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4月1日より「相続登記義務化」が全面施行、義務化前に開始した相続分も対象に

2024.03.24

日本司法書士会連合会は令和6年1月に、40~60代の男女600名を対象とした「相続登記義務化」に関する独自調査を3年連続で実施。結果をグラフにまとめて発表した。

「相続登記義務化」とは、令和3年4月に従来は任意とされていた相続登記の申請を義務化する法律が成立。令和6年4月1日に施行となり、相続した土地や建物の登記が義務化されたことによる。

今回の調査結果の概要は以下のとおり。

「相続登記」義務化の認知率は48.6%、全面施行が迫るが「2人に1人は知らない」

Q:あなたは「相続登記」が義務化されることをご存知ですか。

2024年4月1日に「相続登記」義務化全面施行が迫るも、未だに2人に1人は知らない状態と判明した。

Q:「相続登記」が義務化される前に開始した相続についても、義務化の対象となることをご存知ですか。

「相続登記」が義務化される前に開始した相続についても、義務化の対象となることを認知していると答えた割合は、15.2%という数字となり、約8割が認知していないという調査結果となった。

また、「相続登記義務化」の開始時期の認知も21.3%しか知らない現状から、施行後の混乱も懸念される。

Q:「相続登記」の申請が「3年以内」に必要となることをご存知ですか。

■正当な理由なく期限内に登記をしなかった場合には10万円以下の過料の適用対象

Q:もし「相続登記」の申請を怠った場合、10万円以下の過料の適用対象となることをご存知ですか。

「相続登記」の申請が「3年以内」に必要なことの認知率は12.2%だった。

相続登記の申請義務化により、「不動産を相続したことを知ったとき」から3年以内に相続登記を申請しなければならず、正当な理由なく期限内に登記をしなかった場合には10万円以下の過料の適用対象となる。

この「相続登記」の申請を怠った場合、10万円以下の過料適用対象となることの認知率も10.0%に留まっていた。施行が直前に迫ったタイミングではあるが、相続登記義務化の内容を詳しく把握していない人が多くを占めていることがわかる。

■「不動産を相続したことを知ったとき」とはどの時期なのか

ちなみに「不動産を相続したことを知ったとき」とは、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日のことをいう。

つまり、自身が相続人であることを認識していても、相続財産に不動産があることを知らなければ、登記義務は生じないことになる。

Q:「相続土地国庫帰属制度が新設されたこと(一定の条件を満たせば一律20万円が基本となる負担金を納付のうえで土地を国に引き取ってもらう制度)をご存知ですか。

土地を相続したものの使い道がなく、手放したいけれど引き取り手もなく、処分に困っている人が多い。そうした土地が所有者不明土地の予備軍になっていると言われている。

そこで、所有者不明土地の発生を予防するため、土地を相続した方が不要な土地を手放して、所有権を国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」(令和5年<2023年>4月27日施行)がスタートしている。

しかし、その認知率は8.3%と、認知率は10%にも満たない数値となっている。

Q:あなたの周りに空き家(長期間管理されず放置されたままの居宅)や耕作が放棄された農地、荒れ放題の空き地、倒壊寸前の家屋、廃業したホテルや店舗などはありますか。

昨今、各メディアでも取りざたされている「空き家問題」だが、本アンケートでも空き家など、それに該当する建物が身近にあると答えた人は36.2%となった。

今後も全国で「空き家」が増えていくことが予想されている中、近隣に「空き家」やそれに該当する建物がある、と答えた人が多いということは、改めて「相続登記」義務化の認知度を高めていく必要性があるといえるだろう。

■「相続登記」をする際の相談先は「司法書士」が48.6%

Q:あなたは「相続登記」をする際、誰に相談しましたか。当てはまるものを全てお選びください。

直近3年以内に「相続人」になった経験がある人のうち、「相続登記」をする際の相談先は「司法書士」が48.6%でとしてトップとなった。相談先の窓口としての認知率は高くなっており、また昨年よりも認知率が上昇した結果が得られた。
※業務として相続登記の相談を受けられるのは司法書士及び弁護士のみ。

Q:あなたは「相続登記」を「司法書士」に相談して、満足されましたか。

「相続登記」を「司法書士」に相談した人の83.3%が満足、と回答した。

理由としては、「問題なく完了したから」、「素早くスピーディーに完了したから」という回答が寄せられている。

専門的な法律知識を持つ、相続登記の専門家である司法書士だからこそ、問題解決に向けた取り組みを進めることができたということが数字として表れたようだ。

調査概要
調査期間/2024年1月22日~1月23日
調査地域/全国
調査対象者/40~60代の男女
標本数/計600サンプル
調査方法/インターネット調査 (調査機関:楽天インサイト)
標本抽出法/インターネットリサーチパネルより無作為にメール送信して調査依頼
標本構成/調査対象者毎に100サンプル均等割付

関連情報
https://www.shiho-shoshi.or.jp/

構成/清水眞希

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