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改正旅館業法の施行で宿泊客によるカスハラと差別は防ぐことはできるのか?

2024.04.18

2. 改正旅館業法のポイント(2)|差別防止

改正旅館業法による変更ポイントの2つ目は、旅館業の営業者の宿泊客に対する差別防止に関する規制の新設です。

ホテルなどの旅館においては、感染症患者や障害者に対する不当な差別がしばしば問題となります。

改正旅館業法では、営業者の宿泊客に対する不当な差別を防止するため、以下の規制が新設されました。

(a)従業員研修を実施する努力義務

感染症や障害に関する従業員の正しい理解を促すため、必要な研修の機会を与える努力義務が営業者に課されました(旅館業法3条の5第2項)。

(b)宿泊拒否事由に関する客観的な判断、および丁寧な説明

宿泊拒否事由の恣意的な運用による不当な差別を防ぐため、客観的事実に基づいて宿泊拒否事由の該当性を判断すること、および宿泊客の求めに応じて判断の理由を丁寧に説明することが営業者に義務付けられました(同法5条2項)。

(c)宿泊拒否の理由等の記録

特定感染症の患者等であること、またはカスハラを繰り返したことを理由に宿泊を拒否したときは、その理由等を記録することが営業者に義務付けられました(改正法附則3条2項)。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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