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ドコモなど4社が6G通信の実現に向けてサブテラヘルツ帯無線デバイスを開発、100Gbpsの超高速伝送を実現

2024.04.14

NTTドコモ(以下ドコモ)、日本電信電話(以下NTT)、日本電気株(以下NEC)、富士通(以下富士通)は、100GHz帯および300GHz帯のサブテラヘルツ帯に対応した世界最高クラス(注1)の無線デバイスを共同で開発。100GHz帯および300GHz帯において100Gbpsの超高速伝送を実現した。

共同開発した無線デバイスを用いて100GHz帯、および300GHz帯において無線伝送実験を実施

6G時代のネットワークの活用として、メタバースや自動運転などさまざまなユースケースが考えられており、その増大する通信需要に応えるためには、広い帯域が利用可能なサブテラヘルツ帯(100GHz~300GHzの周波数帯)を活用した大容量の無線通信が期待されている。

サブテラヘルツ帯は、現状の5Gで使用されているミリ波帯(28GHz帯など)に比べ非常に高い周波数帯であるため、無線通信の基本要素である通信用ハードウェア(以下、無線デバイス)の開発から行なう必要がある。

このような新規の無線デバイスを開発するためには、移動通信システムへの応用を前提としたデバイスの要求性能の明確化や、要求性能をサブテラヘルツ帯で達成するための新規デバイス開発など、多岐にわたる課題もある。

これらの課題に対応すべく、2021年から4社は共同して、6G時代の大容量無線通信の実現をめざしたサブテラヘルツ帯無線デバイスの研究開発(以下、本研究開発)を進め、今回は共同開発した無線デバイスを用いて100GHz帯、および300GHz帯において無線伝送実験を実施。

見通し内(注2)の伝送距離100mにおいて100Gbpsの超高速伝送を実証した。これは、現在提供している5Gネットワークの送信時最速4.9Gbps(注3)に対し約20倍の高速化に相当する。

■本研究開発における各社の役割と具体的成果

・ドコモ
100GHz帯の移動通信適用における無線システム構成や要求性能の検討を行ない、伝送速度100Gbps相当で100m無線伝送(注1)が可能な無線システムを実現。

・NTT
300GHz帯無線装置、および、そのキーデバイスである広帯域ミキサの研究開発を行ない、300GHz帯において従来実現されていない、チャネルあたり伝送速度100Gbpsの100m無線伝送(注1)が可能な無線装置を実現。

・NEC
100GHz帯の移動通信環境を想定した無線通信システム構成技術の検討を行ない、100素子超から成る多素子アクティブフェーズドアレーアンテナ(Active Phased Array Antenna : APAA)(注1)を実現。

・富士通
100GHz帯および300GHz帯の通信距離拡大および消費電力低減のため、高出力かつ高効率な信号増幅を可能とする化合物半導体技術の検討を行い、高出力アンプにおける世界最高の電力効率(注4)を実現。

今回の実証実験を受けて4社では「今後も4社は、サブテラヘルツ帯を移動通信で活用するために幅広い研究開発を行い、各社の強みを活かしたさまざまな取り組みを推進し、6Gに向けた世界的な標準化や実用化に貢献していきます」とコメントしている。

注1
世界最高クラスの無線デバイスは以下3点から想定。
(1)100GHz帯において、100Gbpsの高速伝送と100mの伝送距離を両立した発表報告はない(ドコモ調べ)。(2)300GHz帯において、100Gbpsの高速伝送と100mの伝送距離を両立した発表はない(NTT調べ)。(3)100GHz帯で100素子以上のAPAAにより50dBmの等価等方輻射電力(Equivalent Isotropic Radiation Power : EIRP)とビームステアリング角±30度程度の特性を両立した発表報告はない(NEC調べ)。2024.3時点各社調べ。
注2
無線通信において、送信機と受信機とが直線上に障害物なく対向配置された(即ち、送信機/受信機がお互いに見通せる関係で配置された)状態を指す。
注3
技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。ベストエフォート方式による提供となり、実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します。
注4
100GHz帯および300GHz帯において、それぞれ特定の出力での世界最高効率となります。2024.3時点富士通調べ。

関連情報
https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/topics/index.html

構成/清水眞希

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