皆さんはじめまして。アステリア株式会社 エバンジェリストの森です。2024年4月からDIMEにて連載が始まった「マンガでわかる生成AI」の原作を担当している森一弥です。
これから毎月、生成AIに関連したコラムを担当させていただくこととなりました。生成AIを有効に活用するためのヒントになるような情報を発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。今回は、世の中で話題になっているさまざまな生成AIツールのうち、私が日常的に活用しているおすすめのサービスを特徴とあわせて紹介していきます。
一人暮らしを始めたばかりの沙織の心強いパートナーは「生成AI」!? 日常や仕事で起きるさまざまなピンチを、生成AIと共に乗り切れるのか!? 「ChatGPT」な...
実はいろいろある生成AI、LLMに様々な機能を“上乗せ”できる「GPTs」とは?
「生成AI」と聞いて、皆さんはどんなツールを思い浮かべますか? やっぱりブームの火付け役となった「ChatGPT」でしょうか?それとも美しい画像を作り出す「Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)」や「Midjourney(ミッドジャーニー)」のような画像生成のツールでしょうか?「生成AI」と一言で言っても、そのジャンルは様々ありますよね。
初回ですので、ChatGPTをはじめとした「大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)」の話から始めたいと思います。チャットとして使われることが多くあり、機能の制限もありますが無料から使えるものも多く、読者の皆さんも一度は触ったことがあるのではないでしょうか?
2024年4月時点の有名どころといえば、なんといってもChatGPTです。基本的に有料版である「ChatGPT Plus(チャットジーピーティー プラス)」を使っていますが、機能を比較する際などに無料版を使うこともあります。いろいろな用途で使っていると有料版のバージョンであるGPT-4の恩恵を感じることはありますが、ちょっと触ってみたいというだけであれば、無料版でも十分に有用性を感じることができると思います。AI=機械的な定型の回答、というのを思い浮かべている方がいるのであれば、まずはぜひ触ってみてください。時代が進んだことを感じるはずです。
さて、有料版のChatGPT Plus 以上のものが他のLLMと比べて秀でていることの1つに「GPTs(ジーピーティーズ)」と呼ばれる機能があります。こちらはLLMに様々な機能を「上乗せ」したもので、例えば「社長秘書」に扮して回答してくれたり「英語教師」になってくれたりと数多くあります(多すぎて検索するのも苦労するほどではありますが)。
この「GPTs」は自分で作ることもできますし、他の有料ユーザーと共有することもできます。例えば会社の事務の手伝いをする「GPTs」を作って業務を一部肩代わりしてもらうなんてことにも使えます。自分で作るというと膨大な知識が必要だと思われるかもしれませんが、簡単な設定と参考となるファイルを読み込ませるくらいで完了します。会社の規定集なんかを読ませれば「あれ?長距離出張って何キロからだっけ?手当も出るのかな?」なんて質問にも答えてくれますよ。大量の業務マニュアルがある総務部門なんかは大助かりだったりしませんか? まぁ、たまに間違うこともあるので全幅の信頼は置けないんですけどね。
有料はちょっと…という人におすすめの「Bing」「Gemini」「Claude」は何が違う?
いきなり「有料はちょっと…」という方は、マイクロソフトの「Bing(ビング)」はどうでしょう。検索エンジンのBingは裏側の仕組みに「Copilot」が統合されています。このCopilotはWindowsの中で使える生成AIや、Office 365で使える生成AIなど、マイクロソフトの生成AIで共通して使われる名称になりました。内部はChatGPTの有料版と同じGPT-4が使われています。
Bingでは写真や書類も読み込むことができるので、様々な用途で使うことができます。残念ながら時間単位で利用回数に制限があるので、ガッツリと使うのは難しい局面もありますが、GPT-4の精度の良さを無料で体感できます。また、インターネット上の情報を踏まえて回答した場合は、参照したページを教えてくれるのも特徴の1つ。「この情報ホントか?」と思った際には参照先のページを自身で見て確かめることもできますよ。
さて、検索エンジンといえば最も有名なのはGoogleでしょう。実はGoogleも「Gemini(ジェミニ)」という名前でLLMを出しており、こちらも無料で使うことができます。GPT-4に劣らず精度の高い日本語を返してくれるので、体験したことがない方はぜひ試してみてください。画像を読み込んだり、参照ページの情報を返してくれるのもBingと同様の機能です。一点、Geminiにしかできない特徴としては、GmailやGoogle Driveの情報を参照できることです。例えばGoogle Driveに会社の規定集を置けば、ChatGPTの有料機能「GPTs」でできたことが無料でできてしまいます。
同じく無料で、生成AIに詳しい方たちの間で ”精度が高い” と話題になっているサービスに「Claude(クロード)」があります。こちらも無料で使うことができます。画像や添付ファイルも扱えますが、一度の質問(プロンプト)に含められる量が制限されているのもあり、あまり大きなものは扱えません。
