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「パニックになりやすい人」は認知症のリスクが高いとされる理由

2024.05.06

「パック入り卵を4日連続で買ってしまった」「身近な人の名前が出てこない」など、最近何かがおかしいと感じることがあったら……それは認知症の警告サイン!?正常な脳と認知症の間にある〝認知症グレーゾーン〟かもしれません。

ちょっとおかしいという異変に気づいたら、認知症へ進む前にUターンできるチャンス!

認知症の分かれ道で、回復する人と進行してしまう人の違いは何なのか。40年以上、認知症の予防と研究に関わってきた認知症専門医の朝田隆さんによる著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』から一部を抜粋・編集し、健康な脳に戻るためのヒントを紹介します。

パニックになっても、すぐに冷静になれればリスクは低い

■単なる老化と認知症グレーゾーンの違い

年齢を重ねてくると、認知機能の衰えからパニックになりやすくなります。

それでも「一瞬あわてふためく」程度で、すぐに冷静さを取り戻せるなら、さほど心配はありません。

たとえばあなたは、いつも左ポケットに入れているスマートフォンがないことに驚いたとき、どうしますか?

右ポケットやカバンの中など、順番に探していくことができれば、大丈夫です。

これに対して認知症グレーゾーンの人は、想定外の事態が起こると頭が真っ白になり、順序だてて考えられなくなりがち。「落ち着け、オレ」と思えば思うほど混乱し、同じところばかり探して「ない、ない、ない」とパニックになります。

脳の前頭葉は判断力などの役割も担っているため、その働きが低下すると、〝急に困ったときの段取り〟が立てられず、感情をコントロールできなくなるのです。

これがパニックです。

当院に通っている60代の患者さんが、出張先で道に迷い、パニックに陥ったことがありました。約束の時間まで余裕がなかったことから、「どうしたらいいんだ」と頭が真っ白になり、同じ道を行ったり来たりしていたそうです。

たまたま通りかかった女性が、「どうされました?」と声をかけてくれたため、事情を説明し、やっと冷静さを取り戻したといいます。

脳の働きが健常であれば、相手に電話をして遅れることを伝えたり、周りの人に行き先の場所を聞いたり、といった解決策をいくらでも思いつきます。それが認知症グレーゾーンの人は「どうしよう、どうしよう」で頭がいっぱいになり、作戦を考えるステップを踏めなくなるのです。

■家族の気づきポイント

パニックになる脳のメカニズムは、健常な脳の人には理解しがたい部分があります。どのタイミングでスイッチが入るかわかりません。

「なぜこんなことであわてているの?」「対応すればいいだけなのに」と思うようなことに対して、パニックを何度も繰り返すといった症状が見られたら、認知症の専門外来を受診することをおすすめします。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

「おかしい」と感じてから専門の医療機関を受診するまでに、何と平均4年かかるというデータもあるそうです。その間に、認知症の症状はどんどん進行していってしまいます。

認知機能をセルフチェックし、正しい生活習慣を身につけるためのヒントが詰まった一冊『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』。ぜひ書店でチェックしてみてくださいね。

認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること
発行所/株式会社アスコム
Amazonで購入する
楽天ブックスで購入する

著者/朝田 隆(アスコム)
認知症専門医
東京医科歯科大学客員教授、筑波大学名誉教授、医療法人社団創知会 理事長、メモリークリニックお茶の水院長
1955年島根県生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経科精神科、山梨医科大学精神神経医学講座、国立精神・神経センター武蔵病院(現・国立精神・神経医療研究センター病院)などを経て、2001年に筑波大学臨床医学系(現・医学医療系臨床医学域)精神医学教授に。2015年より筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。2020年より東京医科歯科大学客員教授に就任。
アルツハイマー病を中心に、認知症の基礎と臨床に携わる脳機能画像診断の第一人者。40年以上に渡る経験から、認知症グレーゾーン(MCI・軽度認知障害)の段階で予防、治療を始める必要性を強く訴える。クリニックでは、通常の治療の他に、音楽療養、絵画療法などを用いたデイケアプログラムも実施。認知症グレーゾーンに関する多数の著作を執筆し、テレビや新聞、雑誌などでも認知症への理解や予防への啓発活動を行っている。

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