日米とも賃金とインフレが焦点、金融政策と市場の方向性を左右するため、丁寧な見極めが必要
日銀の「利上げ」、FRBの「利下げ」、この流れが進めば、10年国債利回りは日本で上昇、米国で低下、ドル円は日米金利差縮小からドル安・円高の進行が見込まれる(図表2)。
ただ、弊社は日銀の利上げは年内行われず、FRBの利下げは年内2回とみているため、ドル安・円高の動きは限定的なものとなり、また、日米とも金融政策に波乱がない限り、株価は年内底堅い推移が続くとみられる。
日銀の次の一手は、実質賃金の前年同月比の伸びがプラスに転じ、2%のインフレが安定的に続くか否かが焦点で、FRBの次の一手は、雇用の伸びとインフレが緩やかに鈍化するか否かが焦点と考えられる。
つまり、日米とも賃金とインフレが重要な要素であり、その動向は金融政策と市場の方向性を大きく左右するため、この先はいっそう丁寧な見極めが必要と思われる。
関連情報
https://www.smd-am.co.jp/
構成/清水眞希