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人気ブックデザイナーに聞く本の魅力を引き出すデザインのつくり方

2024.03.31

2009年9月以来、X(旧Twitter)への「あるあるネタ」投稿をほぼ毎日続けている、お笑い芸人のつぶやきシローさん。先月末には、約15年の「つぶやき」からセレクトしたものをまとめた本が発売に。今回はその個性的なブックデザインの秘密に迫る。

祖父江 慎+志間かれん祖父江 慎+志間かれん
祖父江慎さん。アート・ディレクターとして活躍。日本のブックデザインの最前線を走り、代表を務めるコズフィッシュで活躍中。左はスタッフの志間かれんさん。

「あるあるネタ」を15年間ほぼ毎日投稿!つぶやきシローさんがつぶやき続ける理由

2009年9月以来、X(旧Twitter)への「あるあるネタ」投稿をほぼ毎日続けている、お笑い芸人のつぶやきシローさん。先月末には、約15年の「つぶやき」からセ...

「デザインの余白はつぶやきさんの立ち位置そのもの」

 デザインを手がけたのは、独自の世界観で数々の話題作を手がけるブックデザイナーの祖父江慎さん。自らが率いるデザインオフィスのメンバー・志間かれんさんとタッグを組んだ。

「つぶやきさんはものすごく〝素〟な人。変におもしろがらせようとせず、普通に感じたことを普通に言う。ひねらないところがすごい。Xをやっているのに、情報に対して非積極的なところもすごくおもしろいと思いました」(祖父江さん)

 インプットに前のめりではなく、自分の視点で淡々と。その姿は、志間さんの目にも新鮮に映ったようだ。

「映画も見ないし、漫画も小説も読まないと聞いて、本当に〝素〟のまなざしから生まれるつぶやきなんだなと感じました」(志間さん)

 デザインは、そういったつぶやきさんらしさも存分に反映して構築されている。

「表紙や『はじめに』以外の本編は、センターに文字を配置していません。つぶやきさんはど真ん中にはいない人だと思ったからです」(祖父江さん)。なるほど、確かに本人も、『小中高と、いつもクラスの中で人気者にはなれないタイプだった』と語っている。文字の配置は、つぶやきさんの立ち位置そのものなのだ。

 また、Xというメディアの特性も、デザインを考えるうえで大切にしたという。

「文章がサラッと読めてしまうと、Xらしくないなと思いました。ひとつひとつの読みやすさは大事ですが、あっちに行ったりこっちに行ったりして着く感じがXっぽいと思って、意識して構成しています」(祖父江さん)

 つぶやきシローという芸人とXの親和性を表現したようなデザインに注目だ。

つぶやきシローさん

『リモコンの電池を換えてて、ちょっとでもテレビに気を取られると、あれ?新しい電池どっちだっけってなるね。』

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こだわりPOINT_01
紙は1冊通して同じものを、厚さだけ変えて

こだわりPOINT_01「つぶやきさんは『無駄に飾らない』ことを大事にしていると感じたので、同じ上質紙で通しました」(祖父江さん)。表紙、見返し、「はじめに」、本編と、少しずつ厚さを変えている。

こだわりPOINT_02
カバーには〝ひっそりと〟箔押しを

こだわりPOINT_02同色なので気づきにくいが、表紙には一部分に箔押しが施されている。「箔を押したいと伝えたら、『金とか銀とかは嫌かな……』とご本人から。〝らしい〟ですよね」(志間さん)

こだわりPOINT_03
文字組みにも著者の〝素〟を反映して

こだわりPOINT_03投稿は右端、追いつぶやきは左側で、センターの余白は残して配置。「つぶやきさんの立ち位置は端っこ。投稿時間にも彼の葛藤が表われているから、日時も入れてます」(祖父江さん)

取材・文/坂本祥子 撮影/タナカヨシトモ

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