メルセデス・ベンツが助手席一体型のディスプレイを採用した新型「E300 Exclusive」セダン/ステーションワゴンを発売
2024.03.29メルセデス・ベンツ日本は、新型Eクラスに「E300 Exclusive(ISG 搭載モデル)」(セダン/ステーションワゴン)を追加し、2024年3月22日より販売を開始した。
このEクラスは、世界で累計1,600万台以上の販売台数を誇るメルセデス・ベンツの中核をなすモデルであり、1946年に発表されたW136型以来、常に時代に先駆けて革新的な技術を採り入れ、世界のプレミアムセダンの指標とされてきた。
新型Eクラスは、パワートレインを全てのモデルで電動化するとともに、ナッパレザーで仕立てた高級感のある内装に加え、センターディスプレイと助手席ディスプレイを一体型にしたMBUXスーパースクリーン、サードパーティ製のアプリケーションも使うことができる最新世代のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)など、機能性と快適性を大きく向上し、デザインを一新して生まれ変わった。
スポーティさを強調するデザイン
このE300は、新型Eクラスで唯一ボンネットのスリーポインテッドスターマスコットと、3本のルーバーを備えたラジエーターグリルが印象的な、専用フロントデザインのエクスクルーシブラインを設定したモデル。また、夜間や夕暮れなどでラジエーターグリルが白く光るイルミネーテッドラジエーターグリルを標準装備している。これはサイドライトの機能を拡張したもので、上下2本のファイバーバンドルは細いガラス繊維1,000本以上で構成されている。
なお、オプション設定のAMGラインパッケージを選択すると、3Dデザインかつ中央のスリーポインテッドスターがグリルに一体化しているフロントグリルやシングルルーバー、周囲を縁取るクロームサラウンドなどが特徴的なフロントマスクになる。
そしてサイドビューは、調和の取れたプロポーションに、メルセデス・ベンツのラグジュアリーモデルに採用されている格納型のドアハンドルを採用。キーを持った人が近づくことによって、ボディ面から自動でせり出すこのドアハンドルは、通常時はボディ面に格納されており、シンプルでクリーンな面を際立たせる。万が一の事故の場合などには自動でせり出すことで、従来どおり、強い力で外部から引っ張り、ドアを開けることができる安全性も継承されている。
サイドを別々に走る2本のキャラクターラインは、新型Eクラスのスポーティ性を強調するデザインで、精巧にデザインされた曲面形状の効果を最大限に引き出している。デザインチームは「Sensual Purity(官能的純粋)」のデザイン基本思想を踏まえ、独特な光の戯れを演出する立体的で彫刻のような造形を生み出した。なお、クロームトリムは控えめに、そしてスタイリッシュに配置されている。
またリアで特徴的な部分として、ツーピース型LED リアコンビネーションランプが挙げられる。デイデザイン、ナイトデザインのいずれも、スリーポインテッドスターのモチーフが採用された、特別なデザインとなっている。さらに左右のリアコンビネーションランプは、中央でつながったデザインにより、ワイドなリアエンドを強調している。リアエッジ部のクロームトリムも同様の効果をもたらすものとなる。
助手席一体型のディスプレイ「MBUXスーパースクリーン」を設定
インテリアで特徴的なのは、ダッシュボード中央まで伸びた大きなトリムパネル。外観上独立しているセンターディスプレイは、このトリムのくぼんだ表面上に浮かんでいるように見える。オプション設定の「MBUX スーパースクリーン」(助手席一体型ディスプレイ)を搭載している場合、大型ガラス面がセンターから助手席まで広がるデザインとなる。そしてカバーガラスは、輪郭がダイナミックにデザインされている。ガラス面の上側の輪郭に沿ってエアアウトレットの細長いノズルバンドが納められており、キャビン中央と左右両脇のエアアウトレットをつないで一体化されている。
センターコンソールは、ダッシュボード下部まで直線的に伸びて融合。前部は、カップホルダーを備えたカバー付きの小物入れが立体形状のトリムに一体化されている。後部には、パッド入りアームレストが設けられており、その下の小物入れにはUSBポートが設置されている。
またドアセンターパネルが曲面を描きながら滑らかに流れ込むドアアームレストは、グラブハンドルやドアを閉めるグリップともなるほか、パワーウインドウのスイッチが配置されている。さらにもう1つのハイライトとなっているのが、宙に浮いているように見えるスイッチパネルで、ここにはドアレバーとパワーシートの操作スイッチが組み込まれている。
シートについては、座面とバックレストの表面の形状が内側から外側へと優美に流れ、そのレイヤーデザインのためにシートの本体から浮いているように見える。そして縦方向のラインが外側の輪郭に沿って伸び、上に向けて幅を増していく。
この部分でインテリアデザイナーが連想したのは、貝殻の有機的な美しさ。標準設定のレザーARTICO仕様では、シートは各パネルに精緻な縦方向のうねを形作る仕上げが施される。レザーエクスクルーシブパッケージ選択時の本革(ナッパレザー)シートは、キルティングとパーフォレーションを施したシートの形をなぞるダイヤモンドステッチとなり室内の高級感を高める。また、レザーエクスクルーシブパッケージには、シートヒーター機能とシートベンチレーター機能(運転席・助手席)が含まれ、より快適なドライブを楽しむことが可能となっている。
なお、AMG ラインパッケージを選択すると、レザーARTICO/MICROCUT(スウェード調ファブリック)を使用したシートになり、レザーエクスクルーシブパッケージも同時装着すると本革(ナッパレザー)シートになる。
AIRMATICサスペンションやリア・アクスルステアリングを標準装備
E300は、エンジン単体で258PS(190kW)、400Nm を発生する、新型の2.0リッター直列4気筒ターボエンジン「M254」を搭載している。エンジンとトランスミッションの間に配置される電気モーターのISGによって、短時間、最大で23PS(17kW)、205Nm のブーストが可能となっている。
なお、トランスミッションは「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」を採用している。1速から9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、優れたエネルギー効率と快適性を実現している。
さらに連続可変ダンピングシステムADS+とエアサスペンションを組み合わせたAIRMATICを標準装備し、走行時に高い快適性を提供。AIRMATICによるセルフレベリング機構は、乗員や荷物の重さに関係なく地上高を一定に保つもので、必要に応じて変化もさせる。
また従来から、メルセデス・ベンツは高い小回り性能が美点であったが、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することで、その点がさらに進化。約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾ける。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には回転半径が小さくなるため、クルマが扱いやすくなる。
約60km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大2.5度操舵することで、走行安定性を大きく高める。従来のメルセデスの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性や、優れたハンドリングも並立させている。なお、E300セダンの最小回転半径は5.0mを実現している。(E300 ステーションワゴンの最小回転半径は5.4m)
【メーカー希望小売価格】
E300 エクスクルーシブ(ISG搭載モデ) 11,260,000円(税込)
E300 ステーションワゴン エクスクルーシブ(ISG搭載モデ) 11,390,000円(税込)
関連情報:https://www.mercedes-benz.co.jp/
構成/土屋嘉久