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グーグルが「YouTube AI Music インキュベーター」を発足、YouTubeと初音ミクを開発したクリプトンが音楽業界での生成AI活用に向けて協力

2024.03.26

グーグルは、日本でも「YouTube AI Music インキュベーター」を開始したことを発表した。

同プログラムは「音楽における生成AIへの取り組みYouTube」に対し、アーティストや作詞・作曲家、プロデューサー等から情報提供を行なうものである。

今回、初音ミクの開発で知られるクリプトン・フューチャー・メディアが協力する。

音楽業界・市場でも生成AIの活用が加速する現状、グーグルは日本でも音楽業界と協力しながら生成AIの活用方法を作り上げる狙いがある。

クリプトン・フューチャー・メディアが開発した初音ミク

2023年8月に発表された「AI を音楽に活用するための基本的な考え方」を発表

今回の発表については、昨年8月に発表されたYouTubeが発表した音楽 AI の基本的な考え方を知る必要がある。

2023年8月21日、YouTube はAI を音楽に活用するための基本的な考え方、 AI Music Principles(音楽AIの基本的な考え方)の制定と、「YouTube Music AI インキュベーター」の発足について発表した。

その際にYouTubeが制定した音楽 AI の基本的な考え方は以下の通りだ。

1:AIの存在を無視することはできません。YouTubeは音楽業界と協働し、AIを責任を持って活用していきます。生成AIが、クリエイティビティの新しい扉を開く中、この急速に進歩する分野において、YouTubeと音楽業界は、これまでの長期的な協働関係を継続し、責任を持ってAIを活用していきます。音楽業界と連携して、責任ある改革の追求と、クリエイティビティの強化を目指します。

2:AI がクリエイティビティの新時代への扉を開く一方で、適切な権利保護と、音楽業界への機会提供がなければなりません。YouTubeはYouTube上のクリエイティブコンテンツを保護する強固な実績を継続させていきます。著作権者の利益とYouTubeのクリエイターコミュニティの利益とのバランスをとるために、長年にわたって非常に多くの投資を行っています。

3:YouTubeは、業界をリードする信頼性と安全性に取り組む組織とコンテンツポリシーを構築してきましたが、AI の課題に対応するため、さらにそれらを拡張していきます。YouTubeは、YouTubeコミュニティを保護するためのポリシーや、Trust & Safetyチームに長年投資してきましたが、これらはAIで生成されたコンテンツにも適用されています。生成 AI には、商標や著作権の悪用、誤情報やスパムといった現在既に存在している課題をさらに増やす可能性があります。しかし一方で、AIはそういった問題のあるコンテンツの識別に利用することもできます。YouTube は視聴者、クリエイター、アーティスト、作詞・作曲家のコミュニティを安全に保護するための AIを活用した技術、すなわち、Content ID、違反コンテンツを検知してポリシーを適用するシステムに引き続き投資し、今後この取り組みをさらに拡大していきます。

※出典:日本版YouTube公式ブログ「YouTube、AI を音楽に活用するための基本的な考え方を発表」

YouTubeは「表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届けること」を使命としているという。そのために、AIは重要な役割を担っており、YouTubeではAIは人間の置き換えではなく、創造性を強化するものと位置付けている。

そのため、YouTubeはみずからが責任をもってAIの活用を形作るために、音楽業界と協力しながらAIへのアプローチの作成を進めている。

グーグルは音楽業界とともに生成AIの使い方を作り上げていく姿勢

2024年3月21日に行なわれたYouTubeの「AI を音楽に活用するための考え方や取り組みに関する記者発表会」では、Google & YouTube 音楽部門グローバル責任者リオ・コーエン氏、YouTube日本音楽パートナーシップディレクター・鬼頭武也氏、クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役・伊藤博之氏が登壇した。

「YouTube AI Music インキュベーター」の意義・目的について問われると次のように答えている。

「開発中の新しい生成AI音楽プロダクトをアーティストやアーティストのチームに見て、触っていただき、どのような活用方法があるのかフィードバックしてもらう。フィードバックを通じて私たちの生成AI音楽プロダクトの開発、参考にさせていただきたい」(鬼頭氏)

「エンジニアが勝手に作るのではなく、音楽業界の方々に将来あるあるべき姿を形作ってほしいと考えています」(リオ氏)

一方で、昨今の生成AIをとりまくクリエイターやアーティストの権利保護、学習データについてなどはグーグルから、50万人のクリエイターの顧客がいるというクリプトン・フューチャー・メディアからともに明言は避けられた。

写真左/YouTube音楽部門グローバル責任者 リオ・コーエン氏 右/クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役 伊藤博之氏

取材・文/峯亮佑

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