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髪型や髪の色を変えることが認知症になりかかった脳にもたらす大きな効果

2024.05.16

「パック入り卵を4日連続で買ってしまった」「身近な人の名前が出てこない」など、最近何かがおかしいと感じることがあったら……それは認知症の警告サイン!?正常な脳と認知症の間にある〝認知症グレーゾーン〟かもしれません。

ちょっとおかしいという異変に気づいたら、認知症へ進む前にUターンできるチャンス!

認知症の分かれ道で、回復する人と進行してしまう人の違いは何なのか。40年以上、認知症の予防と研究に関わってきた認知症専門医の朝田隆さんによる著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』から一部を抜粋・編集し、健康な脳に戻るためのヒントを紹介します。

 豊かな感情を呼び覚ます「年甲斐もない」毎日とは?

■認知症を見事に言い表したある言葉

先日、ある方が当院へ来院されました。

ご本人はすでに自分の認知機能が低下していることを自覚されていて、検査の結果、認知機能が低下し始めていることがわかりました。

そして、診察しているとき、次のようなことをおっしゃったのです。

「認知症を専門とするお医者さんや、世間一般でも、認知症というと〝知(知性)〟の衰えばかり言いたがるけど、〝感情〟の部分だって侵されるんです」

そう、この方が本書の冒頭で紹介した、日本を代表する大御所俳優の方です。

私は感服しつつ、このようにお答えしました。

「おっしゃるとおりです。知能は検査機器で測れますが、感情を測る方法がないので、医者もそこにふれたがらないのです」

感情とはこの本の冒頭でお話しした「意・情・知」の「情」の部分です。心が動けば脳が刺激され、グレーゾーンからのUターンに好影響を及ぼします。

だからこそ私は、認知症予防および認知症グレーゾーンから回復するためのキーワードの一つとして、感情を呼び覚ます「わくわくに満ちた生活」という提案を、患者さんに推奨しているのです。

わくわくに満ちた生活といっても、難しく考える必要はありません。

親しい友人たちと旅行へ行ったり、おいしいものを食べに行ったり、カラオケでストレスを発散したりするだけでも、脳を活性化するホルモンは分泌されます。

■鏡の中の自分に脳内ホルモンがあふれ出す

脳が若くて活発に働いていると、感受性も豊かですから、自分の見た目に関して、いろいろなことが気になります。

学生時代、女性であれば前髪の長さがほんの少し違うだけで気分が落ち込んだり、逆にウキウキしたりした記憶があるでしょう。男性でも、60代以上の人なら、リーゼントの前髪がうまく決まらなくて、学校に遅刻しそうになった人もいたのではないでしょうか。

髪形や髪の色などを気にしているうちは、脳が健康な証拠です。

逆にいうと、髪形や髪の色をいつもと変えることは、認知機能が衰え始めた脳に、適度な刺激を与えるうえでとても効果的なのです。

とくに、「髪を染めるのがめんどうくさい」「美容院へ行くのもめんどう」と思い始めたような人は、ちょっとがんばっておしゃれな美容院へ行き、「私にいちばん似合う髪形と髪の色にしてください」と頼んでみましょう。

鏡の中でどんどん変わっていく自分の姿を見て、最終的に〝最高の自分〟に仕上がったら、喜びで脳内ホルモンが分泌され、脳は一気に活性化します。

「きれいになったことをほめてもらいたい」と思うと、外に出て人と会うことが楽しくなります。さらに、美容院へ行くこともめんどうでなくなる、というよい循環が生まれます。

自分でヘアカラー剤を買ってきて、いつもと違う色の髪に染めてみるだけでも気分が変わります。このとき、白髪染めではなく、おしゃれ染め用のヘアカラーを使うのがおすすめです。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

「おかしい」と感じてから専門の医療機関を受診するまでに、何と平均4年かかるというデータもあるそうです。その間に、認知症の症状はどんどん進行していってしまいます。

認知機能をセルフチェックし、正しい生活習慣を身につけるためのヒントが詰まった一冊『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』。ぜひ書店でチェックしてみてくださいね。

認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること
発行所/株式会社アスコム
Amazonで購入する
楽天ブックスで購入する

著者/朝田 隆(アスコム)
認知症専門医
東京医科歯科大学客員教授、筑波大学名誉教授、医療法人社団創知会 理事長、メモリークリニックお茶の水院長
1955年島根県生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経科精神科、山梨医科大学精神神経医学講座、国立精神・神経センター武蔵病院(現・国立精神・神経医療研究センター病院)などを経て、2001年に筑波大学臨床医学系(現・医学医療系臨床医学域)精神医学教授に。2015年より筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。2020年より東京医科歯科大学客員教授に就任。
アルツハイマー病を中心に、認知症の基礎と臨床に携わる脳機能画像診断の第一人者。40年以上に渡る経験から、認知症グレーゾーン(MCI・軽度認知障害)の段階で予防、治療を始める必要性を強く訴える。クリニックでは、通常の治療の他に、音楽療養、絵画療法などを用いたデイケアプログラムも実施。認知症グレーゾーンに関する多数の著作を執筆し、テレビや新聞、雑誌などでも認知症への理解や予防への啓発活動を行っている。

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