「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。
実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!
誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。
〈疲れているのになんだか眠れない!というときは〉
一息20秒ほどの深呼吸をすることで脳に「休んでいいんだぞ」という指令を送る
——— 東邦大学医学部麓らの研究
何かとストレスを受けやすい現代社会、「疲れているのに眠れない!」という人も多いと思います。
その原因は、項目「24」でもふれた「自律神経」の乱れです。
不規則な生活や人間関係のもつれなどから自律神経が乱れてしまうと、不眠や不安、体調の低下が引き起こされます。
しかし、それらの原因は生活に深く食い込んでおり、「自律神経が乱れているんだから生活を規則正しくすべし」「折り合いが悪い上司がいるなら転職すればいいのに」などと、簡単に変更できるものではありません。
そんなときは、すぐに治すことはできませんが、日々の習慣として神経を「整える」のが現実的な策です。
そこで、「深呼吸」の登場です。
深呼吸が緊張やストレスの軽減に有効だということを示す実験は枚挙に暇がありません。ストレス耐性を示すコルチゾールの減少が見られたり、心拍数が減少したり、脳波が変化したり、あらゆる実験で証明されています。
東邦大学医学部の麓らの研究では、被験者に1分間に3〜4回のペースで深呼吸をしてもらったところ、リラックスしていることを示すアルファ波が増加し、感情を司る大脳皮質の活動が弱まる兆候が見られたと言います。つまり、深呼吸をしたことで脳がクールダウンして、リラックスモードになったのです。
深呼吸の仕方は、ゆっくり息を吸って、できるだけゆっくり、20秒くらいかけて吐いてみます。空気を全部出し切るイメージです。
一息、二息とついてみると、心が落ち着いていくのがわかると思います。
忙しい状態が続くと、脳がパニックを起こし、ずっとギアが入ったまま1日を過ごしてしまうことになります。そんなときには「今は休んでいいときだ!」と強制的に休んでいる感覚を脳に伝える必要があり、深呼吸はうってつけのアクションなのです。
スポーツ選手も大一番の前に大きく息をつきますが、これも心を整えるために有効だからです。
私も空手をやっていますが、空手では最初と最後に正座をして、黙想をします。目を閉じてゆーーーーっくり息を吸って吐いて呼吸を整えるのです。これが激しい運動の前後に、心のコンディションを整えてくれるのです。
私は、寝る前にもこれをやります。毎日儀式のように行っていると、これがリラックスのスイッチとなって、一瞬で眠ることができるようになりました。
ただし、注意点が一つ。「毎日深呼吸する時間をつくらないと!」などと、力を入れすぎるのも問題です。
焦燥感や切迫感を抱えている方ほど深呼吸は効果的なのですが、焦燥感や切迫感は「○○しなきゃ」という気持ちから生まれます。仕事などと同じような「やらなければいけないこと」という意識を極力持たないようにして、これでもかというくらいゆっくりと大きく息を吸い、ゆっくりと吐いてください。吸ったら4、5秒、息を止めるとさらに良いでしょう。
ただ、息をしているだけ、という瞬間が自然と生まれるような深呼吸ができたら、ほんの少しだけ、日頃の執着から解き放たれる瞬間を味わうことができるはずです。
私は、何かモヤモヤすることがあったときも深呼吸します。それだけですごく心が落ち着くのです。完全にルーティン化しているので、リセットスイッチになっています。みなさんも、ぜひこういうリセットスイッチをつくってみてください。
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いかがだったでしょうか?
『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。
テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。