精度が高いと話題になるだけはあって、質問内容によってはだいぶ詳細な回答が返ってくる事も多い印象です。またChatGPTと比べたときの一番の特長は、回答が「早い」ことです。ChatGPTは人気のサービスで多くの人が使っていることも有り、回答が提示されるまでに時間がかかります。ちょっとした質問を時々するだけであればあまり気にならないかもしれませんが、やはり毎日使っていると気になってくるので、利用頻度が高い方にはClaudeもおすすめです。
今回ご紹介してきたこれらのLLM、私はすべて通常業務で使ってます。ブラウザのタブにこれらのサービスをそれぞれ開いて同じ質問を投げかけ、一番気に入った回答を中心に組み合わせたりして使うことも多いです。今回のコラムのような原稿や漫画の原作を書くときに、元ネタを相談したり、プレゼンのネタや構成を相談したりといった使い方です。
無料から試すことができるのでぜひ皆さんにも複数のツールを使ってみてほしいと思いますが、どんな用途で使うにせよ、「出力結果をそのままコピペで使わないこと」が重要です。生成AIの回答は間違いがあることを念頭に置き、内容をチェック、吟味したうえで使うようにしてください。これさえ守ればすぐに「賢い相棒」を手に入れられるはずです。
森 一弥(もり かずや) https://twitter.com/dekiruco
アステリア株式会社 ノーコード変革推進室 エバンジェリスト。 テレワーク推進の波に乗り、某有名SFアニメの聖地である箱根に移住。アニメや漫画、甘いものとかっこいいクルマをこよなく愛す、気ままな技術系エバンジェリスト。 AIやブロックチェーンなど先端技術とのデータ連携を得意とし、実証実験やコンサルティングの実績も多数。見聞きしたことは自分でプログラミングして確かめた上でわかりやすく解説することが信条。 現在は AI や IoTなどの普及啓発に努め、生成AI協会(GAIS)のエバンジェリストとしても活動中。
DIME4月号は超実践的なAI活用法をまとめた「AI仕事術」と「最新AI PC」の大特集
日々進化を続けるAIはいよいよ社会に実装されていくフェーズに入ってきました。また、スマホやPCの“オンデバイス”で搭載され始めるなどスゴいスピードで進化を遂げています。
今月のDIMEはそんなAIの仕事での活用をまとめた特集です。話題のマイクロソフト「Copilot」など今すぐ使えるAIの実践的活用法をシーン別にまとめています。
企画書やプレゼンの構成、メールの返信、プロジェクト管理、データの整理、ブレストなど具体的な使用シーンと活用法を様々な識者に取材し、まとめています。
まさにこれ一冊で自分をアップデートできる一冊です!
実は今回は表紙もAIに作ってもらったり、誌面をAIを活用して作ってみるなど編集部としても実験的な試みを実践しています。
また第2特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事のモチベーションをアップしてくれる56冊を選出してもらいました。
役立つ情報が満載の4月号、是非お近くの書店などでチェックしてみてください。
DIME2024年4月号
特集 1 企画書 プレゼン メール スケジュール管理ほか
「タイパが爆上がりするAI仕事術」
「インターネット出現以来の産業革命」、そう言われたChatGPTの登場から1年。
生成AIは今なお進化を続けている。さらに昨年末に発表された「Copilot for Microsoft 365」では「Word」「Excel」などビジネスパーソン必須の
OfficeアプリにまでAIが実装された。今後、生成AIを使いこなせるかどうかで、仕事の効率は天と地ほどの差が生まれるはずだ。来たる〝AI時代〟で一歩先を行く実践的な活用法をシーン別に細かく解説!
特集 2 作業効率が激変!「AI時代の最新PC 32」
AIプロセッサー「NPU」を搭載し、幅広いビジネスシーンをアシストしてくれる〝AI PC〟が登場し始めた。今、春買い替えるべき最新PCを一挙紹介!
特集 3 DIME読者とマンガ好き10名が選んだ仕事に効く56冊!
「ビジネスパーソンが読むべきマンガ大賞」
マンガは単なるエンターテインメントではなく、現代のビジネスパーソンにとって新たな教科書ともいえる存在だ。
ドラマチックなストーリーを通じて、職場で直面する様々な課題や、人間関係の機微、成功への道のりのヒントを与えてくれる。
今回の特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事に効く56冊を選出してもらった!
<新連載> 気になるあの人の“働く主義”に迫る「ハタラキズム」 第一回 芳根京子さん
〝働くうえでの主義=ハタラキズム〞とは?
BUSINESS HACKS DIME初のビジネスカンファレンス開催!「DIME Business Trend Summitで語られた未来を創る6つのヒント」
HEALTH HACKS お酒、喫煙、ギャンブル、SNS、ムダ使い……etc.「やめたくてもやめられない『ゾンビ習慣』の撃退法
BUSINESS HACKS 警察庁から映画業界へ「異色の経歴を持つCEOが語る〝異世界転職〟できた理由」
TOP LEADER INTERVIEW 株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺氏「世の中の当たり前を疑うことからイノベーションが起きる」
DIME4月号、絶賛発売中!
DIME2024年4月号