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捨てる服を回収してTシャツを作るリサイクルプロジェクト「生まれ変わる、やまの服」ついに完結

2024.04.20

「生まれ変わる、やまの服」プロジェクトがついに結実

2022年の10月。

筆者は株式会社ヤマップに対して、同社と株式会社STATICBLOOMが協業して行うリサイクルプロジェクト「生まれ変わる、やまの服」についての取材を行った。

このプロジェクトはさまざまな理由でもう使わなくなった服を捨てるのではなく、服から服へと生まれ変わらせる“水平リサイクル”という趣旨で実践されていたものである。

環境に配慮した製品づくりをモットーとするアウトドアブランドの株式会社STATICBLOOMとタッグを組んだヤマップは、同年9月より役目を終えた衣服の回収と、その衣服を使って新しい衣服を生み出すという計画を始動していた。

そして2024年の3月28日。ついに集められた服は全く新しい服として商品化され、一般発売となったわけだ。

今回は株式会社ヤマップの商品開発担当者である乙部さんに、再びのインタビューを申し込んだ。

無事にプロジェクトの第一巡目として、生まれ変わった服が発売されるまでの経緯や、現状のプロジェクトの反応などについて伺った。

改修した衣服を糸に戻し、そこから衣服を作る作業には困難も多かった!?

私が「生まれ変わる、やまの服」について取材をさせていただいたのが2022年の10月のことでした。

それから「土にかえるカットソー」についても立て続けに取材協力をいただいたのですが、まずはこのたび、「生まれ変わる、やまの服」が実際に販売開始となる、“一巡目”を迎えたことに感慨深さを感じます。

まずはここまで長期間に渡ってのプロジェクトが実を結んだことについての感想を聞かせてください。

生地の強度チェックの繰り返しで、かなり商品化までに時間が掛かったのではないかと推察するのですが……。

乙部さん 時間がかかったのは、生地強度のチェックの繰り返しではなく、服を裁断した後、糸にする工程がうまくいかなかったのが原因でした。

今回集まったのは同じポリエステル100%といえども、フリースや布帛、カットソーなど、いろいろなタイプのものが混ざっていたので、糸にするときに均一にならず機械が引っかかってしまったりしたことで難航したそうです。

まだまだ初めの一歩ではありますが、役目を終えた服をあつめて、また新しい服に生まれ変わらせる、という1回目の循環が輪になり、「捨てないものづくり」を体現できたことはとても意味があるなと思いました。

これから2回目、3回目と続けるためにはたくさんの人の手に完成した商品が渡らないと難しいですし、また原材料となる役目を終えた服を集めるにも多くの人の協力が必要なので、出来上がったことに満足せず、これからもいろんな人にこの取り組みを知っていただき、賛同してくれる方を増やしていけたらなと思っています。

完成した商品には、元となった服の繊維の色が残った!商品の完成と共に、ものがたりを紡ぐ意味も生まれ、有意義な特徴に!

発売されるTシャツは染色も行わず、工程においても環境負荷を減らすことを優先したとのことですが、この“染色を行わない”という判断は、どの段階で考案されたのでしょうか?

個人的にも染色をしないことで、元になった素材の色が混ざって見えるというのも、このプロジェクトの色と味を反映するものになっていて、非常に有意義であると感じます。

乙部さん プロジェクト開発当初から、「完成する生地の色は集まったものの色の影響をうける」というのを聞いていたので、染色を行わないことはプロジェクトの発足当初から決めていたことです。

(完成した服の生地アップ画像。一部に元となった衣服の色味が残されている)

「どんな色になるんだろうな」と楽しみにしていたのですが、商品が完成し、断片的に前の商品の色が残っているのを初めてみたときは、「ものがたりを紡いでいる」という感覚が生まれて嬉しくなりました。

「生まれ変わる、やまの服」の主義に賛同する動きはまだ少ない…水平リサイクルで生かされる商品の循環に、私たちはもう少し敏感になったほうがいいかも…

長年継続されていたプロジェクトが形になり、実際に商品として発売される形になりましたが、反響の方はいかがでしょうか?

時期的にもこれからがレジャーの本番ですので、より広い層にPRするにしても最適な時期のリリースになったのではないかと思うのですが。

乙部さん 記事としてはたくさんの人に読んでいただけているのですが、販売という側面ではまだ大きな反応はないのが現状です。

無理に買って欲しいとは全く思わないですが、ただ商品が売れないと2回目の以降の循環を回しづらい、というのは事実なので、ジレンマもあります。

これから本格的に気温があがり半袖Tシャツが着れる時期に入りますし、この商品がまとっているストーリーに共感して、プロジェクトサポーターのような感覚で身につけてもらえる人が増やせたらいいなと思っています。

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