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認知症か?うつ病か?最初の診断を間違えると一大事になる理由

2024.07.27

「パック入り卵を4日連続で買ってしまった」「身近な人の名前が出てこない」など、最近何かがおかしいと感じることがあったら……それは認知症の警告サイン!?正常な脳と認知症の間にある〝認知症グレーゾーン〟かもしれません。

ちょっとおかしいという異変に気づいたら、認知症へ進む前にUターンできるチャンス!

認知症の分かれ道で、回復する人と進行してしまう人の違いは何なのか。40年以上、認知症の予防と研究に関わってきた認知症専門医の朝田隆さんによる著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』から一部を抜粋・編集し、健康な脳に戻るためのヒントを紹介します。

認知症グレーゾーンを悪化させる7大因子とその改善法

趣味をもつこと、人との交流、運動、食生活、睡眠……。

認知機能の衰えを食い止め、認知症グレーゾーンからUターンするには、前章まででお話ししてきたような方法を試すことがカギになります。認知症は生活習慣病の一つですから、日々の生活を見直すことが最重要であることは間違いありません。

一方で、より直接的に認知症や認知症グレーゾーンの引き金になってしまうものがあります。

それは、加齢による「老化現象」です。

前のページに書いたとおり、認知症の最大のリスクは「難聴」です。

その理由は後ほどお話ししますが、ほかにも、「視力低下」「歯周病」「高血圧」など、加齢とともに増えていく健康のトラブルと認知症は無関係ではありません。

これらの老化現象も含めた、私の考える、認知機能を低下させる「7大因子」は、次のとおりです。

(1) 難聴
(2) 老眼、白内障
(3) 歯周病
(4) 喫煙
(5) 生活習慣病
(6) うつ病
(7) 孤立(孤独)

この章では、認知症グレーゾーンの発症と進行を促すこれら「7大因子」を取り上げ、気づきポイントや改善策をお話ししていきます。

また、こうした加齢による症状は、本人が気づきにくいことが少なくありません。

ご家族の気づきポイントや、サポートするうえでの注意点などについても、実際にあったエピソードをあげながら具体的に紹介していきたいと思います。

認知症の7大因子【うつ病編】

■老年期うつ病が認知症の引き金になることも

認知症だと思って診断を受けたら、うつ病だった。

そんなケースは珍しくありません。65歳以上の人がかかるうつ病は「老年期うつ病」と呼ばれますが、じつは認知症と密接に関わっています。

うつ病でない人が認知症を発症するのにくらべて、うつ病から認知症に移行するリスクは、2倍ともいわれています。うつ病は認知症の引き金になり、認知症の初期症状がうつであることもよくあるのです。

認知症グレーゾーンの人は、記憶障害より先に「めんどうくさい」が始まります。これはセロトニンやドーパミン、オキシトシンなどの脳内ホルモンが減少したり、働きが悪くなったりすることで起こりますが、うつ病が発症するしくみもじつは同じ。

ですから、老年期うつ病と認知症グレーゾーンを見分けることは、本人はもとより、ご家族にとっても困難なのです。

■専門医はこう見ている、うつ病と認知症を見分けるポイント

とはいえ、私たち専門医が細かく見ていけば、老年期うつ病と認知症にはいろいろな違いがあります。

たとえば、うつ病の人は、何か気がかりなことがあると、それに気をとられてもの忘れをすることがしばしばあります。このとき、うつ病の人はそれを気に病み、周囲に「自分は認知症ではないか」といった不安を訴えます。

一方、認知症の人は、もの忘れをした記憶も失われてしまうので、あまり気に病まない傾向があります。また、もの忘れ外来を受診したとき、うつ病の人は言葉数が少なく、自分を責めるようなことを口にするのに対し、認知症や認知症グレーゾーンの人は、その場を取りつくろうようにハキハキした受け答えをするのが特徴です。

■認知症か、うつ病か、最初の診断を間違えると一大事

症状こそ似ていても、うつ病と認知症では、治療法が異なります。

最初の診断が間違っていると、病状を悪化させてしまうことになります。

ですので、「あれ? 最近ちょっともの忘れが多いな」とか「何をするのもめんどうくさい」といった症状が見られたら、まずはもの忘れ外来を開設している認知症の専門医を受診することをおすすめします。

認知症の専門医を受診すると、筆記テストなどのほかに、MRI(磁気共鳴画像)で脳の画像検査を行います。老年期うつ病の場合は、脳にこれといった変化は見られませんが、認知症の場合は脳の萎縮が認められるため、明確に判別することができます。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

「おかしい」と感じてから専門の医療機関を受診するまでに、何と平均4年かかるというデータもあるそうです。その間に、認知症の症状はどんどん進行していってしまいます。

認知機能をセルフチェックし、正しい生活習慣を身につけるためのヒントが詰まった一冊『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』。ぜひ書店でチェックしてみてくださいね。

認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること
発行所/株式会社アスコム
Amazonで購入する
楽天ブックスで購入する

著者/朝田 隆(アスコム)
認知症専門医
東京医科歯科大学客員教授、筑波大学名誉教授、医療法人社団創知会 理事長、メモリークリニックお茶の水院長
1955年島根県生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経科精神科、山梨医科大学精神神経医学講座、国立精神・神経センター武蔵病院(現・国立精神・神経医療研究センター病院)などを経て、2001年に筑波大学臨床医学系(現・医学医療系臨床医学域)精神医学教授に。2015年より筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。2020年より東京医科歯科大学客員教授に就任。
アルツハイマー病を中心に、認知症の基礎と臨床に携わる脳機能画像診断の第一人者。40年以上に渡る経験から、認知症グレーゾーン(MCI・軽度認知障害)の段階で予防、治療を始める必要性を強く訴える。クリニックでは、通常の治療の他に、音楽療養、絵画療法などを用いたデイケアプログラムも実施。認知症グレーゾーンに関する多数の著作を執筆し、テレビや新聞、雑誌などでも認知症への理解や予防への啓発活動を行っている。

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