視聴して思い出したオーディオの面白さ
音は岩田さんのお墨付き、インテリアとしても申し分ない。とはいえ聴かずして購入には至らない。インポーターに試聴を申し込み、一番音のいいレッド・ツェッペリンと僕が信じる、USマトC/PR工場の『Ⅰ』A面1曲目「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」を聴く(このレコードについてはこちらを参照)。低音(ベース)は僕のスピーカーより、間違いなく出ている。だがトータルでは圧倒的な差とは思えない。
ペルソナ3Fの価格は、ペアで税込198万円だ。輸入オーディオはこの円安で、近年20~30%の値上げが目立つ。ところがペルソナは、どのグレードも1ドル100円台後半だった2019年輸入開始ながら値上げはなく、お買い得ブランドと言える。 LINNのAKUBARIK購入時も1ドル約110円だから、ペルソナ3FはAKUBARIKのおよそ1.4倍の価格となる。ならば圧倒的な音の差が欲しい。ここである“金言”を思い出した。『FMレコパル』編集部在籍時、レコパル創刊の立役者たるオーディオ愛好家の上司が、「10万円のシステム(当時はこれでスピーカー、アンプ、プレーヤーが揃った)を100万円にすると、驚くほど音が良くなる。100万円を200万円にすると、ちょっと良くなる。ここがオーディオの面白いところだ」と言っていた。当時は何のことかわからなかったが、こういうことなのだろうか。
いやいや、大幅な音のグレード・アップを望みたい。インポーター氏から、設置場所や使用アンプに合うスピーカー・ケーブルを使うことにより、見違える(いや、聴き違える?)くらい音が良くなるとアドバイスされる。そういえば岩田さんのスピーカー・ケーブルは、1m5万円級だった。そこまではとてもと思いつつ、ペルソナのカタログを見ると……。
“PERSONA CUSTOM”なる、キャビネットの色を選べるオプションが紹介され、写真が一番大きい緑色のキャピネットに目を奪われた。緑は我が家のテーマ・カラーだ。ソファは深い緑色、僕の腕時計の風防ガラスは薄いグリーン、妻の一番好きな色は緑。買い替え欲の原因その1、インテリアの一新に適う。
カラー・サンプルを見ると、グリーン系はヴィリディアン・グロスとブリティッシュレーシンググリーン・メタリックの2種類がある。ブリティッシュ・ロック派の僕は、迷わず後者を選ぶ。というわけではなく、後者の方が緑が深いのでソファとのマッチングが良く、インテリア性がより高いと判断したからだ。キャビネット以外に、フロントバッフル、音響レンズ、ドライバーコーン、スピーカーベースも、ブラックまたはシルバーを選べる。ウエブ上でできるカラー・シミュレーションを利用し、画像のようなコーディネートとした。なんと、美しい!
音の方は岩田さんとインポーター氏の言を信じて、発注と相なった。と、ここまでは注文した1月中旬の記述で、ここから先は納品されてから書くとしよう。
文/斎藤好一