「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。
実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!
誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。
〈やけ酒してはいけない!〉
やけ酒をすると、イヤな記憶、イヤな気持ちがより強く定着してしまう
——— 東京大学大学院野村と松木の研究
人間の行動とはプラスにばかり出るわけではありません。
やることでマイナスの結果が出てしまうことだってあります。
そこで、ここからは「やらないこと」で元気に近づける——つまりやると元気がなくなってしまう考え方や行動について紹介します。
そこで、まず紹介するのがお酒にまつわるこんな話です。
仕事でつらいことがあったりすると、つい、同期や友人に声をかけてやけ酒に付き合わせたりしてしまう人もいると思います。
これに関して、カリフォルニア大学のショーファット・オフィアらのおもしろい研究があります。
報告によると、メスにふられたオスのハエは、アルコールの入ったエサを好んで食べたそうです。つまり、ハエでさえもやけ酒をするということです。
そう考えると、私たち人間が憂さ晴らしにやけ酒、というのも自然なことなのかもしれません。
しかしこのやけ酒、実に良くないことがわかりました。
単にやけ酒に付き合わされる人からの評判が悪くなる、といった話ではなく、明確に自分の元気を損なう結果につながってしまうからなのです。
実は、やけ酒はストレス解消になるどころか、かえってイヤな記憶を強めてしまうことがわかったのです。
東京大学大学院薬学系研究科の野村・松木の研究ですが、ネズミに電気ショックを与え、アルコールを注射し、そのあとどのようにふるまうかを調べた実験があります。
アルコールを注射されたネズミは、電気ショックのことを忘れるどころか、かえって電気ショックによる恐怖を強め、臆病になってしまったのです。
一般的に、お酒を飲みすぎて記憶を失うことがあるのはよく知られていますし、やけ酒もそうやって忘れてしまいたいという思いがもとになっての行動なのでしょうが、忘れるどころか強化されてしまうわけです。
それどころか、アルコールを常習すると、イヤな記憶を消す能力が下がるという、アメリカ国立衛生研究所のホームズらによる研究結果もあります。
仮に毎日のようにやけ酒を飲んでいるとしたら、イヤなことの記憶がどんどん鮮明に脳裏に刻み込まれていき、どんどんと消えにくくなってしまうのです。
脳をホワイトボードにたとえると、水性マジックと専用の白板イレーザーを備えていたホワイトボードが、いつの間にか油性マジックで書かれるようになって、イレーザーも行方不明で指でこすって消すしかない。おまけに書かれているのは自分にとって忘れたい内容——といった状況になってしまうわけです。
そうなると、地獄ですね……。
もちろん、お酒があることで人間関係が円滑になるケースがたくさんあるのも事実です。
飲みの席には這ってでも行くのは大切なことですが、飲むお酒の量は、「楽しく飲める程度に」「ほどほどに」を合言葉に、正しく付き合っていかないといけませんね。
常に酔っ払うまで飲むのではなく、ペースを守り、お茶を飲んだりしながら、ほど良いところで止めておくのが末長くお酒と楽しく付き合っていく究極の秘訣でしょう。
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いかがだったでしょうか?
『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。
テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。