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「朝ラー」ブームの背景にあるのは意外にも猛暑だった!?

2024.04.06

その名の通り、朝にラーメンを食べる朝ラーメンに注目が集まっている。ラーメンといえば、ボリューミーかつ味つけもしっかりしたものが多く、昼食や夕食に食べるものというイメージが強いが、それを覆すようなコンセプトといえる「朝に食べるラーメン」がなぜ流行っているのか――実際に朝ラーメンを提供しているラーメン屋に取材したところ、灯台下暗しといえるような理由が浮かび上がってきた。

チェーン系店舗も参入

日本を代表する国民食の一つがラーメンだ。豚骨や味噌、醤油など店ごとにこだわり抜いた様々な味わいが楽しめるが、主に昼食や夕食、飲み会のシメとしてといった用途で食べることが多い。

しかし昨今、朝からラーメンを食べる〝朝ラー〟こと朝ラーメンを提供するラーメン店が急増しているという。東京都目黒区の『えーちゃん食堂』は早朝7時ごろから11時までとまさに朝限定のラーメンを提供しているほか、東京駅など5店舗を展開する『六厘舎』でも朝限定のつけ麺を提供している。

その源流は諸説あるが、有力とされているのが静岡県藤枝市だ。1919年創業のマルナカを中心に多くのラーメン店で朝ラーメンを提供しており、市の公式HPにも掲載されているほどだ。

藤枝市公式HP内の観光情報ポータル『藤枝トリップ』内には、朝ラーメンの概要や特徴、提供店舗などが詳細に記載されている。訪れる際は是非参考にしてほしい。

朝ラー人気の背景にある店舗側の切実な事情

朝ラーメン人気の理由として、昨今の飲酒離れで飲み会のシメとしてラーメンを食べる文化が衰退したことや、コロナ禍で夜間営業がしづらかったことなどにより、夜間帯の売り上げが下がったことなどが挙げられる。

各店舗により事情は様々だろうが、「大きな要因のひとつは、昨年夏の猛暑です」と教えてくれたのは、東京都豊島区巣鴨にある『麺創庵砂田』の店主、砂田裕史さんだ。

砂田さんはメジャーデビューの経験がある元ミュージシャン。ラーメンコンサルタントの渡辺樹庵さんのもとで修業した後、2020年に独立、開業した。

「元々11時から15時まで営業していたのですが、昨年の夏は11時の時点ですでに暑くて、14時にもなるともはや人が通らないほどの状況でした。お昼の売り上げがほとんど見込めず、ちょうどその頃仕込みスケジュールの見直しも検討していたため、思い切って営業時間を前倒ししてみようと考えたんです」

店舗側と客側、双方にもたらした恩恵

朝ラーメンの提供に合わせ、深夜から早朝にかけての仕込みスケジュールにしたことで、暑さによる作業の負荷が大幅に軽減したそうだ。それだけでなく、来店する客側にも様々なメリットが生まれた。

「従来の11時開店だと暑い時間帯に列ができてしまい、お客様に負担がかかっていました。朝9時に開店時間を早めたところ、客入りが分散されたおかげで待ち時間が少なくて済むようになりました。

また熱狂的なラーメンフリークたちは1日に何店舗もラーメン店を連食するのですが、朝営業にすることで朝ご飯として朝ラーを食べに来て、別の店舗がオープンする11時頃にそちらに向かう、という動線が作れます。双方にこうしたメリットが生まれた結果、朝営業にしてから売り上げは伸びています」

麺創庵砂田で4月から加わった新メニューの『朝ざる中華』(税込700円)。白河系ラーメンの特徴といえる幅広のちぢれ麺が、鰹節香るつけ汁とよく絡み味わい深い。食べ終わったあとのつけ汁をラーメンスープ(写真左上)で割って飲むと二度美味しい。

朝ラーメンの提供時には通常のラーメンメニューも提供しており、最初は定着に時間がかかったが、現在は安定した売れ行きとなっている。

「朝ご飯として食べるお客様はもちろん、常連の方が〝味変〟として頼むこともあります。お客様からは『鰹の香りがスーッと体に入ってきて、まさに朝にピッタリ』と評判は上々です」

今後も継続して朝営業、そして朝ラーメンの提供は続ける予定だ。

「実は開店をさらに早めようと思っています。巣鴨には市場があって、早朝に仕事が終わる方が多い。そういった方にも食べてもらえるようにしたいです」

朝にラーメンという新習慣で、一日の活力を養ってみてはいかがだろうか。

【店舗名】麺創庵砂田
【住所】〒170-0002 東京都豊島区巣鴨4丁目24−6 富士ビル 12
【営業時間】9時00分~13時30分/18時00分~20時00分(月・火・金)、9時00分~13時30分(水)、9時00分~15時00分(土・日)
【定休日】木曜日
【公式SNS】https://twitter.com/mensouan_sunada

取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務などを経て、2019年5月から2022年8月まで、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド・ライゼストに所属。現在はフリーエージェントの「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動中。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。

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