「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。
実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!
誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。
〈スキンシップで幸福度を高める〉
指圧マッサージでセロトニンとドーパミンが分泌される
——— マイアミ大学フィールドらの研究
私の持論に「飲みの席には這ってでも行け」というものがあります。
これは、「人間の関わり合いの中で人生は変わっていくから、チャンスをムダにしてはいけない」という意図があります。私もこれを自ら実践し、さまざまな業界の人や立場の人とお会いする中で、やはりみなさん「欠かせない大切な出会い」があって、今の人生がある、とおっしゃる方ばかりです。
なんて言うと、「そんな精神論は古い」とか、「私は一人のほうがラク」とか、そんなふうに言われてしまうかもしれませんが……お待ちください。
決して精神論だけではなく、科学的な根拠もあります。
というのも、そもそも人は、人とふれあうことでエネルギーをもらうことができるようになっているからです(スキンシップがあるとなおさら良し!)。
前項でセロトニンというキーワードを出しましたが、このセロトニン神経をさらに活性化させるのが、オキシトシンというホルモンです。
オキシトシンは、母親が母乳を与えているときに増えることが観察されています。
オキシトシンの分泌は、母性愛と呼ばれる行動につながります。
たとえば、レーゲンスブルグ大学のボッシュによると、ラットを使った実験で、授乳期の母親ラットは、侵入者に対して攻撃的になることがわかっています。これは、母親が子どものために自分を犠牲にする行動で、オキシトシンが作用しているからと考えられるのです。
その意味では、オキシトシンは、冷静な判断力を失わせるとも言えますが、それがまさに「あばたもエクボ」という状態にも関係しています。ドイツのボン大学のシェーレらの研究で、オキシトシンを鼻に噴霧された男性は、パートナーの顔をより魅力的に感じるというものがあります。
このオキシトシンが増えると、ストレスが消えて幸福感が増すと言われています。
では、オキシトシンが出るのはどんな瞬間なのでしょうか?
それは、人とのスキンシップです。
たとえばハグをしたり、頭をなでられたり、単純に会話をしたりするだけでもオキシトシンは分泌されます。幼児教育の分野でも、親子間のスキンシップの有無が子どもの性格に大きな影響を及ぼすことが知られています(ちなみに、分泌量が最大限に達するのが性交だと言われています)。
そんなわけで、恋人やパートナー、子どもなどがいれば、存分にスキンシップを行うことで幸福度は増していきます。
それが一番なのですが……「そんな人はいない!」「そんな時期はとうに過ぎた!」
という人もいるかもしれません。
そこでおすすめしたい方法が、マッサージ店に行くことです。これは指圧でも、整体でも、アロママッサージでも、何でも構いません。
驚くことに、こんな実験結果が出ています。
マイアミ大学のフィールドらの研究によると、マッサージを受けることによってストレスに反応して分泌されるコルチゾールが31%低下する一方、セロトニンは28%増加、意欲の向上に働くドーパミンも31%増加することが明らかになったのです。つまり、マッサージによってストレスを減らし、やる気を上げることができるというわけです。
よく、「松岡修造さん的」というか、気軽に人と握手をしたり、背中をポンと叩いて「お疲れ!」なんて言ったりする人、みなさんのまわりにもいるかと思います。
そういう人って、大抵元気ですよね? それは日頃から、セロトニンが高まるようなアクションをしているからなのかもしれません。
ちなみにですが、女性は男性に比べてセロトニンの分泌量が少ないことがわかっています。
それゆえに、かどうかは定かではありませんが、女性は同性同士でもスキンシップが多めです。もしかしたら、セロトニンが少ないということを本能的に理解して、セロトニンを増やす行動を自然ととっているのかもしれません。
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いかがだったでしょうか?
『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。
テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。