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「感無量」という言葉を見聞きしたことはあるだろうか。感無量は「感慨無量」を略した言葉で、物事を身に染みて感じた結果、しみじみとする気持ちを表す表現だ。
本記事では、感無量の意味や会話での使い方、言い換え表現などを紹介する。対義語についても解説するので、会話や文章のバリエーションを増やしたい方は参考にしてほしい。
感無量とは
感無量という言葉を見聞きしたことはあるものの、自ら使用したことがない方もいるだろう。まずは感無量の意味や例文を確認し、日常会話のなかで使えるようにしておこう。
■感無量の意味
感無量は物事を深く身に染みて感じ、感動でしみじみとする気持ちを表す言葉。語感の似た言葉として「感慨無量」が挙げられるが、感無量は感慨無量の略語であるため、感無量と語意は変わらない。
「感慨」は感動でしみじみとすることを表し、「無量」は数え切れないほど多いことを意味する。これら2つの言葉の意味も合わせて覚えておくと、感無量のイメージも掴みやすくなるはずだ。
■感無量を使った例文
感無量を使った会話の例としては、以下のようなものが挙げられる。感動の様子をより具体的に表現できるため、日常会話でも有効活用してほしい。
【例文】
「10年間の努力が実り、感無量の思いだ」
「素晴らしい言葉をいただき感無量です」
「卒業式も終わりに近づき、先生も学生も感無量の面持ちだ」
■感無量の英語表現
感無量を英語で表現する場合は「深く感動する」と和訳される“be deeply moved”を使うのが良いだろう。
また、“be filled with emotion”は「感情で満たされる」と訳され、感慨深く胸がいっぱいになる感無量とはかなり近いニュアンスで使用できる。
【例文】
I was deeply moved by the teacher’s words.
(私は先生の言葉に深く感動した)
My heart was filled with emotion when I saw that movie.
(その映画を観て、私の心は感動で満たされた)
感無量の言い換え表現
ここからは、感無量の言い換え表現を紹介する。語彙を増やし、シーンによって使い分けてほしい。
■胸がいっぱいになる
「胸がいっぱいになる」は、喜びや悲しみが心を満たす様子を指す言葉。感無量と同様、大きな喜びを伝えたい場合に使用する。
また、感無量との違いとして、悲しみをはじめとしたマイナスの感情の表現にも使用できる点を覚えておこう。
【例文】
「思わぬ裏切りを受け、悲しさと悔しさで胸がいっぱいになった」
■感慨深い
感慨深いは事柄を心にしみじみと感じる様子を表す言葉。感無量(感慨無量)と意味は大きく変わらない。
感無量よりも柔らかい表現であるため、日常会話で使えるようにしておくと便利な言葉だ。
【例文】
「あの子がこんなに大きくなったと思うと感慨深いなあ」
■感極まる
感極まるはこの上ない感動を感じている様子を表す言葉。感無量と同様、喜びをはじめとしたプラスの感情に使用する表現だ。マイナスの感情には使わない点に注意しよう。
【例文】
「合格したことに感極まり、こらえていた涙が溢れ出した」
■万感の思い
万感の思いは、さまざまな思いが湧き上がり、しみじみとする様子を指す言葉。プラスの感情、マイナスの感情の双方に使える表現。
感無量が感動の量の多さを表すのに対し、万感の思いは思いの「種類」の多用さを示すニュアンスが強い点に違いがある。
【例文】
「自分の人生を振り返ると、万感の思いがこみ上げてくる」
感無量の対義語
ここからは、感無量の対義語を紹介しよう。感無量と合わせて表現のバリエーションを増やし、会話の幅を広げてほしい。
■冷淡
冷淡は物事に対する熱意がない様子を指す言葉。感無量は感情的になっていることを前提とした表現であるため、対照的な様子を示す表現として使いやすい。
【例文】
「感動する話を語ったのに、冷淡にあしらわれた」
■淡白
淡白はさっぱりしていてこだわりのない様子を指す言葉。感無量は事柄への関心の高いニュアンスが含まれるため、その点で対照的な言葉といえる。
淡泊は、感情や気質だけでなく、味や色にも使用できる表現だ。
【例文】
「先生の返事は期待していたよりも淡白なものだった」
「この料理は見た目に反して淡白な味付けだ」
■無感動
無感動は心が動かされず、感動していない様子を指す言葉。感動が大きいことを示す感無量とは意味、字面ともに反対のイメージがあるため、両者の違いを際立たせたい場合に使いやすい表現だといえるだろう。
【例文】
「無感動の表情を見るに、私の言葉は胸に響いていないようだ」
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部