2010年4月より独立し、Sano Minami Design Office(以下、SMDO)を設立して以来、知名度の高い菓子ブランドやビューティー、ヘアケアのブランドなどのアートディレクションやデザインを手がけるアートディレクターの佐野みなみ氏。今、最前線で活躍しているトップクリエイターとして注目されている。そのセンスの効いた仕事の愛用品を5つ挙げてもらった。
1.IKEAの「DYVLINGE/ディヴリンゲ 回転パーソナルチェア」
アートディレクターの職場には、洗練されたファニチャーが欠かせない。その優れた目利きによる品の一つが、このIKEAの2024年1月に発売されたチェアだ。
「IKEAブランドを代表する往年のデザイナーたちが手がけた人気家具を復活させる”Nytillverkad(ニティルヴェルカード) コレクション”の第3弾で発売されたうちの一つです。初めて見たとき、IKEAならではの低価格と使いやすさにビジュアルの良さも加わり、かなり衝撃的でした。夫が試しに購入したものを使用してみたのですが、座り心地が大変よく、すぐに追加購入。今ではアトリエから外の景色を見ながらこの椅子に座り、MacBook Proで仕事するのが定番になりました。
今年4月に発売されるオランダのデザイナーデュオ、ローカラーとのコラボレーションによる新作コレクションにも注目しています。北欧インテリアブランド『HAY』や英国のホームファニシングブランド『The Conran Shop』のようなインテリアが好きな人には気になるラインナップではないでしょうか」
2.看板猫2匹を見守る「Tapo」のスマートカメラ
「Tapo」はネットワークWi-Fiカメラのブランド。防犯用からペットや子どもなどの見守りカメラとしても活躍する。外出先でもスマホから様子をチェックできるのは便利だ。
「SMDOには看板猫が2匹いますが、外出中でも見守ることができるようペットカメラを9台設置しています。Tapoのスマートカメラは、鮮明な高解像度動画に加え、動作検知や暗視も可能。さらにオーディオで呼びかけもできるので、撮影ディレクションなどで外出中にアトリエの掃除&ペットシッターをお願いした場合でも、様子見や呼びかけができてとても安心できます」
3.画面収録アプリ「Loom」
画面収録アプリ「Loom」は、PCやスマートフォンの画面を録画し、動画として保存・共有できるツールだ。日本でもリモートワークが普及した際に浸透したようだ。
「SMDOではコロナ禍よりかなり前からリモートワークを導入しており、北は北海道から南は石垣島まで、さらにはエクアドル在住のスタッフなど国内外の各地にスタッフが在籍しています。そこで大活躍するのがこのLoomです。これがなければもうやっていけないレベルです。
Loomがない時代はQuick Timeを使って画面収録し、その動画データをDropboxに保存してその動画URLを都度共有するというスタイルをとっていましたが、容量をかなり使うのでどうしたものかなと思っていたところ、この神アプリに出会いました。Loomのサーバーに動画がアップロードされ、そのURLを共有するだけなので、手軽に動画でのディレクションやコミュニケーションが可能になりました。もちろん共有時にはパスワード設定で保護できるので、セキュリティ面も安心できます」
4.デジタルノートアプリ「Goodnotes」
「Goodnotes」は、iPadやiPhoneなどで使えるノートアプリで、デジタルペンで手書きが自由にできたり、画像やPDF形式のファイルなどを読み込んでその上から書き込めたりする便利な機能を持つ。
「PDFやPowerPointなどの資料へ、シンプルに手書きできるのがとても便利で、よく使用しています。打ち合わせ中はもちろんですが、撮影のディレクション最中にも香盤表やカンプ、撮影データなどをPCからすぐに読み込んで、気になるところを手で書き込み、その場で書き出し、撮影チームやクライアントに共有もできるところがとても便利だと感じています」
5.手土産に最適なキャラメル「CARAMELIFE」
自由が丘に本店を構えるキャラメル専門店「CARAMELIFE」のアソートセット。キャラメルはパンやデザートにトッピングして楽しめる商品だ。
「約30年という長きにわたりキャラメルを研究し尽くした会社さんが立ち上げたCARAMELIFEのリキッドキャラメルのアソートメントギフトボックス。こちらは私がリブランディングを担当したブランドで、アートディレクションとデザインのすべてをSMDOで担当しています。中でもギフトボックスは贅沢な作りになっており、また瓶ものということで重さと重厚感もあり、ギフトとしてこちらをお持ちするとまず歓声が上がります(笑) 。味も見た目も間違いのないギフトとして自信を持っておすすめする一品です」
最前線を走るアートディレクターのセンスの一部が垣間見られた。今後の活躍にも注目したい。
【取材協力】
佐野 みなみ氏
アートディレクター
1983年生まれ。東京理科大学卒業。同大学院中退。2010年に独立しSano Minami Design Office (SMDO)を設立。2023年と2024年発売『MdNデザイナーズファイル』にて最前線で活躍しているトップクリエイターの1人として掲載されている。
https://sanominami.com/
文/石原亜香利