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米国で人気急上昇のスポーツ「ピックルボール」に秘められたコミュニケーションスポーツとしての可能性

2024.04.12

渋谷サクラステージ『Sansan Pickleball Challenge』体験レポート

渋谷サクラステージへは、JR渋谷駅西口または新南口から数分歩くとたどり着く。

この日は『Shibuya Sakura Stageしぶやさくらまつり』も開催中で、丁度ソメイヨシノの開花が進んだ時期ということもあり、デッキ上から桜の写真を撮影する人たちの姿が多く見られた。

2024年秋には南口新改札も開通予定なので駅からの利便性はさらにアップするだろう。

『Sansan Pickleball Challenge』の会場は渋谷サクラステージ「SHIBUYA SIDE」3階にあるZONE A・Bだ。

会場内には受付と、想像よりもコンパクトなコートが二面。そしていくつかの大型モニターとサイネージなどが設置されている。

生まれて初めて見るピックルボールの体験試合が今まさにそこで行われていた。

アメリカで一大ブームを起こしているスポーツが会議室のデスクを並べたほどのスペースでできることに驚いたが、スタッフの方のお話によると今回用意されたコートは公式よりもさらに小さいサイズだということだ。

絶えず入ってくる体験希望者は、スーツに身を包んだビジネスマンから、小学生くらいのお子さま、60~70歳くらいのご年齢の方まで、老若男女様々。

参加者のなかにはピックルボールがやりたくてイベントを探していたらここにたどり着いたような経験者もいたというが、大抵の参加者は「ちょっと寄ってみました」といわんばかりのタウンファッションでプレイしていた。

渋谷のビルの一角で行われているピックルボールが珍しいのか、通りすがりに大きなウィンドウの向こう側からスマホで写真を撮っている海外の方もいた。

かくいう筆者も、スカートのまま体験スタート。タイトではないが、せめてパンツで来るべきだったかもしれない…

指南してくれるコーチ役は「ピックルボールジャパン」の運営責任者であり、自身もピックルボール愛好家である熊倉さんだ。

簡単にルールを教わり、すぐにボールを打つ、返す、のラリーがはじまる。

小さなコート内に入れる力加減には少し戸惑ったが、穴が開いたプラスチック製のボールは空振りするような大きさでもなく、そこまでスピードも出ないため初めてでも十分打ち返すことができる。

コーチの方の上手なフォローもあると思うが、本当に数回分のサーブやラリー練習をしただけですぐにゲームが成り立ってしまうのだ。下半身はボールを打ち返すために数歩ステップを踏む程度で、コートを走り回るテニスほどの疲労感はない。

とはいえ、5セットやると運動不足のデスクワーカーの息がそれなりに切れるくらいには良い運動になる。スカートでも(筆者の場合は)特に問題なく、初めてでも「楽しかった」という感想を持てるスポーツだった。

実際に体験してみると、「手軽」で「丁度良い」スポーツだというのがよくわかる。対戦相手との物理的な距離が近く、ゲームを通じて会話が生まれるというのも頷けるのだ。

ビジネスのコミュニケーションに使われるスポーツとしてはゴルフがメジャーだが、時間や場所、費用などの問題から手軽なものとは言い難い。だからこそのステータスとして、ここぞという顧客の接待に使われる側面もあると思うが、ミニマムでカジュアルな交流を重ねたいようなシーンには向かないだろう。

一方、街中で普段着のまま楽しめるピックルボールは時間や場所のパフォーマンスが良い。仲間内でのレジャーのみならず、世代を超えた交流や、ベンチャーや個人起業家の親睦手段として、かなりの可能性を感じる。海外セレブがハマっているという話題性もトレンド感の後押しになるだろう。

体験してみるとなるほど確かに、気軽にできるコミュニケーション・スポーツとしてピックルボールが理想的といわれるのも納得だった。

ピックルボールが繋ぐビジネスの可能性

DXサービス大手企業であるSansanが、一見無関係とも思えるピックルボール体験イベントの開催に踏み切った理由は、同社が抱く理念に大きく関わっているという。

それは、「出会いからイノベーションを生み出す」というもの。このミッションには、人や企業同士の “出会い” が持つ可能性を再発見し、 “出会い” を未来に繋げてビジネスや社会を変えていくという思いが込められている。

ピックルボールは、セレブからお年寄りまで気軽に楽しみながら交流できるコンテンツとして、国境を越えて高い関心を集めているスポーツだ。

世代や立場を超えた出会いがあり、プレイを通して交流が生まれるピックルボールは、Sansanが思い描くミッションの実現に重なる。そう考え、ピックルボールの日本での普及展開を後押しするに至ったのだという。

広報担当である長倉さんのお話によると、企業がこのような街中でピックルボールのイベントを開催するのは恐らく国内初の試みなのではということ。期間内には法人や起業家向けの交流会も予定しており、ピックルボールをプレイしながらカジュアルなビジネストークができる場として使われるとか。

同社では今後もピックルボールを扱った様々なコンテンツを提案していく構想があり、2024年4月18日(木)~4月21日(日)に赤坂サカス広場で行われる「Pickleball Park in 赤坂」では、『Sansanカップ エキシビジョンマッチ』の開催も予定している。

アメリカ発の新興スポーツ・ピックルボールは、日本ではまだそこまで広く知られてはいない。

ただ今回のイベントは、今後ピックルボールが新たなレジャーやコミュニケーションツールとして広まっていくパワーを感じるものだった。国内でピックルボールがトレンド入りする日もきっと遠くないだろう。

【Sansan Pickleball Challenge】
主催:Sansan株式会社/東急不動産株式会社
運営:株式会社ピックルボールジャパン
期間:2024年4月2日(火)~4月4日(木)
https://jp.corp-sansan.com/news/2024/0306.html
※本イベントは終了しています

取材協力:
■Sansan株式会社
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■株式会社ピックルボールジャパン
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文/黒岩ヨシコ
編集/inox.

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