日本郵便、西日本旅客鉄道、大阪ターミナルビル、JTBおよび日本郵政不動産が旧大阪中央郵便局跡地を含む大阪駅西地区において開発を進めてきた「JPタワー大阪」が3月12日(火)に竣工した。同建物内の商業施設「KITTE大阪」のグランドオープン日が2024年7月31日(水)に決定したので、同施設の概要と併せてお伝えしよう。
「JPタワー大阪」外観
初代大阪駅から大阪中央郵便局、そして「JPタワー大阪」へ
「JPタワー大阪」が誕生する地は、1874年に開業した初代大阪駅の跡地であり、1939年から旧大阪中央郵便局舎が建っていた場所でもある。
初代大阪駅が開業してから150年、鉄道の旅に出た人たち、郵便局に想いを届けに来た人たちなど、あらゆるヒト、モノ、コト、そして想いが集まり、さまざまな出会いや物語を生み出してきた。
そんな150年の記憶を継承し、「JPタワー大阪」は、新しい出会いを生み出し続け、これからの大阪を成長させる起点として、歴史を未来へと紡いでいく。
街の記憶を継承するため、「KITTE大阪」の1階では、地域の方々に親しまれてきた旧大阪中央郵便局舎の一部を保存・移設の上、エントランスや商業施設の一部として一体的に活用することで、往年のレガシーを未来へと伝承する。
「JPタワー大阪」の主な公共貢献要素
■街の魅力のさらなる向上
「JPタワー大阪」フロアマップ
「JPタワー大阪」は、オフィス、商業施設、劇場、ホテルといった複合用途の一体開発により、ヒト、モノ、コト、想いの「つながりのはじまり』となる拠点として、JR大阪駅周辺の繁栄や賑わい創出への貢献を目指す。
■歩行者ネットワークの整備
JR大阪駅西口に直結し、建物を南北に貫通する通路(1階/「KITTE大阪」グランドオープン時に開通予定)や、JR大阪駅からサウスゲートビルディングを経由して接続する歩行者デッキ(2階)、JR大阪駅南側から南西方面に向かい、通り沿いの各ビルをつないでいる西梅田地下歩行者道路「ガーデンアベニュー」(地下1階)との接続など、「KITTE大阪」を介して立体的な梅田西側エリアへの新たな歩行者ネットワークが誕生することにより、来街者の利便性・回遊性をさらに高めていく。
オフィスおよびオフィスサポートフロアの特徴
■多様なニーズに対応した新時代のオフィス
オフィスロビー
オフィス基準階フロア
オフィスフロアは西日本最大級の基準階貸室面積約4000平方m(約1200坪)を誇る整形・無柱空間(標準天井高2800mm)で、テナントのニーズに合わせたフレキシブルなオフィスレイアウトが可能だ。
最小分割は約130平方m(約40坪)で、小規模オフィスのニーズにも対応する。
JR大阪駅西口直結という立地の良さに加え、新たな歩行者ネットワークによる利便性・アクセス性を活かし、本社機能から営業所としての利用まで多様なオフィスが実現可能。また、貸室内の一部には、給排水設備があることでオフィス内にカフェなどを設けることもできる。
■ウェルビーイングを追求するオフィスサポート機能
オフィスフロアには、ワーカーのクリエイティビティへの配慮やウェルビーイング(心身ともに健康な状態)に貢献するため、ワーカー専用のオフィスサポート機能が用意されている。
9階 ダイニング
オフィスロビーのある9階には、居心地の良い開放的な空間で、健康的な食事をリーズナブルな価格で提供するダイニング、自然を感じてリラックスできる屋上庭園、仕事の前後などにリフレッシュできるフィットネスやサウナを設置。
17階 共用会議室(コワーキングスペース
また、17階には共用会議室(15室)・コワーキングスペース(18室)を設け、小規模オフィスのテナントでも必要なときに会議室を利用したり、作業に集中したいときにはコワーキングスペースを利用したりと、さまざまなビジネスシーンをサポートする。
