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「なかなか、やめられない」のにはワケがある!食べ物依存の人に多い失敗パターン「HALT」の罠

2024.04.03

ゾンビ習慣

快楽が得られる一方で、人をダメにしてしまうことも多いゾンビ習慣の数々。多くの人がやめたいと思っているのにやめられないのは、ストレスを快楽で打ち消そうとする脳の働きにあった。

「やめられない」にはワケがある

 そもそも「ゾンビ習慣」から抜け出せないのは、自分の意志が弱いからなのか。そうではなく、理由のひとつは心と体のコンディション不足にある、と山下さん。

 例えば、食べ物依存の場合、やめようと行動を起こしてもつい失敗してしまうのには、下に示したHungry(空腹)、Anxiety(不安)、Lonely (寂しさ)、Tierd(疲れ)の4つのパターンがある(頭文字を取って「HALT」と呼ぶ)。これに加え、睡眠不足や怒りも脳の前頭葉の働きを低下させることで、やめたいことをついやってしまうきっかけになる。

 さらに、失敗のもととなるのは、ほとんどがストレスだ。

「人は空腹になるとストレスを感じますが、それを打ち消すために快楽中枢を刺激しようとして行動をします。そして何か口に入れた時にそのストレスが消えて幸せを感じたら、脳は〝あ、空腹という苦しみは食べることで消えるんだ〟と学ぶのです。今の世の中は、そうした快楽中枢を刺激するスイッチがあふれています。コンビニ、スマホ、パチンコ店など、手を伸ばせばすぐ押せる快楽のスイッチだらけ。だから少しでもストレスを感じたら、手軽に快楽を手に入れて、ストレスを消せばいいと思うようになったのです」

ゾンビ習慣

 ただ、手に入れるとすぐ心地よさや興奮が味わえ、やみつきになるものは、同時にすぐ消えるもので、心の幸福にはつながらない。

「快楽は積み重なっても心を満たす、つまり幸福貯金が増えることはありません。感じてはすぐ消えるので貯金にならず、いつも足らないという感覚になる。まるで快楽で借金をしているようなものなのです」

 さらにもうひとつ、ゾンビ習慣には脳の神経伝達ホルモン、ドーパミンも大きく影響している。なぜなら依存行動で分泌されるドーパミンが、瞬間的な高揚感を生み出すから。しかもその効果は短いがゆえに、なおさらやめられなくなるのだ。

ゾンビ習慣 ホルモン愛情ホルモン〝オキシトシン〟とやる気に関わる〝ドーパミン〟。2つの快ホルモンに対し、不安な時に働く不快ホルモン〝コルチゾール〟。この両方を調整する〝セロトニン〟が心の安定をもたらす。

HALT

取材・文/山下あきこ、編集部 イラスト/西谷 久 図版/後藤裕二(ティオ)

たばこ、お酒、暴飲暴食、ゲーム、やめたくてもやめられない「ゾンビ習慣」から抜け出すヒント

誰もが何かしら、『やめたい』と思っているのになかなか『やめられない』悪習慣を持っているもの。その悪習慣をゾンビ習慣と呼び、やみつきさせる脳の仕組みを解明、「エモーションシフト」という新メソッドを用いて、「今度こそ」やめられるコツとワザをわかりやすく解説した新刊が『「やめられない」を「やめる」本 -脱・依存脳-』が話題だ。

『「やめられない」を「やめる」本 -脱・依存脳-』
著/山下あきこ(脳神経内科専門医) 

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自ら実体験した「やめられないをやめる」コツ

著者の山下あきこさんは、25年に渡り、脳神経内科の専門医としてさまざま疾病の診療にあたってきた。扱う疾病や症状は主に脳梗塞や認知症、頭痛、めまい、しびれなど。そして、その多くが、飲酒や喫煙、夜ふかしなど、「やめたいのにやめられない」悪しき生活習慣が原因になっているという。

