「そろそろやせなくちゃまずい!」と思いつつ、なかなかダイエットが始められなかったり、続かなかったりした経験はありませんか?ものぐさなマインドも、続けられない挫折も、誰しも一度は抱えたことがあるはず。
勝手に内臓脂肪が減ってくれたら、どんなにいいことか――。そんな奇跡の願いをかなえるダイエットが医師の齋藤真理子さんによる「齋藤式満腹やせメソッド」です!
彼女の著書『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』から一部を抜粋・編集し、内臓脂肪を落とすための基礎知識や続けやすいダイエットのコツを紹介します。
「年をとったらやせにくい」原因は、ミトコンドリアの活動の停滞
「ダイエットを頑張っているのにやせなくなった……」
「昔と比べてたくさん食べているわけではないのに、最近太ってきた」
「毎日、ウォーキングしていてもやせない」
年齢を重ねてくると、このような悩みを抱える人が増えてきます。
この原因となっているのが、ミトコンドリアの活動の停滞です。
私たちの体は約37兆個もの細胞で作られていて、その1つひとつの細胞にミトコンドリアがいます。
細胞1つあたりにつき、ミトコンドリアは百〜数千個あるといわれていますので、全身だとまさに天文学的な数のミトコンドリアがいることになります。
このミトコンドリアは、食事で摂取したものや、体に蓄えてある脂肪、呼吸によって吸い込んだ酸素を使い、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを生み出すのが主な仕事です。
つまりこの小さくも天文学的な数のミトコンドリアは、「エネルギー工場」と言える存在です。
このミトコンドリアが活発に働けば、食事で摂取したものや蓄えてある脂肪がエネルギーとして変換されやすくなります。
また、ミトコンドリアから生み出されるATPは、簡単に言うならば、体の元気の源です。
ATPがたっぷりあればあるほど、体は活発に動くようになるため、基礎代謝が上がります。
しかし、20代をピークに、ミトコンドリアの数と働きは低下していきます。
そうなると必然的に下のグラフのように、基礎代謝も下がっていくことになり、これがいわゆる「年をとったらやせにくい」事態の原因となっているのです。
ミトコンドリアの働きの劣化が引き起こすのは、基礎代謝の低下だけではありません。
ミトコンドリアは免疫機能にも大きく関係します。
人の体は、体内にウイルスや細菌など、体に悪さをしようとするものが侵入してきたとき、免疫機能をもった細胞が撃退、体外へ排出しようと働きます。
それら免疫細胞も、ミトコンドリアが生成するATPをエネルギー源とするため、ミトコンドリアの働きが低下すると、おのずと免疫も低下してしまいます。
そうなると、さまざまな病気にかかるリスクも上がってしまうのです。
そして加齢以外にも、ミトコンドリアの働きを低下させる要因があります。
それは「悪い生活習慣」、つまり運動不足や食べすぎです。
ミトコンドリアは本来、空腹や運動などで細胞に適度な負荷が加わった時に数を増やし、活性化します。
そのため、空腹感を覚える前に食べていつでもお腹がいっぱいだったり、運動不足で体が鈍っていたりする状態では、ミトコンドリアは休止状態になってしまい、どんどん働きを低下させてしまうのです。
さらに、ミトコンドリアは体内で排出される活性酸素によって、日々ダメージを受けています。
そしてそれらの損傷が蓄積したミトコンドリアは、細胞にとって害になるため、体内から排除されるシステムになっています。
活性酸素は、ストレスなどを感じたり、食品添加物を摂ったりすると、体内に大量に発生するといわれています。
つまり、現代人は、ミトコンドリアが活動休止に陥りやすい生活をしている可能性が高いといえます。
当然ながら加齢は止めることはできませんし、ストレスを感じないように生活したり、無添加のものしか食べなかったりするのは難しいでしょう。
しかし、そんな中でも、一度機能の停滞に陥ったミトコンドリアをもう一度活性化することはできます。
その大きなカギを握るのが、「ケトン体」です。
「ケトン体」は、ミトコンドリアの強壮剤といっていい存在で、ケトン体が増えると、ミトコンドリアが復活し、ATPエネルギーを大量に作りはじめるのです。
ですから「脂肪燃焼体質」になることは、内臓脂肪をエネルギーとして使うようになることにプラスして、基礎代謝が上がるという、勝手にやせる体になるための2つのメリットがあるのです。
☆ ☆ ☆
いかがだったでしょうか?
きつくて続かないダイエットをあれこれがんばるよりも、まずは正しい知識を持って、継続できる方法を取り入れていくことが大切です。
「すぐに効果が実感できないと嫌」「忙しくてダイエットに時間を割けない」という人におすすめの「齋藤式満腹やせメソッド」。ラクに痩せられる健康メソッドが詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術
発行所/株式会社アスコム
【Amazonで購入する】
【楽天ブックスで購入する】
著者/齋藤真理子(アスコム)
医療法人社団山本メディカルセンター理事長。
医学博士、日本形成外科学会専門医。分子栄養学認定医。
昭和大学医学部大学院卒業。2010年に山本メディカルセンターに入職。皮膚科・形成外科を立ち上げる。2016年4月山本メディカルセンター2代目院長に就任。
日々の診療を通して、「健康は決して外からの治療だけで得られるものではなく、分子レベルで、身体の内側から健康にならないと成り立たない」と実感し、分子栄養学認定医の資格を取得。さらに、自身でもさまざまな健康法・ダイエット法を実践。その知識と経験をもとにしたわかりやすい解説で、NHK「あさイチ」、テレビ朝日「林修のレッスン!今でしょ」、中京テレビ「それって!? 実際どうなの課」など、テレビ出演も多数。
さらに、分子栄養学の観点からメニューを考案しているカフェレストラン・桜山茶寮や、訪問看護ステーションなども運営し、総合的に患者さんの健康管理をサポートしている。