「そろそろ痩せなくちゃまずい!」と思いつつ、なかなかダイエットが始められなかったり、続かなかったりした経験はありませんか?ものぐさなマインドも、続けられない挫折も、誰しも一度は抱えたことがあるはず。
勝手に内臓脂肪が減ってくれたら、どんなにいいことか――。そんな奇跡の願いをかなえるダイエットが医師の齋藤真理子さんによる、MCTオイルを活用した「齋藤式満腹やせメソッド」です!
彼女の著書『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』から一部を抜粋・編集し、内臓脂肪を落とすための基礎知識や続けやすいダイエットのコツを紹介します。
簡単に糖質オフが可能な「満腹フード」とは
今回は「満腹フードでラクラク糖質オフ」について、お話ししていきます。
「齋藤式満腹やせメソッド」で主役といっていい存在の「MCTオイル」。
MCTオイルを摂れば、脂肪燃焼回路も糖燃焼回路も両方活動するようになって、脂肪が落ちてケトン体が大量に発生して、代謝も上がるのは確かです。
では、MCTオイルを摂りさえすれば、糖質をいくらでも食べていいのか、といえばそうではありません。
糖質はエネルギーに変わりやすくなるとはいえ、大量に摂れば、インスリンによって、脂肪へと蓄えられます。
つまり、糖質によって、脂肪はどんどん蓄えられ、その脂肪を脂肪燃焼回路が燃やしていくという状態になります。
例えるのであれば、浴槽に、水を入れながら栓を抜いている状態です。
これだと、いつまでたっても水の量(糖質によって蓄えられる脂肪の量)は減りませんし、その量が多ければ、栓からいくら流れていったとしても、水の量が増えるということすら考えられます。
逆に、入ってくる水の量が少なければ、それだけどんどん水はなくなっていきます。
ですが、極端な糖質制限は、辛いので続かないですし、前述したように健康を損ねるので、できるだけ避けたほうがよいでしょう。
続けるためには、また健康を損ねないためには、いかにしてラクに、できるだけ糖質を摂らないようにするかということが大切です。
食べる食材の糖質量をいちいち量って、できるだけ抑える。というのは、面倒くさいと思います。
ではどうすればいいか。砂糖たっぷりの甘いお菓子を除いて、1日の食事の中で、一番糖質が高いのが、ご飯やパンといった主食です。
この主食の量を減らすのが手っ取り早く、簡単に糖質を減らせる手段です。
朝も昼もできるだけ減らすほうがよいのですが、特に減らしやすいのが、夜です。
夜であればそこまで活動量が多くなく、エネルギーも必要ないので、主食を抜いてもエネルギー不足でイライラするなどの悪影響が少なくなります。
ですが、最初の頃は、たとえ夜であろうと、なかなか主食を減らすことが難しいという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、考えたのが、満足感を覚えながらも糖質をオフできる「満腹フード」です。
「満腹フード」には、大きく分けて2つの方法があります。
1つは「かさ増し」、そしてもう1つは「置き換え」です。
読んで字のごとく、ご飯やパンの量を減らした分、別の低糖質な食材で量を「かさ増し」して、満足感を得る方法と、主食を、別の満腹感を覚えやすい食材に「置き換える」というものです。
おすすめのかさ増しフード「満腹豆腐ご飯」「ラク鳥ひき肉ご飯」の作り方を紹介しますので、ぜひ試してください。
1合分炊いて、それを3〜4回分に小分けにし、余ったものは冷凍保存できるので、作り置きすることも可能。大よそ4割の糖質カットになります。
ほかのかさ増し方法としては、お茶漬けにするというのもよいでしょう。
ご飯がお茶を吸い込むことで、かさが増します。
ただし、お茶漬けにすると、あまり噛まずに飲み込んでしまいがち。それだと、満腹感を覚えにくくなるので、忘れずによく噛んでください。
満足感を覚えられる食材とは
置き換えの食材としては、バナナとサラダチキン、そして玄米がおすすめです。
