「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。
実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!
誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。
〈笑顔の力〉
別に楽しいことがないときでも「フェイク・スマイル」で笑顔をつくるとストレスが軽減されて気分が良くなる
——— カンザス大学クラフト、プレスマンらの研究
「身体が先で、そのあとに脳が考える」とお伝えしましたが、この法則はさまざまな場面で応用できます。
その一つが、感情のコントロールです。
人生は良いことばかりではありません。なんだか最近、元気がないなぁ……。ついてないなぁ……。腹が立つなぁ……。悲しいなぁ……そんなふうに、気持ちが沈んでしまったときには、ぜひ笑顔をつくってみましょう。
そもそも、人が笑顔になるのは「楽しいから」「幸せだから」ではなく、笑うから楽しくなるし、幸せになるのです。
つまり、「笑顔」=「楽しい」「幸せ」だと脳にインプットされていますから、笑顔をつくることで幸せな気分を呼び起こすことができます。
よく言われる話なので、「眉唾」に思われる人も多いと思います。しかし、これは世界中の実験で証明されている事実なのです。
一つご紹介しましょう。マンハイム大学のストラックらのフェルトペンを使った実験です。この実験では、被験者を3つのグループに分け、それぞれ
(1)ストローを吸うように唇を丸めて、歯がふれない状態でくわえさせられた被験者
(2)上下の前歯で挟んで、唇にペンがふれないようにくわえさせられた被験者(3)フェルトペンを普通に手で持った被験者に分けます。絵にすると、このような状態です。
被験者には、この状態でマンガを読んでもらいます。
その結果はというと、2のグループの被験者たちが読んだマンガをもっともおもしろく感じていた、という結果になりました。
このように、楽しい気分を増幅させるのが笑顔の効果の一つですが、もう一つ、ストレス軽減にも大きな効果があります。
カンザス大学のクラフトとプレスマンは、口にさまざまな形で箸をくわえさせて、被験者にストレスのかかる作業をさせる実験を行っています。
簡単に言うと、
(1)笑顔のようになるくわえ方
(2)口角だけが上がるくわえ方
(3)笑顔にならないくわえ方
の3つです。
その被験者たちに、星をなぞらせたり、1分間、氷水に手をつからせたりして、その心拍数やストレスの度合いを計測したというわけです。
結果は、箸を横向きにくわえて、笑顔のようになっている被験者たちの心拍数や感じているストレスが、もっとも低くなりました。
別に、楽しくなくたって良いのです。笑顔になれる人は、無表情な人よりもお得な人生を送れるということです。
事実、「フェイク・スマイル」の習慣がある人とない人とでは、発する雰囲気……俗っぽくいえばオーラが違ってきます(「つくり笑顔」と表現すると、ネガティブな印象がしてしまうので、本書ではこれを「フェイク・スマイル」と表現させていただきます)。
たとえば、メディアで活躍する女優さんや俳優さん、アイドルたちの表情は、とんでもなくイキイキしていますよね。
でも、CM、ドラマ、映画、雑誌などの撮影は非常に過酷なものです。何度も何度も同じシーンを撮ることもあれば、真冬の寒空の下で薄着で撮影、炎天下に厚着、ということもあたりまえのようにあります。
一般よりもはるかに過酷な芸能の世界。「笑える状況じゃない!」と思うようなことも、きっと私たち以上にたくさんあるはずです。
それでも、見る人をハッとさせるような笑顔をつくることができるのは、日々の習慣の賜たま物ものです。
「この状況をむしろ楽しもう!」「プロ(大人)として表情は明るく!」と、心に決めた人はイキイキと見えてくるもので、まわりの人も笑顔にする魅力があります。
日常のささいな不満は、フェイク・スマイルを決めて吹き飛ばしましょう!
これが、元気スイッチの2つ目です。
☆ ☆ ☆
いかがだったでしょうか?
『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。
テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。