森ビルとKDDIは、新たな都市体験やコンテンツを創出する「TOKYO NODE LAB」の共創プロジェクトとして、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの情報発信拠点「TOKYO NODE」の「TOKYO NODE HALL」に、常設のデジタルツイン「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au」を共同で開発。2024年3月28日から運用を開始した。
「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au」イメージ
「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au」誕生の背景
新型コロナウイルス感染症の流行と収束を経て、アーティストと観客が同じ時間と空間で熱狂を共有する音楽ライブやファンミーティングなどの価値が再認識されている。
また近年では、リアル空間にデジタルレイヤーを重ねた表現を実現するXRテクノロジーの発展が目ざましく、新たな表現やコンテンツが多数生み出されてきた。
一方、イベントスペースには元来、収容人数に上限があることに加え、移動の時間や手段を要するなど、さまざまな障壁があった。
リアルの空間やものをデジタル空間に精細に再現した本デジタルツインホールでは、リアルの会場のキャパシティを拡張、遠隔地からもイベントに参加できるほか、リアル会場では物理的にできない演出が可能となる。
本デジタルツインホールを運用することで、TOKYO NODE HALLでは、デジタルとリアルの2つの会場の映像/音響/照明などの空間演出を同期させ、各会場のスクリーンには互いの映像を映し出すことにより、疑似的に360度の客席、1つの空間を創り出す。
それにより、デジタル空間ではリアル会場にいるかのような体感を得ることができ、リアル会場ではデジタル空間ならではの演出体験が実現。
これらの熱狂を拡張して、音楽ライブやファンミーティング、ビジネスカンファレンスに、これまでにない新たな体験を提供していく。
「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au」の主な特徴
■リアル会場の面積や人数、立地の制限をXRで拡張
イベントスペースには元来、空間の制約がある以上、収容人数に上限があり、移動時間や手段を要するなど、来場までにさまざまなハードルがあった。
そこで、XRテクノロジーを活用して、リアル空間であるイベントスペースを拡張するために、本プロジェクトは始動。
本デジタルツインホールでは、デジタル上でイベントに参加される人にも、あたかもリアル会場でイベントに参加しているかのような体験を提供することを目指す。
また、現地にいるアーティストや観客は、スクリーンなどを介して遠隔のユーザーとのつながりを感じることができるため、従来のリアル会場で感じられる以上の一体感や熱狂を得ることが可能となる。
■映像/音響/照明などの空間連動によりデジタルとリアルが融合した体験を提供
<リアル会場+デジタルツイン会場〜お互いの会場からリアクションを共有できる>
リアル会場のスクリーンには、デジタルツイン会場から参加する人たちがアバターとして投影され、デジタルツイン会場のスクリーンには、リアル会場から参加する人たちの映像が投影される。さらにアバターのリアクションを可視化することで、リアルとデジタル両方の盛り上がりを融合。
<デジタルツイン会場〜照明の色や動きをデジタルに連動>
リアル会場の照明の動きや色に、デジタルツイン会場内の照明が連動し、照明を使用した空間演出をデジタル上でも再現できる。
<デジタルツイン会場〜出演者の3Dスキャン映像で立体感ある体験>
リアル会場の様子を映像で視聴できるだけでなく、出演者の3Dスキャンモデルを楽しめる。デジタルのステージ上に出演者が立っているかのような体験が可能。
360度の客席で1つの空間を創る
■常設運用で低コストにデジタルツイン体験を提供可能
本デジタルツインホールは、TOKYO NODE HALLに常設される。都度の会場CG制作が不要なため、従来よりも低コストでデジタルツインのイベントを実施可能できる。
さらに、従来必要とされていた専用アプリなどは不要で、ウェブブラウザー上で高精細な映像体験を提供できるため、視聴者の視聴障壁を下げている。
また運用コストを抑えたステージ演出から、高精細な3D CGを使用したデジタル空間構築まで、コンテンツ品質を柔軟に変更できるため、エンターテインメントやカンファレンスなど多用途で利用が可能だ。
■TOKYO NODEについて
2023年10月6日に開業した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の最上部に位置するTOKYO NODE。イベントホール、ギャラリー、レストラン、ルーフトップガーデンなどが複合する、約1万平方mの新たな情報発信拠点だ。
施設内には、ミシュランで星を獲得したシェフによるレストランや、イノべーティブなプレイヤーが集まり共同研究を行う「TOKYO NODE LAB」も併設。
NODE=結節点という名のとおり、ビジネス、アート、テクノロジー、エンターテインメントなどあらゆる領域を超えて、新たなものを生み出し、世界に発信していく舞台となっている。
関連情報
https://www.tokyonode.jp/lab/projects/digitaltwinhall/index.html
構成/清水眞希