ランドセル素材などに幅広く使用される人工皮革<クラリーノ>を製造・販売する化学メーカーのクラレは、この春に小学校に入学する子どもとその親を対象にアンケートを実施。「将来就きたい職業」「就かせたい職業」に関する調査を行なった。
男女を合わせた将来就きたい職業は、1位「ケーキ屋・パン屋」
男女を合わせた将来就きたい職業は、1位「ケーキ屋・パン屋」、2位「警察官」、3位「スポーツ選手」が、昨年からトップ3をキープした。
男女ともにポイントを伸ばした「研究者」と、女の子の人気を集めた「保育士」が今年新たにトップ10にランクイン。一方で、近年人気を伸ばしてきた「ユーチューバー」は、今年は順位を落として14位となっている。
男女別に見ると、男の子の将来就きたい職業は、「スポーツ選手」が「警察官」を抜き、4年ぶりにトップに返り咲いた。スポーツ選手に次いでポイントの伸びが大きかった「研究者」は、過去最高に並ぶ5位に順位を上げている。年々人気が高まっている「ゲームクリエイター」は、初めて10位に入った。
女の子の将来就きたい職業は、調査開始以来26年連続で「ケーキ屋・パン屋」が1位となった。2位「芸能人・歌手・モデル」は、昨年から大きくポイントを伸ばし(7.3%→12.4%)、アイドルブームに沸いた10年前に迫る勢いとなっている。「保育士」は昨年の8位から3位に大きく順位を上げた。
男の子が「将来就きたい職業」
■「スポーツ選手」が4年ぶりにトップ、バスケ人気が浸透
「スポーツ選手」が、ここ3年1位だった「警察官」を抜き、トップに立った。コロナ禍が明けて、思う存分スポーツが楽しめるようになり、未来のJリーガーやプロ野球選手を夢見る男の子が再び増えているようだ。
競技の内訳を見ると、昨年と同じで一番人気は「サッカー」、二番目は「野球」だ。また、「バスケットボール」のポイントが前年比で倍増(2.0%→4.0%)している。昨年沖縄で開催された世界大会で日本中が盛り上がり、子どもたちもバスケットボールに大きな魅力を感じたと推察される。
■「研究者」は過去最高に並ぶ5位、恐竜や化石、昆虫に興味
「研究者」はスポーツ選手に次いでポイントを伸ばし、過去最高に並ぶ5位となった。回答を見ると、恐竜や化石、昆虫が研究対象として過半数を占めている。図鑑や博物館、テレビの生き物番組などを通じて、「好きなものを研究したい」という子どもらしい好奇心が育まれているのかもしれない。
■「ゲームクリエイター」が初のトップ10入り
「ゲームクリエイター」は、過去最高の10位となった。プログラミング教育などの広がりで、ゲーム制作に興味を持つ子どもが年々増えている。10年、20年前は「ゲームクリエイター」より「おもちゃ屋」の方が人気だったが、令和の子どもたちは「創る」ことに夢を感じるようだ。
女の子が「将来就きたい職業」
■「ケーキ屋・パン屋」が26年連続でトップ
今年も「ケーキ屋・パン屋」が1位となった。回答はケーキ屋が8割を超え、圧倒的な人気。ドーナツ屋、クレープ屋といった回答もあり、おいしくて見た目のかわいいスイーツに夢中であることが考えられる。
■「芸能人・歌手・モデル」、アイドルブームの10年前に迫る勢い
「芸能人・歌手・モデル」は、昨年から大きくポイントを伸ばした。アイドルグループが旋風を巻き起こした2010年代に比べるとここ数年は低調だったが、今年は久々に10%超えた。これはピークだった2014年にも迫る勢いだ。内訳を見ると、8割以上がアイドル志望であり、10年ぶりにアイドル熱が高まっているようだ。
■「保育士」は10年ぶりに過去最高に並ぶ3位
「保育士」は昨年の8位から大きく順位を上げ、10年ぶりの3位となった。小1女子にとって最も身近な仕事の一つ。いつの時代も一定の人気を集め、上位を維持している。
■「アイスクリーム屋」は5位に順位アップ、人気職業として定着
「アイスクリーム屋」は2年連続で順位を上げ5位となった。20年前と比較すると、ポイントは5倍(0.9%→5.0%)に上昇。人気職業の一つに定着した感がある。「ケーキ屋・パン屋」「花屋」と同様に、大好きなものに囲まれて働く店員さんの姿が、子どもの心を捉えているのかもしれない。