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日常生活では、「よく耳にするものの正しい意味や使い方は知らない」という表現も少なくない。「反骨精神」もそうした言葉の一つかもしれない。
本記事では反骨精神の意味や例文、類語表現などを解説する。仕事でも活かせるような、反骨精神を持つ人の特徴についても参考にしてほしい。
「反骨精神」意味や語源
反骨精神の読み方は「はんこつせいしん」。まずは反骨精神の意味、語源、英語表現などを確認していこう。
■反骨精神は権力に逆らう意志
反骨は「権威・権力・時代風潮などに逆らう気骨」の意味を持つ。「反骨精神」と熟語で使われることが一般的で、時代の風潮や権力などに反抗する心持ちを表す。
反骨精神を持った人には、頑固なイメージを持つ人も少なくないが、根拠なしに反抗をする場合は反骨を用いない。根拠に基づいて自分の主張を通すさまを表す際に用いる。
■語源
反骨は、「叛骨」とも書く。「叛」の漢字には、「そむく、さからう」の意味がある。
中国の古い逸話で「反骨洗髄」という言葉が使われているのが語源で、ある仙人が自身の骨をひっくり返して体調を整えていたと記されている。
■英語表現
英語で反骨精神と同様の意味を持つ表現には、「rebellious spirit」「a spirit of defiance」などが挙げられる。「rebellious(形)」「defiance(名)」の単語は反抗の意味を持つ。
英語圏で反骨の気概を表す表現として、「bulldog spirit(ブルドッグスピリット)」も使われる。ちなみにブルドッグ(オールド・イングリッシュ・ブルドッグ)は、イギリス原産の犬種でかつては闘犬だった。同表現は、イギリスの首相ウィンストン・チャーチルが第二次世界大戦下で、ドイツに屈さずに国を指揮した様子に由来する表現。不屈さや忍耐、勇気の精神が讃えられた言葉で、ブルドッグはウィンストン・チャーチル首相の愛称として使われていた。
反骨精神の使い方
反骨精神を使った例文や言い換え表現を確認していこう。
■例文
古い習慣や権力に反抗する姿を表す「反骨精神」を使った例文は以下の通り。正義感を振りかざすさまや頑固なさまを表し、ネガティブな表現として使われる場合もある。
例文
・反骨精神を持った人材が代表となれば、企業の雰囲気は大きく変わるだろう
・当時人気を集めたロックスターの作品からは、彼らの反骨精神が感じられる
・彼が反骨精神を剥き出しにしたために、契約が取れなかったのだろう
■言い換え表現
反骨精神は「気概がある」「気骨(きこつ)がある」「不屈の精神」などと類語関係にある。どの表現も、困難な状況においても強い意志を貫くことを表す。
ちなみに「気骨」は「きぼね」とも読む。「きこつ」と読む場合は、反骨精神と類似の意味を持つが、「きぼね」は、心配や気苦労を表し、別の意味となるため注意が必要だ。慣用表現「気骨(きぼね)が折れる」は、気を遣って精神的に疲れることの意味を持つ。この機会にぜひ覚えておこう。
■反骨精神とハングリー精神は違う?
反骨精神と混同されやすい言葉に「ハングリー精神」がある。辞書には「物事を強く求め、達成への強い意志を持ってことに当たる気持ちや心意気」とある。ハングリー精神は向上心と同様のニュアンスを持つ言葉で、反抗的な意味を持つ反骨精神とは異なる。
反骨精神のある人とは?
さまざまな業界で天才と称された人が持つとされる「反骨精神」。反骨精神が強い人とは具体的にどのような特徴を指すのかについて解説する。
■自分の意見を持っている
反骨精神のある人は、意思の強さを持つ。そのため権力に物怖じすることなく、正しいと思う道を突き進む傾向がある。自分の意見を主張する際は、相手の意見を尊重できるかも大きなポイント。反骨精神を貫きすぎて、相手の意見をはじめから否定してしまうと、学校や職場などの集団では、いじめの対象となる場合もある。相手を尊重した上で自分の意見を述べる姿勢が重要。
また、自分の意見を持ち、貫く姿勢があることから、周囲の視線を気にしない傾向もある。
■弱者に優しい
反骨精神は、逆境や挫折を乗り越えた経験から備わることもある。そうして反骨精神を身につけた人は、過去の経験から立場の弱い人の気持ちに寄り添いやすくなる。「権力に反抗する」と聞くと「強い人」や「頑固な人」といったイメージにつながることもあるが、弱者へ気配りをする一面を持ち合わせる点も特徴だ。部下に好かれ、集団の中でリーダーを任されることもあるだろう。
■負けず嫌い
自分の意見をしっかりと持っている反骨精神のある人は、自身の主張を通したいという想いが強く、負けず嫌いなところがある。仕事でもプライベートでも、物事に全力で取り組む傾向も。自分が正しいと思ったことを貫き通すため、前向きな努力を欠かさない点も特徴的だ。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部