保護猫ボランティアは、飼い主のいない猫に関する活動を非営利で行っている団体・個人のこと。近年バラエティ番組などでよく取り上げられる「一時預かり(預かり飼育)」も活動の一環だ。
「猫を保護し、医療的処置を含む心身のケアを行いながら譲渡先を探す」という内容だけが切り取られがちだが、実際の保護猫ボランティアの方々はそれ以外にも多岐にわたる作業をこなしている。
今回の記事では、猫の保護 “以外” の活動に焦点を当てた、ちょっと珍しい保護猫ボランティアを紹介する。
保護猫ボランティアの活動は猫の保護だけではない?
保護猫活動の主な目的は、身寄りのない猫の飼い主となる里親を探し「送り出す」こと。そしてそれに続く不幸な身寄りのない猫を「増やさない」ことだ。
無事に里親へ引き渡すという着地点へたどり着くためには、猫のお世話をしながらそれに付随する作業をこなす必要がある。
例えば、行政や医療機関との連携、里親を探すための募集告知やイベントの企画、会場探しや手配、当日の準備や片づけなど…もろもろの雑多なバックヤード作業は、軽いものではない。
そこで、着地点までの後方支援をするサポーター役として立ち上がったのが、 “ボランティアを支援するボランティア” を名乗る「ネコスペ事務局」だ。
保護猫ボランティアのサポートをする『ネコスぺ事務局』
『ネコスぺ事務局』は、直接的な猫の保護を行わない保護猫ボランティアだ。
では何をするのかというと、保護された猫や犬が家族を探す場である「譲渡会」や動物福祉イベントの企画・開催・運営を担っている。譲渡会と共に開催するマルシェではハンドメイド作品を販売し、TNR(※)や多頭飼い崩壊レスキューのための資金集めも行っている。
※Trap(トラップ)・Neuter(ニューター)・Return(リターン)
直接的な猫の保護を行うボランティアと目指す着地点は変わらないが、関わり方が違うのだ。
ネコスペ事務局は、猫の保護や譲渡に奔走するボランティアの「活動」を後方からサポートすることで「猫」を救っている。保護ボランティアの方々は、通常なら猫の保護や飼育をしながら行わなければならない作業の負担を減らすことができる。
譲渡会という出会いの機会を増やすことできるし、譲渡までのサイクルが早くなれば新たに身寄りのない猫や犬が保護されるチャンスを増やすことも叶うのだ。