8階 ラウンジ
さらに、8階には大阪の社交クラブをイメージしたラウンジを設けており、重厚で落ち着いた雰囲気の中で、商談やミーティングに活用できるほか、貸し切りによるイベント利用でワーカー同士の親睦を深めることも可能だ。
<災害への備え>
大規模地震対策として地震時の揺れを軽減する制振装置を建物各階に設置しており、大きな揺れに対しても安全性を発揮するよう、JSCA(一般社団法人 日本建築構造技術者協会)が示す基準耐震グレード「上級」の性能を保有している。
その他にも、非常時最大72時間の電力供給、中水利用によるトイレ機能の一定期間確保、重要諸室(機械室など)を2階以上に配置する浸水対策などのさまざまな災害対策が施されている。
<劇場「SkyシアターMBS」開業>
6階 「SkyシアターMBS」舞台
自由度の高い舞台機構と最新設備を備えた1289席の劇場で、演劇・ミュージカル・音楽・演芸など国内外の一流エンターテインメントをお届けする「SkyシアターMBS」が、2024年3月27日(水)に開業した。
関西文化の育成や発信、賑わいの場を生む拠点を目指すという。
「KITTE大阪」2024年7月31日(水)にグランドオープン
「JPタワー大阪」内の商業施設「KITTE大阪」のグランドオープン日が、2024年7月31日(水)に決定した。
■「KITTE大阪」とは
「KITTE大阪」は、まだ知らない、まだ体験したことのない日本各地の魅力的なヒト・モノ・コトを集め、日本の良さを発見・再認識できる場所になることを目指したいとの想いから「UNKNOWN(アンノウン)」をコンセプトとした商業施設だ。
地下1階から6階までのフロアに、さまざまな飲食・物販・サービスの店舗が入り、体験する出会いを通して、知的好奇心を刺激し、ワクワクできる施設を目指す。
■KITTE大阪」店舗ラインアップ
<飲食>
地下1階の横丁ゾーン「うめよこ」には、九州各地の絶品が楽しめる「角打ち 小野の離れ」など関西初出店の繁盛店が多数出店し、気軽にお酒を楽しめる“大人のたまり場”を形成。
また、4階・5階のレストランフロアには、日本初進出のシンガポール・チャイニーズ「東寶(ドン・バオ)」をはじめとした、日常のお食事からハレの日の会食まで、さまざまなシーンで利用できる魅力的なレストランが多数集結する。
その他、各フロアにカフェやデリ、スイーツショップなどが揃っている。
<物販>
日本各地のアンテナショップが集結する2階「Feel JAPAN Journey(ええもん にっぽん めぐり)」には、北陸3県「富山・石川・福井情報発信拠点『HOKURIKU+』」、高知県「高知県関西あんてなショップ(仮)」、鹿児島県「かごしま屋」、岡山県倉敷市「クラシキ」などが出店し、大阪にいながら日本各地の魅力に出会うことができるはずだ。
また、3階には、「石見銀山 群言堂 暮らしの旅へ」、「豊岡鞄」、「今治浴巾」など、日々の暮らしをちょっと贅沢にしてくれる「MADE IN JAPAN」のショップが並び、お気に入りとなる商品との出会いをサポートしてくれる。
<サービス>
劇場「SkyシアターMBS」のエントランスにつながる6階には、「GiGO」の新業態であるアミューズメント&BARや、観劇の前後やお買い物の休憩の際に利用できるカフェ、暮らしの質をさらに高めるクリニックなどが出店し、「刺激」と「癒し」の時間を提供する。
また、1階には大阪中央郵便局とゆうちょ銀行大阪支店が開業する。
1) 外観およびオフィス・オフィスサポート各写真:「撮影 伊藤 彰/アイフォト(PHOTO Akira Ito / aifoto)」
2) 旧大阪中央郵便局舎:「画像提供:NTTファシリティーズ」
関連情報
https://jptower-kitte-osaka.jp/
構成/清水眞希