LG gram Linkはネットワーク接続がなくてもファイルの転送ができる!
LG gram Linkでは、接続したデバイスとLG gram間で、簡単にファイルの共有ができます
仕組みとしては、アップルのAirDropや、Android OSで使えるクイック共有(旧ニアバイシェア)に近いものとなっており、Wi-Fiネットワーク環境がなくても使えるのが特徴です。
例えば、スマホで撮影した写真や動画を、その場でLG gramに転送したり、LG gramで作成した資料を、すぐにスマホで確認するといった使い方が可能。
実際に利用すると、ネットワーク環境に依存しないため、伝送速度にムラが出にくい印象。屋外で利用する際にも、スマホのデータ通信を使わずに済むので、小容量のデータプランで契約している人でも、使いやすい機能といえます。
実際に、写真データ約300枚(670MB)のデータ転送を試してみたところ、Androidのクイック共有で約4分、USB3.2のコードで約2分の時間がかかったのに対し、LG gram Linkだと約1分でデータの転送が完了しました。
手元のタイマーで計測。左からクイック共有、有線ケーブル、LG gram Link
状況次第でデータの伝送速度が変わる可能性はありますが、LG gram Linkがかなり優秀なデータ伝送手段であるといえます。データを一度クラウドにアップするといった作業も不要なので、ビジネスシーン、プライベートのどちらでも便利な機能でしょう。
意外と便利なLG gram Linkのミラーリング機能
LG gram Linkでは、PCのディスプレイ上にスマホやタブレットの画面を投影する、ミラーリング機能も利用できます。
サムスンのGalaxyシリーズを、Windowsに初期搭載されているスマホ連携アプリと接続すれば、同用の機能が利用できますが、他メーカーのAndroidスマホや、iPhoneでも画面投影ができるのがポイントでしょう。
スマホの画面がPC上でコントロールでき、キーボードやタッチパッドがそのまま使えるのは便利ですが、スマホのジェスチャーコントロールをタッチパッドで行うのはなかなか難しく、細かな操作には向かないと感じています。
また、LG gram Linkには、スマホやタブレットと接続し、PCのキーボードやマウスを共有する機能が搭載されています。コピー&ペーストの共有などもできるため、個人的には、ミラーリングよりもこちらのほうが、汎用性が高く感じています。
ハードウエア、ソフトウエアの両面がブラッシュアップされた最新LG gram
冒頭でも触れた通り、従来のLG gramシリーズは軽量さや大画面といったハードウエア面に特徴を持っていた一方、ソフトウエア面に際立った特色はなく、純粋なWindows PCに近い印象もありました。
今回も薄型軽量、大画面というLG gramシリーズの特徴はしっかりと踏襲されている
2024年モデルでは、AI性能の高いCore Ultraチップを搭載し、ソフトウエア面を大きく強化。特に今回紹介したLG gram Linkは、PCをスマホやタブレットとの親和性を高めることで、PCの使い方が大きく変わる進化といえます。
LGは2021年にスマホ事業から撤退しています。撤退自体は残念なニュースではありますが、これによりOSの垣根を超えた連携機能が生まれているというとらえ方もできるでしょう。
スマホは、今や生活必需品といえるアイテムになっており、PCよりも触っている時間が長いという人が多いはず。そんな中、LG gramの進化の方向にはかなり納得感があります。ほかのPCではなかなか体験できない使い勝手という意味でも、多くの人に試して欲しい製品に仕上がっていると感じています。
取材・文/佐藤文彦