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10代後半の生成AI利用経験率が5割まで上昇、真偽や信頼性の確認が疎かになるリスクも

2024.04.05

2023年は生成AIが急速に普及した1年であった。今後も生成AIをはじめとするテクノロジーの進化と広がりはさらに加速し、私たちの生活や仕事のやり方も変わっていくことが予想される。

一方でAIの活用には社会に負の影響をもたらす懸念も存在し、さまざまな議論が継続的に行われている。

リクルートは、全国約1万人の生活者を対象に「よのなか調査(生活者編)」を実施。今回の調査では生成AIの普及状況や利用頻度、情報の真偽や信頼性の確認、事業者への個人情報提供など、生活者のテクノロジーに関する関心や意識の変化についてまとめたので、詳細をお伝えしよう。

生成AIの利用経験率は若年層ほど高い、一方で真偽や信頼性の確認がおろそかになる傾向も

テキスト型生成AIサービス(ChatGPT、Microsoft Bing AI*、LINE AIチャットくん、など)の利用頻度は三大都市圏とそれ以外の地方で大きな違いは見られなかった。
* Microsoft Bing AI:現Microsoft Copilot

「日常的に利用している」「月1回以上は利用している」「過去1回以上は利用したことがある」の合計値は、三大都市圏とそれ以外の地方でそれぞれ21.4%、18.3%となっており、短期間で全国的に普及しつつある状況にあるようだ。

▼あなたは生成AIサービスを利用したことがありますか

テキスト型生成AIサービスの利用経験者の割合は若い年代ほど高く、特に10代後半は既に5割に近づいている。ちなみに10代後半のうち2割以上が「日常的に利用している」または「月1回以上は利用している」と回答していた。

▼あなたは以下の生成AIサービスを利用したことがありますか

おすすめ(レコメンド)機能の参照意向については、全てのカテゴリで上昇傾向が見られる。病院・クリニックや旅行先、飲食店などでは相対的に高い傾向があるが、交際相手・結婚相手の項目では低い。

▼あなたは以下の項目を選ぶときに、さまざまなデータをもとにしたおすすめ機能を参考にしたいと思いますか

「複数の情報を比較して、真偽を確かめること」「情報の発信元が信頼できる人・メディアなのかを確認すること」などの情報の真偽と信頼性を確認する意識については、10代後半で高く20代になると大きく低下、その後年代が上がるにつれて上昇していく。

全体的に意識すべきという割合は低下傾向にあるが、特に元々意識が高かった10代後半に関しては両方の項目で大きな低下を見せている。

▼あなたは、情報収集をするときに、以下のようなことをやるべきだと思いますか

おすすめ(レコメンド)機能を「参考にしたい」「やや参考にしたい」という人の中でより参考になるおすすめ情報を得るために「氏名、連絡先(メールアドレス、電話番号)、住所」といった個人情報を事業者側に提供しても良いという人の割合は全体的にやや減少傾向にある。

唯一、交際相手・結婚相手のカテゴリだけは個人情報の提供意向が若干上昇していた。

▼より参考になるおすすめ情報を得るために、あなたが事業者に提供しても良いと思うご自身の情報はどれですか

調査概要
調査名:よのなか調査(生活者編)
調査目的:多様化する生活者の実態を理解する
調査方法:インターネット調査
調査委託先:株式会社マクロミル(マクロミル保有の調査モニターを対象に実査)
調査対象:全国の15~69歳の生活者10,352人(2022年調査)、全国の15~69歳の生活者10,358人(2023年調査)

■リクルート 調査室長である岩下 直司氏の解説:「生成AI普及期は情報の真偽や信頼性の確認がより重要に」

生成AIの利用は年代的な差はあるものの、急速に全国に広まっています。今後は今まで以上に情報の真偽や信頼性を確認する意識、また、個人情報を管理する意識が重要になると考えられます。

今回の調査結果を見ると、おすすめ(レコメンド)機能の参照意向がさまざまなカテゴリで高まっています。

一方で、情報の真偽や信頼性を確認する意識については、全体的に低下傾向で、特に生成AIの利用経験率がすでに5割近い10代後半で元々は高かった意識の低下傾向が大きいのは今後の懸念材料と考えられます。

また、個人情報の事業者への提供については慎重な意識が高まっています。全体の状況を見ると現在は新たなテクノロジーの利便性への期待感と警戒心が入り交じった過渡期という印象を受けます。

AIをはじめとする先端的なテクノロジーを活用する企業は今後も生活者の意識と行動の動向を見極めて適切なサービス提供を行う慎重な姿勢が求められると思います。

関連情報
https://www.recruit.co.jp/

構成/Ara

プログラミング脳が育つ!スタンフォードでAIを学ぶ医師が作った暗算ドリルが人気

「VUCA」というビジネス用語がある。変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を指す英単語の頭文字をとった造語で、AIなどの社会実装によってビジネス環境が大きく変化していることを示す。この予測困難な社会の到来を見据えて2020年3月、文部科学省は学習指導要領「生きる力」を公示。これを機に、中学受験算数の難化が囁かれるようになった。

