冬物を片付ける時期になった。
軽くてあたたかいダウンウエアは、今シーズンもキャンプや雪遊びで大活躍したことだろう。来期にも気持ちよく着られるよう、ていねいにケアして仕舞いこむわけだが、問題は数シーズン着用し 〝これで最後〟と決断せざるを得ないダウンウエア。
型遅れくらいならボランティア団体への寄付や買い取り業者に出す手もあるが、加水分解による劣化、縫い目や繊維の隙間から羽毛が抜け出るのは手の施しようがない。
だからといってゴミ袋にいれるのはちょっと待って。
品質表示を見て、ダウン率が50%以上であれば、リサイクルできるのだから。
全国1000か所で羽毛製品を回収
羽毛を再生して再製品化する循環システムに取り組んでいるのは「一般社団法人グリーンダウンプロジェクト」(以下、グリーンダウンプロジェクト)。
これまで、廃棄された羽毛製品はゴミとして焼却されてきたけれど、ファストファッションでも羽毛製品の扱いが増えるなど需要は急激に増加。
一方で、食肉用に飼育されている水鳥の副産物である羽毛は、食肉市場の変化や鳥インフルエンザの影響などによって供給量が安定しないとも言われている。
「グリーンダウンプロジェクト」では将来にわたり、安定的に羽毛を供給するべく循環させる仕組みを確立、普及を目指す団体だ。
回収はグリーンダウンプロジェクトに賛同する企業・団体が行っており、ゴールドウイン、スノーピーク、ナンガといった羽毛製品を扱うアウトドアメーカー、好日山荘やヒマラヤなどアウトドアの専門店が名を連ねている。その数は187社で、約1000か所で常時回収しているという(2024年3月現在)。
昨シーズン、裏地がべたつくジャケットと、羽毛抜けが著しくテント内が羽毛だらけになる寝袋を回収してもらった。ステッカーや割引クーポンなどおまけをもらえる店舗もある。
店舗によって「マフラーとジャケット、寝袋は受付けるけれど羽毛布団は回収できない」など回収できるものが異なるので、手持ちの羽毛製品を受付けてくれる店舗を探すのが第一歩。
回収ボックスを設置している店舗もあるが、カウンターでひと声かけ、ダウン比率などを確認してから回収する店舗が多いようだ。
うれしいのはブランド不問だということ。
たとえば近所の回収場所がスノーピークストアであっても、ザ・ノース・フェイスの寝袋や参加企業ではない他社のジャケットを引き取ってくれる。
ダウン率50%以上であれば、ブランドの有名無名は不問。
少しの汚れや穴があいていても受付可能だ。ただし、濡れているものは受け付けないのでよく乾燥させてから持ち込もう。