アクセンチュアは、アドビとの20年以上にわたる協業体制を戦略的に強化して、アドビの画像生成AIツールであるAdobe Fireflyを活用した業界特化型のソリューションを共同開発。コンテンツサプライチェーンのさらなる変革を支援していくことを発表した。
本稿は同社発表リリースを再構成してお伝えする。
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企業の生成AI活用は試験的導入から大規模な運用へ
アクセンチュアは、Adobe Firefly のCustom Modelsをアクセンチュア ソングが提供するマーケティングサービスに統合する。これによって、顧客が保有するデータやクリエイティブアセット、ブランドガイドラインに基づいて独自に開発されたAIモデルの学習に必要な知見を顧客に提供する。
Fireflyは安全に商用利用できるよう設計されており、Fireflyサービスのほか、Adobe Creative CloudやExperience Cloudのアプリケーションから、APIを介してアクセスすることもできる。
Fireflyはブランドスタイルやデザイン言語に沿ったコンテンツを生成するため、マーケターは運用データや効果に基づいてテンプレート化されたキャンペーンを構築。継続的な改良を加えていくことが可能になる。
このアプローチによってコンテンツ作成プロセスを合理化させ、人手を要する作業の軽減が実現する。
両社で開発するソリューションは、まず小売・消費財、自動車、金融サービス、ヘルスケア業界を対象にしている。本ソリューションには、アクセンチュアが持つ広範なデータ、AIエンジニアリングに関するスキルや責任あるAIの実現に向け体系化されたアプローチ、首尾一貫したブランド体験の構築支援など、さまざまなサービスが組み合わされる。
さらに、アドビの生成AIを活用する広範なソリューションや顧客のシステムとも連携させることで、顧客はグローバル全体で一貫性がありつつも、各地域で共感性が高く、業界に特化したコンテンツを迅速に作成できるようになる。
なお、アクセンチュアのエンジニアはAdobe Fireflyに関する知識のさらなる研鑽を重ね、生成AIキャンペーンを展開する顧客企業を強力に支援していく。
アクセンチュア ソングのCEOを務めるデビッド・ドロガ(David Droga)氏は、今回の発表に際して次のように述べている。
「今日のブランドは、生成AIの試験的導入に留まらず、大きな成果を生み出す方法を模索しています。世界中のオンライン市場で製品データや画像を展開する消費財企業や、患者の安全に関するブランド基準を担保するヘルスケア企業など、広く展開可能な生成AIソリューションに対する需要は高まりを見せています。アドビとアクセンチュア ソングのテクノロジーを駆使してクリエイティビティを融合させることで、マーケターはクリエイティブ資産の開発やコンテンツサプライチェーンの変革を加速できます」
アドビとアクセンチュア、ブランドによる生成AI活用を変革
続いてアドビのデジタルメディア事業部門代表であるデイビッド・ワドワーニ(David Wadhwani)氏は次のように述べている。
「企業は、パーソナライズされた体験を提供し顧客と繋がることができる、かつてない機会を得ています。Fireflyは、業界を牽引するアプリケーションと業務の自動化に向けたAPIを通じて、コンテンツ生成から編集、アセンブリまで、あらゆる生成機能を強化する企業向けソリューションです。アクセンチュアと共に、世界中の企業がAIの力を活用できるソリューションを作り上げ、実装できることをうれしく思います」
さらにアクセンチュア アドビ ビジネス グループを統括するジム・ラロンド(Jim LaLonde)氏も、以下のように話す。
「アクセンチュアのテクノロジーや業界に関する知見、そして20年以上にわたるアドビとの協業体制のもと、業界固有の生成AI機能を開発、提供し、企業から新たな価値を引き出していきます。アドビと協働し、お客様が次世代の体験を生み出すことができるよう、人材やテクノロジーへの投資を続けてまいります」