「何となく元気が出ない」「仕事がしんどい」、こんな悩みを抱えていませんか?休み明けは特に感じるモヤモヤかもしれません。
実は、元気がない状態は〝科学の力〟で解消できるのだとか!
誰でもすぐ実践できるのに、まだ多くの人が試していないメソッドとは?明治大学教授の堀田秀吾さんによる著書『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から一部を抜粋・編集し、科学的根拠に裏付けされた「元気になる方法」を紹介します。
〈身体が先で、そのあとに脳は考える〉
各界の一流たちが実践している「やる気スイッチ」の入れ方、それは「とにかくやり始める」こと
――― リベット他、最新の科学の結論
たとえば仕事の資料づくり、メールの返信、資格やテストの勉強、洗濯や掃除といった家事……やらなければいけないことがあるのに、どうも億劫だ。気乗りしない、ということがたくさんありますね。
テスト勉強をしなくてはいけないのに、気づくと部屋の掃除や本棚の整理を始めていて、これがはかどることはかどること……。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
実はこの現象には、ちゃんと理由があります。
よく「やる気スイッチ」と言いますが、実はこれ、本当に存在するのです。ただし、どこかのツボを押せば入る、といったものではありません。
このやる気スイッチを入れるベストな方法はこれ。
「とにかくやり始める」こと。
そんなあたりまえのことを言うな!
それができたら苦労しない!
と怒られてしまうかもしれませんが、脳と身体の関係を見てみると、人間は「やり始めれば集中する」ようになっている、というより、やり始めなければ、集中ができないようになっているのです。
つまり、勉強をしなくてはいけないなら、まずは机に向かって、教科書なり参考書なりを開き、ノートに書き込みをする。資料づくりをしなければいけないなら、資料作成のアプリやファイルを開き、打ち込み始める。メールを開いたら、返信文を書き始める。
このように、「やり出す」ことで、だんだんとノッてくるのです。
人間はこれまで、「何かをするとき、まずは頭で考えてから、脳で命令を出して行動を起こしている」と考えてきました。
ところが、心理学や脳科学の世界では、人は「行動してから考える」というのが常識になりつつあるのです。
たとえば、じゃんけんをします。仮に「チョキ」を出すとしますね。
この際、実は心の中で「チョキを出そう」と意識するよりも先に、「チョキを出せ」という筋肉への命令が脳から発されているのです。そして、チョキを出そうとしている身体の動きを受けて、心の中で「チョキを出すぞ!」と考え始めます。
脳の動きを測定してみると、その順番がはっきりわかります。
アメリカの生理学者リベットらが行った実験では、動作を行う準備のために送られる信号が、動作を行う意識の信号よりも350ミリ秒も速かったことがわかっています。
つまり、考える・心で念じることより、実際の動作のほうが脳に与える力は強いのです。
さらに、もう一つ。脳には、一度その行動を始めると、のめり込んでしまうという性質があります。脳にある淡蒼球という部分がやる気の「スイッチ」なのですが、一度作業をやり始めると、この「やる気スイッチ」が入り、やめられなくなってしまいます。
テスト勉強中に始めた掃除がモリモリ進んでしまうのは、そのせいなのです。
就寝前、何の気なしにマンガの1巻を読んだら、つい全巻読んでしまった……といったことも、このような脳の性質から起こる現象なのです。
このようなことから、やる気スイッチを入れる方法は、「四の五の言わずにやり始める!」に尽きる、というわけです。
ただ、「やり始める」ためには一つだけポイントがあります。
それは、やりたくないことをやるための障害を、できるだけ減らしておくことです。
以前、小説家の村上春樹さんからお聞きした話なのですが、村上さんは毎日必ず4~5時間机に向かう時間を決めているそうです。
書くことが決まっていても、決まっていなくても、とにかく机に向かう。そうすることで、スイッチが入るのだと言います。
村上さんのこの習慣はアメリカの作家レイモンド・チャンドラーからきているようです。また、チャンドラーは自分が文章を書くのに適したデスクを一つ定めることをすすめています。原稿用紙と万年筆と資料を備えて、いつでも仕事ができる状態にしておくのです。
村上さんに限らず、小説家として仕事をしている方はみなさん、会社員のように「書く時間」を決めて執筆をしていることが多いようです。
私自身、論文や書籍の遅筆癖が大きな悩みだったのですが、村上さんにお話を聞いて以来、時間を決め、環境を整えて書くことにしました。するとペース配分がうまくできるようになり、ずいぶんと改善されてきたのです。
みなさんも、普段からデスク回りを整理整頓しておいたり、やるべきことに集中できるように家の中をきれいにしておいたりすると、スムーズに片付きやすくなると思います。やりたくないなぁ……と、頭で思うよりも先に、行動! これが、現在わかっている究極のやる気スイッチ、そして「元気スイッチ」なのです。
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いかがだったでしょうか?
『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』で紹介されているのは、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスがあるメソッド。科学で証明されたノウハウは、きっとあなたの生活に役立つはずです。
テンションが下がった時に試したい、とっておきの方法が詰まった一冊をぜひ書店でチェックしてみてください。
誰でもできるのにほとんどの人がやっていない
科学の力で元気になる38のコツ
発行所/株式会社アスコム
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著者/堀田秀吾(アスコム)
明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。また、芸能事務所スカイアイ・プロデュースで顧問を務めるなど、学問と実業の世界をつなぐための活動も続けている。プライベートでは空手、サーフィン、マラソン、近年はヒップホップやロックダンスにも挑戦中と、エネルギッシュな日々を送っている。座右の銘は、「あとでやろうはバカやろう」。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。