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KDDIほか4事業者が累計1億人が参加するオープンメタバースネットワークを発足、普及の起爆剤となるか?

2024.03.25

現実世界にバーチャルの世界を投影する「AR」や、360度の仮想空間を楽しめる「VR」を含め、ここ数年は〝メタバース〟というワードこそよく耳にするようになったものの、いまだに試したことがない人、どのサービスを試すべきかわからないという人も多いはずです。

実はこの課題は、メタバースを事業に活用しようと試みる企業や自治体にも共通しています。

加えて事業としてメタバースを活用する場合、「複数のプラットフォームで幅広いユーザーにアプローチしたい」「イベントごとにゼロから作るとコストが増える」といった難しさもあります。

そんな中、2020年に国内初となる、自治体公認のメタバース「バーチャル渋谷」を皮切りに、精力的にメタバース事業に取り組んでいるKDDIが、同じくメタバースを手掛ける3社と協業し、複数のプラットフォームが連携する「オープンメタバースネットワーク」の発足を発表しました。

多数のプラットフォーム間でシームレスに行き来できるようになることで、ユーザーとしての楽しみ方が広がるのはもちろん、事業者としても展開力の強化、コスト削減といったメリットが生まれるので、これからメタバース普及の足掛かりとなる可能性も。では、その内容について詳しく見ていきましょう。

メタバースの隆盛を匂わせる「オープンメタバースネットワーク」

複数のメタバースプラットフォームを連携させる「オープンメタバースネットワーク」は、基本的に企業や自治体など、メタバースでのサービスの展開やイベント開催を目した事業者向けのアライアンス(提携)です。

具体的には、メタバースを活用する企業や自治体に対して、コンサルティングからコンテンツの作成まで幅広く支援するというもの。

実際、KDDIが手掛けるメタバース事業の受注売上数は、2022年度から2023年度で5倍になっています。メタバース市場は成長傾向にあり、新規参入事業者が増えている一方で、冒頭でも触れた課題が顕在化してきているともいえる状況でしょう。

オープンメタバースネットワークでは、複数のプラットフォームを用意することで、体験やサービスに合わせたプラットフォームの選択、複数のプラットフォームを組み合わせた施策の提案が可能となります。

また、制作物を複数のプラットフォームで流用できるため、コストカットにもつながります。

■メタバースプラットフォーム同士のつながりは課題解決の大いなる一歩

紹介してきた通り、メタバースのプラットフォームを持つ事業者同士が手を組み、シームレスに連携できるようになることで、これまでメタバース活用の新規参入への障害となっていた課題を、一気に解決できる可能性があります。

4つのプラットフォームがシームレスにつながる

また、オープンメタバースネットワークの立ち上げはKDDIを含む4事業者なっていますが、協議を進める中で参加する企業が増えていく可能性もあるとのこと。

現時点で、4事業者の累計参加者数は1億人を超えており、今後新規事業者が参入しやすい環境が整っていけば、さらにユーザーを獲得していく期待感もあるでしょう。

また、複数のプラットフォーマーが協業してつながる事例は、グローバル市場を見てもまだ珍しいとのことで、KDDI 事業創造本部 Web3推進部長の舘林俊平氏は「メタバースの社会実装を日本初で世界に展開していきたい」と話しています。

KDDI 事業創造本部 Web3推進部長 舘林俊平氏

オープンメタバースネットワークを立ち上げる4社とは

オープンメタバースネットワークは、KDDIが事務局、総合窓口を担うアライアンスとなっており、そこにSTYLY、monoAI technology、REALITY XR cloudの3社を加え、メタバースの社会実装を図ります。

KDDIの「αU」は、渋谷や大阪といったリアルな街をメタバース空間に再現し、デジタルツインショッピングや、360度自由視点で楽しめる音楽ライブなどを提供。一方でSTYLYは、ARサービスに強く、現実世界とバーチャル空間を融合させて楽しむサービスを提供しています。

monoAI technologyの「XR CLOUD」は、ブラウザからも参加でき、同時に1000人以上が参加できるメタバース空間、REALITY XR cloudの「REALITY」は、配信者やライバーが多く集まるメタバース空間として、SNSのようにも楽しめるプラットフォームとなっています。

このように、メタバースとひと口に表現しても、プラットフォームごとに特性はさまざま。当然、提供できるサービスやイベントの内容は変わり、そこに集まるユーザーの特徴も変わっていきます。

看板に書かれているロゴから各プラットフォームに移動できる(画面はKDDIのαU)

monoAI technology 代表取締役社長の本城嘉太郎氏も、「(メタバース事業者としてはお互いが)ライバルといえるけれど、特徴がそれぞれ違うので一緒に協力していける」と話しています。

■オープンメタバースネットワークのショーケースイベントも開催

オープンメタバースネットワークは、ショーケースイベントとして「Sakura Virtual Fes」を開催。期間は2024年3月15日~3月31日までとなります。

Sakura Virtual Fesでは、ゲストによるトークイベントや音楽ライブなど、多数のイベントが開催予定。4つのプラットフォームをシームレスに行き来する体験がすぐにできるので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

メタバース新規参入の障壁を取っ払う今後の展開に期待

オープンメタバースネットワークは、企業や自治体がメタバース活用を始めるうえで障壁となる、多くの課題を解決する可能性を持つ事業といえます。

基本的には、企業や自治体に向けたBtoBサービスとなるため、ユーザーとの接点は少ないかもしれませんが、今後多数のプラットフォームをユーザーが気軽に行き来できるようになれば、メタバースの使い勝手、楽しみ方の幅が広がるかもしれません。

また、Z世代やα世代の中には、1日8時間~10時間ほどメタバース空間に滞在し、チャットアプリのように使う人がいるとのこと。

今はまだ普及段階ですが、10年、20年というスパンで見れば、メタバース空間が日常へと溶け込んでいるかもしれません。

メタバースのプラットフォームがシームレスに連携でき、ユーザーにとってもより扱いやすいサービスとなれば、ゲームやSNSだけでなく、ショッピングの仕方、ライブのようなイベントの楽しみ方が大きく変わる可能性もあります。

オープンメタバースネットワークは、現状はまだ限定的といえるメタバース空間を、大きく躍進させる第一歩となり得るかもしれません。

取材・文/佐藤文彦

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