「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げるパーソルホールディングスから、「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」が公開された。
本稿では同調査より、「プライベート」を切り口にしたデータをお伝えしていく。
平日のプライベート時間は全体平均で約3.1時間
平日のプライベート時間について、全体平均は約3.1時間で、男性は約3.2時間、女性は約3.0時間という結果が得られた。また、年代別にみると10代が最も多く4.6時間、40代と50代が最も少なく2.9時間だった。
■年収別でのプライベートに対する満足度
年収別のプライベートに関する意識について、「あなたは現在、プライベートの生活にどの程度満足していますか」という質問に「満足」と答えた割合は年収1500万円~2000万円未満が72.1%で最も高かった。
なお、「満足」と回答した割合は、年収200万円~300万円未満以降は年収が上がるにつれて上昇傾向にあったが、2000万円以上では64.4%と低下した。
■年代別でのプライベートに対する満足度
年代別のプライベートに関する意識について、「あなたは現在、プライベートの生活にどの程度満足していますか」という質問に「満足」と答えた割合は10代が71.6%で最も高く、40代が48.8%で最も低かった。
■年代別での有給休暇利用状況
有給休暇の利用状況について、「病気にかかった時」「通院するため」「冠婚葬祭のため」に使う人はミドル・シニア層に多く、「自分の誕生日や記念日のため」「家族の誕生日や記念日のため」「趣味のため」と答えた割合は若年層が多かった。
調査結果の考察
<パーソル総合研究所 研究員 金本 麻里 氏>
調査結果から、就業者のプライベートに対する満足度の年代差や年収差が浮かび上がった。20代や年収800万円以上の就業者は、プライベートの満足度が高い傾向がある。プライベートの満足感を高める要因は、サードプレイスの存在などが指摘される※が多岐にわたり、一般的に時間とお金の影響は大きいと考えられる。
独身世帯の多い若年層は、プライベートで自分の自由な時間を多く持てている傾向がみられた。どのような時に有給休暇を取得するかをみると、若手就業者ほど「自分の誕生日や記念日のため」「家族の誕生日や記念日のため」「趣味のため」と答える傾向がある。
一方、30代以降になると病気や用事などが多くなる。休暇取得に対する世代間の価値観の違いも影響していそうだが、プライベートを楽しむ時間的な余裕が、若年層のプライベートの満足感の高さにつながっていることが見てとれる。
他方で、年収800万円以上でプライベートの満足度が高い理由は、時間ではないようだ。年収が高まるほど自分の時間は緩やかに減少する傾向がある。時間の余裕は少ないが、お金の余裕がある場合、プライベートを充実させることができ、満足度の高さにつながっていると考えられる。
調査概要
調査方法/オンライン
調査時期/2023年3月
調査対象/15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人
調査人数/10万人
関連情報
https://data.persol-group.co.jp/
構成/清水眞希