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ボランティアに従事している人は鬱になる確率が低い理由

2024.05.28

「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。

実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!

誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。

〈情けは人の為ならず、が証明されました〉
身近な友人、知人、恩師などが喜んでくれそうなことを1週間に5回行うと幸福度が高まる
——— カリフォルニア大学リウボミルスキーらの研究

「なんか最近ついてないなぁ……」「運が悪いなぁ……」と感じることはないでしょうか。

このように、幸福度が下がっているときは、自分の行動を振り返るチャンスです。

「情けは人の為ならず」という言葉がありますね。

これは、「人に情けをかけると、ロクなことがない」……と、誤用されていることも多いのですが、本当の意味は「他人のためを思った行動は、その人にとってだけではなく、まわりまわって自分にも返ってくる」という意味です。

このことわざが、「幸福度が低い」状態から脱却する良いヒントになります。

ヒューストン大学のラッドらが行った実験によると、人は自分のために何かするよりも、他の人のために良いこと(「向社会的行動」と言います)をして、それを達成できるとハッピーになるということがわかりました。

実験の内容はちょっと複雑なので、結果だけ簡単に書かせていただくと、「具体的に人のためになるような行動」をとると、自分自身のハッピー度も上がるのです。

具体性を持たせるためには、期待と現実の溝をできるだけ小さくすることが大事です。

そのためには、達成しやすい目標を定め、それを実行し、達成することです。

誰かを笑わせるだとか、ゴミのリサイクルに出せるものの量を増やすだとか、そういった程度でいいのです。

これを、「他人の幸せのため」「地球環境のため」といった抽象的なレベルにしてしまうと、実現度合いがはっきりしなくなって、具体的な目標に比べてハッピーと感じる度合いが低くなる結果が出ています。

また、カリフォルニア大学のリウボミルスキーらによるこんな研究もあります。

知らない人のコインパーキングの料金を払ってあげる、献血をする、友人の問題を解決する、昔お世話になった先生にお礼状を書く、といった具合に6週間にわたって週に何かしら5回良いこと——すなわち「一日一善」ならぬ「一週五善」——をした人と、特に何もしない人を比べた場合、前者の人の幸福度が高くなりました 。しかも、1日にまとめて5回やった人がもっとも幸福度が高かったそうです。「週に一回一日五善」がベストということです。

さらに、モローハウエルらの研究では、ボランティアなどに従事している人はうつになる確率が少なく、またボランティアを長時間やればやるほど、幸福に感じる度合いが高くなる結果も出ています。

というように、つまりは恩を感じた人がいつか自分にも良いことをしてくれる、といったことではなく、人のためを思った行動は自分をハッピーにする即効性を持った最高のクスリなのです。

ほんのちょっとしたことで構いません。ぜひ、日常に遊び心を入れて、人を喜ばせてみてください。

「情けは人の為ならず」……科学が発展するよりもはるか前に、ことわざや慣用句として定着している先人たちの知恵というのはすごいものですね。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。

テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。

誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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