物語世界に入り込める没入体験ができると、今、話題のイマーシブシアター。一度に体験できる人が少ないことから、これまでは一部の人の特別な体験だった。そんなイマーシブ体験ができるアトラクションだけを集めた世界初のイマーシブ・テーマパーク『イマーシブ・フォート東京』が3月1日、東京・青海に開業。いったいどんなテーマパークなのか?
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テーマパークの常識を変える新たな表現方式
没入体験ができるイマーシブシアター。その言葉を聞いて、ARグラスを用いたアトラクションだと考える人は多いだろう。それもイマーシブのひとつではあるのだが、『イマーシブ・フォート東京』で展開される体験は、それとは大きく異なるものだ。いったいどのようなものなのか、同施設の制作に携わったクリエイティブディレクターの津野庄一郎さんに聞いた。
「『イマーシブ・フォート東京』のアトラクションは、ほぼすべてをエンターテイナーによるライブエンターテインメントで構成しています。ゲストは傍観者ではなく、ショーの当事者になってもらうというのがテーマ。イマーシブシアターでは自分の周囲で物語が進んでいきます。物語のその場所に実際にいて、自分で動いてその物語を体験していくので、同じアトラクションでも10回体験したら、10回とも異なる体験が得られるのです」(津野さん)
エンターテイナーによるライブパフォーマンスが貴重であることは理解できる。だがそれを提供することを考えると、デジタルコンテンツのほうがラクではないのか。なぜ今、あえてライブなのか?
「VRやVODなどは今、非常に充実しています。それはそれで人気があるのですが、一方でゲストの方々は、本能的に生の感動や生の興奮、生の体験を求めています。イマーシブシアターの提供はとても手間がかかることですが、本当に心に刺さる体験を提供できるのは、この形態しかないと思っています。ただ、従来のイマーシブシアターは少人数しか体験できないものが多かった。そこで『イマーシブ・フォート東京』では、『ザ・シャーロック』というアトラクションなど、一度に100人以上の規模の人々が当事者として体験できる、クオリティーの高いイマーシブ体験を提供することにこだわりました。実にチャレンジングな取り組みだと思っています」
『ザ・シャーロック』には48ものキャラクターが登場し、同じ時間軸で物語が絡み合い進んでいく。
◆従来型テーマパークとイマーシブ・テーマパークとの違い従来型ではエンターテイナーとゲストの間に一線があり、ゲストはあくまで傍観者。それがイマーシブシアターでは当事者として巻き込まれるので、ライブ感に満ちた個々の体験ができる。
イマーシブシアターの歴史
2000年代にロンドンで誕生した没入型エンターテインメント。観客が舞台演者と同じ空間内で物語の一員となって参加するのが特徴。これまでごく限られた演目、少人数での体験での展開しか実施されてこなかった。