例えばお酒の飲み過ぎで手足のしびれを起こしたり、食べ過ぎのせい糖尿病になったり、夜あかしが続いて頭痛やめまいを起こしたり……。そうした悪習慣や依存行動が病気をつくっているので、まずはその依存を解決することが、病気の予防や根本的治療になる、というのだ。

「今日からタバコをやめます!」と宣言したのに、その夕方にはタバコを買いに行く。「一週間お酒を飲まない」と決意したのに、3日後にはビールが冷蔵庫に並んでいる……。あなたの周りにそんな人はいないだろうか。実は山下さん自身も10年ほど前は同じだった。

「ところがある時、ひょんなことから禁煙に成功することができたんです。その成功がきっかけとなり次はお酒をやめました。さらにスナックやスイーツを食べる頻度もかなり減りました。さらにさらに早起きが苦手だった私が、毎朝5時に起きるようになったんです。もちろん、あっさり到達できたというわけではありません。とはいえ、ひたすら我慢と根性で頑張ったというわけでありません。私は最初の禁煙で「やめるコツ」を掴んだから、『やめられない』を『やめる』ことができたのです」(山下さん)

こうした自らの体験に加え、豊富な診療経験から得た知見とエビデンスデータを交え、具体的な克服術を指南するのが本書。本書では一度習慣になるとその行動について深く考えず、ただただやり続ける、健康を害しても人間関係が破綻してもやり続けてしまうこの悪習慣を「ゾンビ習慣」と呼び、ゾンビ習慣を撃退するテクニックを実際の診療事例をもとにした10人の依存ストーリーと共にわかりやすく解説する。

「今年こそ、やめたい!」「今年こそ、変わりたい」と思っている方におすすめの1冊だ。先日、山下さんと人気VTuber、犯罪学教室のかなえ先生との対談が行なわれたので、こちらも参考にしていただきたい。

ゾンビ習慣から「今度こそ」抜けだすノウハウが満載

■CONTENTS

◆第1章 人をだめにするやめられない習慣=ゾンビ習慣とは

心と体を蝕む「ゾンビ習慣」/依存の種類 その(1)物質依存/物質依存の代表例(1)〈アルコール〉/(2)〈ニコチン〉/(3)〈甘味料・グルテン・油脂〉/依存の種類 その(2)プロセス依存 

◆第2章 ゾンビ習慣「やめたいのにやめられない」のはなぜ? 

ゾンビ習慣に支配される脳の仕組み/人は「幸福貯金」がなくなると快楽で借金をする/悪習慣にはドーパミンが関係している/感情が習慣を作る/ゾンビ習慣にハマる人、ハマらない人

◆第3章 どうしたらゾンビ習慣から抜け出せる? 

脳ホルモンを利用/悪習慣を良い習慣に置き換える/「エモーションシフト」の新常識と実践

◆第4章 「やめたい習慣」別 依存しにくい脳の作り方と行動例 

ゾンビ習慣にかわる新しい習慣 (1)脱・物質依存 (2)プロセス依存 (3)すべての依存

◆第5章 ゾンビ習慣=「依存」脱却で待ち受ける未来 

新しい習慣を身につけて自分を好きになる/自分が変わると周りも変わる/新しい習慣を定着させる技術

◆COLUMN  Dr.あきこの依存診察室  様々な依存に悩む10人のストーリー

 

PROFILE
医学博士、内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医
山下あきこさん
1974年佐賀県生まれ。1999年川崎医科大学卒業、福岡大学病院脳神経内科を経て、米フロリダ州メイヨークリニック留学。佐賀県如水会今村病院勤務。人々が健康づくりを楽しむ社会を目指し、2016年、(株)マインドフルヘルスを設立。アンチエイジング医学、脳科学、マインドフルネス、コーチングを取り入れたセミナー、企業研修、健康コンサルティング等を行う。著書に『やせる呼吸』(二見書房)、『こうすれば、夜中に目覚めずぐっすり眠れる』(共栄書房)、『死ぬまで若々しく元気に生きるための賢い食べ方』(あさ出版)、『悪習慣の罠』(扶桑社)。

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