 中学受験は、受験者数が増加傾向にあるなど、競争激化の渦中にあるもののひとつだ。そして高まる受験熱は、新たなトレンドを生んだ。2ケタ同士のかけ算で使える、暗算ドリルが続々登場しているのだ。そんな数ある暗算ドリルのなかで大きな話題を呼んでいるのが、小学生向けの暗算ドリル『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』だ。

『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』
岩波邦明・著 

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『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』では、この本で初出となる「あゆみ算」を扱っている。「あゆみ算」とは、最先端のAIを学ぶ現役スタンフォード生でもある岩波邦明医師が独自に考案した画期的な暗算法のこと。東京大学医学部在学中に開発・出版し、累計発行部数66万部のベストセラーを誇る『岩波メソッド ゴースト暗算』から、およそ12年の歳月を経て開発した最新メソッドだ。

 最新メソッド「あゆみ算」では、脳のワーキングメモリに着目している。計算する際に頭の中で扱う数字の数を減らすことで、2ケタ×2ケタの暗算を簡便化。筆算よりも速くかつ正確に2ケタ同士のかけ算が暗算できるだけでなく、「最短の工程で暗算できるから、誰でも簡単にマスターできる」「問題を解くたびに情報処理能力(プログラミング脳)がグングン育つ」など、さまざまなメリットがあるという。

 どうして岩波医師は新たな暗算メソッドを開発したのか? そのきっかけは、スタンフォード大の大学院コースで最先端のAIを学ぶ中で「AI開発に数学が不可欠」という確信を得たことにあると話す。

スタンフォード大学で医療用AIの開発に挑む

岩波邦明さん/医師・現役スタンフォード生。1987年生まれ。東京大学医学部卒。在学中に暗算法「岩波メソッド ゴースト暗算」を開発。著書は66万部を超えるベストセラーに。

――岩波先生は現在、スタンフォード大学でAIの勉強をしています。医師でありながらAIを学ぶ理由をお聞かせください。

 2022年11月、オープンAI社が生成AIのChatGPTを公開し、世界中に衝撃を与えました。私も衝撃を受けたひとりで、大きな衝撃を受けたと同時に、生成AIの世界に興味が湧いたのです。
 翌年2月頃からプログラム言語やAIの勉強を始め、現在はスタンフォード生として大学院コースを受講しています。

――最新のAIについて勉強するなかで、気づきがあったそうですね。

 はい。生成AIは100%数学でできていると言っても過言ではない。そんな確信を得ました。高校数学の分野でいうと、微分や確率、ベクトルですね。数学が生成AI開発の根幹部を支えているのです。
「数学を勉強しても将来、何の役にも立たない」という言葉をよく聞きますが、数学は世界の最前線を切り開くために必須な知識だと改めて気づきました。

――「生成AIが数学でできている」とはどういうことでしょうか?

 例えば、ChatGPTはどうやって回答を導き出すのでしょうか。
「今日の天気は?」という質問に、天気に対応する言葉群から答えを選んでいると考える人は多いと思いますが、実際は違います。

 確かに昔はそのようなプログラムだったこともあります。しかし現在の生成AIは、数式によって確率的に最も正しい〝らしい〞ものを選んでいるのです。

 開発のステージでは、この回答の精度を向上させるために、微分を用いて数十億、多いときには数千億ものパラメーターを調整しているのです。この調整によって、いわゆるAIの賢さが決まります。

――数式で導き出すということは生成AIに学習させる段階で、数字で学習させるのでしょうか?

 そのとおりです。生成AIのひとつであるChatGPTは〝言語〞ではなく言語を〝数字〞に置き換えてデータを蓄積します。そのおかげで生成AIは、それぞれの言語モデルを習得させる必要がなくなります。ChatGPTが英語だけでなく日本語やほかの言語でも高い性
能を発揮できるのは、それが理由のひとつだと考えられます。

――先生はAIを勉強した先に、どのようなビジョンを思い描いているのでしょうか?

 医療用の生成AIを開発したいと思っています。例えば、医療画像を生成するAIです。X線写真を学習させた画像生成AIがあれば診療、研究、教育など多分野で活用できるようになるでしょう。自閉症の人たちをサポートする対話型AIの開発も考えています。ジョブインタビュー(就職面接)の練習やアドバイスをしてくれるAIがあれば、自閉症の方々の生活を大きく助けることができるでしょうし、そういった医師という仕事に直結する生成AIの開発ができればと、精進しています。

『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』では、2ケタ同士のかけ算全8100パターンに対応する新しい暗算法「あゆみ算」ほか、6つの暗算法「ラッキーあゆみ算」を収録している。

 

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