪酸を作り出す可能性がある。しかし、福田氏が強調したように、腸内フローラは人それぞれ異なり、短鎖脂肪酸を作り出す餌も異なる。「腸内デザイン」の考え方を身に着けることが、先決といえそうだ。

文/石原亜香利

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年5月16日(木) 発売

新NISAで狙え!DIME最新号は「急成長企業55」、次のNVIDIAはどこだ!?

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。