バナナは、糖質が多そうなイメージがあるかもしれませんが、ご飯と比べると、100gごとに4割も糖質を減らすことが可能。ご飯はちょっと多めの中盛だと150g、バナナ1本が100gなので、置き換えると、糖質は6割減になります。
また、食物繊維や食物繊維と同じ働きをするレジスタントスターチも豊富です。
あとで説明しますが、食物繊維を多く摂ると、食後血糖値が上がりにくくなります。
レジスタントスターチは、バナナが成熟すると、含有量が減るといわれているので、熟しすぎたものを選ぶと、食後血糖値が上がりにくくなるというせっかくの効果が少なくなる可能性があります。
そのため、できるだけ、まだ茎や先端部分に緑色が残っているものを選ぶとよいでしょう。
バナナはほどよい甘さがあるので、満腹感も満足感も高い食べ物。ぜひ一度置き換えを試してみてください。
玄米は、糖質量は白米とさほど変わらないのですが、食物繊維量が6倍もあるため、白米よりは、食後血糖値が上がりにくいという特徴があります。
玄米というと、水に漬ける時間を長くしなければならないなど、いろいろと下準備が面倒くさいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近は、白米のように手軽に炊ける玄米もあります。
ただ、食べ慣れないと続かない可能性があるので、最初は、白米と玄米を半分ずつ入れて炊いたご飯を食べて味を慣らしながら、徐々に玄米の割合を増やしていくとよいでしょう。
ちなみに、パンでしたら普通の白い食パンよりライ麦パンがおすすめです。
さらに、ソーセージやハンバーグといった、おかずを1/2にカットした食パンで挟む「おかず食パン」にすることで、パン食でも糖質をカットすることができます。
パスタであれば全粒粉のパスタ、うどんよりもソバといったように、基本的に炭水化物は、茶色いほうが食後血糖値は上がりにくいといわれています。
サラダチキンは、「糖質ゼロ」をうたっているものもありますし、食べ応えがあり、満腹感が高いのも特徴です。
高タンパク質というのも◎。タンパク質を豊富に摂取すると、CCK(コレシストキニン)という満腹感を覚えるホルモンが十二指腸や小腸から分泌されるため、食欲を抑えられるという効果もあります。
ぜひ、ご自身の好きな「満腹フード」を、1食でも多く主食に置き換えて、糖質オフを実現してみてください。
☆ ☆ ☆
いかがだったでしょうか?
きつくて続かないダイエットをあれこれがんばるよりも、まずは正しい知識を持って、継続できる方法を取り入れていくことが大切です。
「すぐに効果が実感できないと嫌」「忙しくてダイエットに時間を割けない」という人におすすめの「齋藤式満腹やせメソッド」。ラクに痩せられる健康メソッドが詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術
発行所/株式会社アスコム
【Amazonで購入する】
【楽天ブックスで購入する】
著者/齋藤真理子(アスコム)
医療法人社団山本メディカルセンター理事長。
医学博士、日本形成外科学会専門医。分子栄養学認定医。
昭和大学医学部大学院卒業。2010年に山本メディカルセンターに入職。皮膚科・形成外科を立ち上げる。2016年4月山本メディカルセンター2代目院長に就任。
日々の診療を通して、「健康は決して外からの治療だけで得られるものではなく、分子レベルで、身体の内側から健康にならないと成り立たない」と実感し、分子栄養学認定医の資格を取得。さらに、自身でもさまざまな健康法・ダイエット法を実践。その知識と経験をもとにしたわかりやすい解説で、NHK「あさイチ」、テレビ朝日「林修のレッスン!今でしょ」、中京テレビ「それって!? 実際どうなの課」など、テレビ出演も多数。
さらに、分子栄養学の観点からメニューを考案しているカフェレストラン・桜山茶寮や、訪問看護ステーションなども運営し、総合的に患者さんの健康管理をサポートしている。