「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。
実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!
誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。
〈試験、面接、商談、プレゼンなどの直前に〉
勝負の直前に「不安」を書き出すことでパフォーマンスがむしろ高まる
——— シカゴ大学ラミレスらの研究
前項では、不安と上手に付き合っていくためには、まず自分の現状をしっかりと把握して「何を不安に思っているのか」を理解することが大切だと書きました。
これは長期的な不安との向き合い方ですが、自分の不安を理解することは短期的なパフォーマンスアップにも効果があるようです。
シカゴ大学の心理学者ラミレスらの行った実験があります。
その実験内容は、試験直前の10分間に、試験について不安に思うことを紙に書き出すということ。
すると、不安を書き出した場合と、そうでなかった場合では、書き出したほうが成績がアップしたという結果になったのです。
ちなみに、試験前に手を動かすことで脳に刺激が与えられた——というわけではなく、別の実験結果と照らし合わせて、「成績がアップしたのは試験についての不安を書き出すことで得られた効果」だそうです。
では、なぜそのような効果が出たのかというと、そうすることで脳「ワーキングメモリ」が解放されるからなのです。
ワーキングメモリとは、インプットしたばかりの情報や、目の前で起こっている物事を一時的に覚える短期記憶のことです。
つまり、試験対策の勉強で覚えたことや、時間のかかる問題を解く途中の経過を覚えておくための重要なものです。
ところが、「あれはやったかな」「これはやったかな」と、試験に対して抱えている不安もワーキングメモリを埋めてしまうのです。
そこで、不安を整理して書き出すことで、ワーキングメモリを占める心配ごとを追い出すことができ、試験により集中できる状態に脳を持っていけるというわけです。
たとえば試験の直前は、教科書を見直すのではなく、不安を書き出したほうが良い結果につながりやすくなります。
もちろん試験に限らず、重要な面接や会談、プレゼンテーションなどでいつも緊張してしまい、満足な結果が出ないという人は多いと思います。
そんな人は、まず本番前に不安な要素をしっかりと書き出して(紙にペンが難しければスマホのメモ機能で大丈夫です)、自分が不安になっていることを認めましょう。
手のひらに「人」の字を三回書いて飲み込むというおまじないも、もしかしたらこれと同じことなのかもしれませんね。
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いかがだったでしょうか?
『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。
テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。