くるみん
2023年1月より岸田政権は「異次元の少子化対策」を掲げ、子育て世帯への支援の拡充に取り組んでいる。そこで改めて注目されているのが「くるみん」だ。左のくるみんマークをご存じだろうか。くるみんは次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の要件を満たした企業を厚生労働大臣が認定する制度で、2005年にスタートした。認定されると「子育てサポート企業」としてアピールできるほか、常時雇用の労働者数が300人以下の認定企業は上限50万円の「くるみん助成⾦」を申請することも可能だ。2015年にはより厳しい基準の達成が求められる「プラチナくるみん」の認定も始まっている。
2022年4月には認定基準が改正され、男性の育児休業等取得率が引き上げられた。くるみんは7%から10%、プラチナくるみんでは13%から30%まで上がっている。つまり少子化対策として〝男性の育児休業取得率〟がキーポイントだという認識なのだろう。
くるみんの認定数は制度開始時にはわずか128社だったが、最新の発表では4313社(2023年9月末)にまで増えている。政府による異次元の少子化対策で今後さらに増えるのか注目したい。
政府が挙げている男性の育児休業取得率の目標値は左図の通り。現在17%で、来年の目標値50%を達成するのは難しそうか。ちなみに公務員の取得率は25年度に85%が目標。
くるみんの愛称は公募によって決定した。由来は赤ちゃんが大事に包まれる「おくるみ」と「職場ぐるみ・会社ぐるみ」で子育ての支援に取り組もう、などの意味が込められている。
※令和4年度雇用均等基本調査(2025年、2030年の数字は政府が掲げる目標値)
取材・文/高山 惠