コンパクトサイズでトルクも太く、街中でもスポーティに乗れる
1.5Lのディーゼルターボエンジンを始動させると、若干の振動とガラガラ音を発しながらアイドリング開始。シフトをDにして、走り出す。ドライブモードはスポーツ/ノーマル/エコ/砂地/泥ねい地/雪の各モードが選択できる。ノーマルモードでのハンドリングは軽快で、先代より車重は50kg重くなったが、出力の数値は変わらず、トルクのみ70Nm強化された結果がどのようなことか知りたかった。
結論として、動力性能は0→100km/hの加速でも、ディーゼル搭載で約1.5秒ほど遅くなった。動力性能はガソリン時代のほうが上だった。ノーマルモードでのハンドリングはガソリンモデルだった先代と比べて、最新モデルのほうが若干、ストレートでの直進性の強さが感じられた。これはガソリンエンジンとディーゼルエンジンでこの重さも関係しているのかもしれない。この動きの原因としては、ややフロントへ荷重のかかり方がディーゼルのほうが重いためだろう。
ちなみに今回の試乗車は、グッドイヤーの「エフィシエントグリップ」を装着していたが、このタイヤもファミリー用として評価の高いタイヤであることを付け加えておきたい。乗り心地もノーマルモードは低速域でのザラつきも少なく、60km/h巡航では路面の大きな凹凸に大きめに反応していたが、安定感はあった。スポーツモードを選択すると、2000回転からのアクセルレスポンスも俊敏になり、トルクも太くなり、乗り心地も上下動が少なく、締まった感じの乗り味に変化する感じだ。
後席や荷室は基本的には「CROSSBACK」時代と同じ。後席はやや高めの着座位置で、座面は後ろが沈みこみ、ヘッドスペースを稼いでいる。足元は座面中央のトンネルがあり、身長165cmの2人掛けが快適定員の限界だ。ドアウインドウは、前方がせり上がり、視界がやや狭いのが気になった。荷室も背もたれは可倒するが、段差があり、フラットにはならない。
結論として、新しくなった「DS3」は、コンパクトサイズでトルクも太く、街中でもスポーティに乗れるおしゃれなクルマだ。使い勝手もいい。あえて弱点を挙げるなら、車両価格。コンパクトカーとはいえ高額。車両本体価格が509万円となると、ハードルが高いと言わざるを得ない。
■関連情報
https://www.dsautomobiles.jp/models/ds3.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博